週中競馬記事(2024年3月12日)~リーディングサイアー展望・回顧~ | ブログ

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先週に引き続き阪神・中山・中京の3場開催、1回阪神・2回中山は最終週

G2阪神大賞典、G2スプリングS、G3ファルコンS、G3フラワーCの4重賞実施週

 

●1位(1位)キズナ(7億7996万円)(37勝)

(6億7845万6000円)(31勝)

先週はG3中山牝馬S、3勝クラス特別など6勝でおよそ1億円加算の獲得賞金7億円突破。

前回は重賞で人気馬が勝ち切れなかった印象も否めませんが、その分を取り返した週間となるでしょうか。

 

G3中山牝馬Sのコンクシェルは逃げ切りで重賞初制覇。展開が向いたという感じでもなかったのですがハンデ53キロ、馬場もマッチしたというところでしょうか。3歳牝馬G1では通用しなかった馬が年明けに3勝クラス特別から連勝と本格化の兆しもありますが、15着まで1秒差に収まる大接戦ということから今回の勝利を過大評価するのも。

 

阪神大賞典にはサヴォーナ、ディープボンドが登録。

サヴォーナはG2日経新春杯2着から。G2神戸新聞杯でもレコード勝ちしたサトノグランツの同タイム2着、G1菊花賞では道中早めに動いて5着に粘り込み。この23年G1菊花賞および昨年のクラシック三冠や現4歳のレベル自体も怪しくなっていますが、1勝クラスアザレア賞は阪神芝2400mの勝利、G2神戸新聞杯やG1菊花賞の結果など阪から神大賞典でも走りそうな素養はあるので。母の父スニッツェルというのは長距離重賞で良くないとは思われますがこれだけ長距離戦で走っているので。想定は池添謙一の継続。

ディープボンドはG1有馬記念15着から。21・22年勝ち馬で同一重賞3連覇の懸かった昨年も5着。天皇賞(春)では3年連続2着という現役トップランクのステイヤーも相手が強かったとはいえ昨秋のG1ジャパンカップ、G1有馬記念を大敗した明け7歳。不安要素も大きいのですが過去2勝の得意レースで直近1年のG1・G2勝利がなく昨年の58キロから57キロで出走などといった材料も(23年G2京都大賞典も57キロで出走し3着)。想定は先週の中山牝馬Sをコンクシェルで勝利などキズナ産駒と相性の良い岩田望来のテン乗り。

 

スプリングSにはシックスペンス、ジューンテイク、スティンガーグラスが登録。

シックスペンスは2歳戦で中山芝1600mの新馬、1勝クラスひいらぎ賞を連勝し3ヶ月ぶりの出走。中山でしか走っていないのでコース自体は問題なく1ハロン延長もこなしそうですが、このようなスローのレースしか経験のない無敗馬が荒れ馬場ながら時計の出る現状の中山で勝負にならなかったのが同じく皐月賞トライアルのG2弥生賞ディープインパクト記念、スプリングSでもその轍を踏まなければ。想定は新馬戦勝利時のクリストフ・ルメールでっ本年リーディングトップも重賞では勝てない状況は変わらず、勝利すれば18年ステルヴィオ以来2勝目。

ジューンテイクはOP(L)すみれS2着から。既にキャリア7戦を消化しており近年のクラシックで良績を残すタイプとは思えず前走も一気の距離延長でどうかと見ましたが勝ち馬に出し抜かれたようなレースで連対は確保。G1朝日杯フューチュリティステークスでも4着していますが、右回りだとコーナリングが悪くペースの上がった4コーナーで大きく膨れるというか手前を替える際に高脚を使って大きくロスするようなところも見られ過去2勝はいずれも左回り中京。起用さも要求される中山芝1800mはいかにも合わない感じなので。想定騎手は入っておらず前日のOP(L)若葉Sにも登録されているのでそちらに出走ということも。若葉Sに出走となっても悪癖を見せたすみれS同様に阪神内回りなので課題は同様でしょう。

スティンガーグラスは中山芝2000mの3歳新馬戦勝利からキャリア2戦目。中山経験もある無敗馬ということにはなりますが過去10年で新馬戦勝利からという3着内馬はなく未勝利戦勝利からでもキャリア3戦目だった21年1番人気ボーデン3着のみとデータ上は苦戦傾向。ダノンファンタジーの半弟、セレクトセール1億円超え取引馬で木村厩舎所属馬ということから外厩で乗られていたりもするとは思いますが。想定は戸崎圭太に乗り替わり。

 

ファルコンS、フラワーCには産駒登録なし。

 

先週は好調でしたがこのような状況だった2週前に重賞勝ち馬や3着内馬を出せなかったので微妙ですが、2位ロードカナロアを突き放す再度のチャンス到来といえる週間でしょう。

 

●2位(2位)ロードカナロア(7億4889万7000円)(39勝)

(6億6038万7000円)(33勝)

先週は2勝クラス特別を含む6勝と堅実に賞金加算。重賞勝ち馬を出した分だけキズナに獲得賞金差を広げられたような週間で、得意の開幕週中京でも3勝など良く凌いだ週間でしょう。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

またもや首位キズナの失策を待つような週間となりそうで、昨年は産駒勝利となった高松宮記念の2週前登録も駒登録のある産駒2頭はどちらも登録時非抽選馬という状況で耐える時期が続くということも。

 

●3位(3位)エピファネイア(5億5909万3000円)(22勝)

(5億3713万2000円)(20勝)

先週は1勝クラス1勝。首位キズナとの獲得賞金差は2億2000万ほどまで開いてしまったのですが昨年同時期は3億3000万ほどの獲得賞金で10位だったことを思えば。リーディングを狙わないのであれば現状でも十分とは思いますが本年はチャンスもありそうなので。

 

阪神大賞典にはブローザホーンが登録。

古馬が弱いエピファネイアでしたが心房細動明けだった前走G2日経新春杯を勝利して出走の5歳馬。そのG2重賞を勝利したことで出走馬唯一の負担重量58キロ、3000mの距離は初出走、京都は3勝クラスでも勝利していますが阪神は初出走。それらよりも気になるのは年明け絶好調だった中野栄治厩舎が調教師の定年により解散し関西の吉岡辰弥厩舎へ転厩した点。吉岡厩舎は2023年調教師リーディング全国9位、本年も既に8勝しノーブルロジャーでG3シンザン記念も勝っている開業5年目ながら優秀な成績を残している厩舎ですが美浦から栗東の転厩といった環境の変化などによる影響がやや不安。

想定は菅原明良の継続で同じようなパターンで転厩となったカラテでも結果を出している騎手など、言うほど問題はないようにも思えますが。

 

スプリングSにはジュンゴールド、ドリーミングアップが登録。

ジュンゴールドは2歳8月小倉芝1800mの新馬戦を勝利して1勝クラス紫菊賞を連勝。年明け初戦のG3京成杯に1番人気で出走も12着。その前走G3京成杯は中山の坂や1ハロン延長が堪えたというよりはイレ込んでしまった上に道中で勝ち馬ダノンデサイルのボロを喰らわされたようなところも、ボロはともかくイレ込みの方が最大の因だったので3ヶ月ぶりを叩かれ2度目の中山で本来の力を出し切れば。距離は2400mまで問題なさそうですが過去2勝の1800mに戻るので。想定は坂井瑠星の継続。皐月賞は所属厩舎のシンエンペラーに乗るようですが権利は獲りに来るでしょう。

ドリーミングアップは2歳10月に5戦目の東京芝1600m未勝利を勝ち上がり。シックスペンスの勝利した2歳1勝クラス4着で前走東京芝1600mの3歳1勝クラス3着から。勝ち切れないものの崩れないといったタイプですがスローのマイルで後方から着を拾っているだけのようなここまでのレースぶり。祖母レディオブヴェニスやいとこ関係にあるゴンバデカーブースなどからもマイラーといった雰囲気で距離延長ではなく中山芝1800mの形状が疑問。想定騎手は入ってなく乗るならば新馬から全て騎乗の吉田豊と思われますが、同日の1勝クラスフローラルウォーク賞にも登録されており距離やコース形状などからはそちらの方が向くかと。

 

ファルコンSには産駒登録なし。

 

フラワーCにはカニキュル、カンティアーモ、フォーザボーイズ、ラビットアイが登録。

登録の産駒4頭は1勝馬で収得賞金400万ですが、13頭登録のフルゲート割れで出走可能な上に登録全馬が収得賞金400万以下という1勝クラス特別のようなメンバー。

カニキュルは初戦でシュバルツクーゲルの2着、ラビットアイは初戦でジュンゴールドの4着など、そのようなランクの牡馬とも対戦していますが今回のメンバーなので勝っても負けても納得といったところでしょう。2着ではG1桜花賞出走はアウトといった状況で勝てば出走可能となるはずですがローテも詰まる芝1800m戦ということからオークスに向けての一戦となるのかも知れません。

カニキュル戸崎圭太、カンティアーモ クリストフ・ルメール、フォーザボーイズ横山和生、ラビットアイ横山典弘がそれぞれ想定。

 

重賞で有力馬の登録も多く見られる週間なので上位2種牡馬との差を詰めるチャンスと同時に、キズナ産駒を直接叩くチャンスでもあるでしょう。そのような状況で逆のケースになれば更に苦しくなりますが。

 

●4位(4位)ドゥラメンテ(5億49万3000円)(24勝)

(4億4215万5000円)(22勝)

先週は1勝クラスなど2勝。G2金鯱賞で2着馬も出るなど獲得賞金5億円突破。

ということですがG2金鯱賞のドゥレッツァはいかにも取りこぼしでしょう。

 

負担重量59キロでクリストフ・ルメールにしては珍しい明らかな乗り違いですが、それがあっても勝ち馬に5馬身離されており獲得賞金以上にその結果が厳しいものとなりましたが。勝ち馬プログノーシスは次走予定の天皇賞(春)では対戦しない相手で菊花賞勝利の京都に戻って芝3200m戦なら、それでも2着は確保していますし休み明けでもあったのでこれで変われば。

 

上位と差は開いていますが高松宮記念ルガル、天皇賞(春)ドゥレッツァで得意のG1レース勝利も見込めますのであまり離されなければ。

 

今週の重賞登録馬はフラワーCのマルコタージュ、ミアネーロ。

マルコタージュは3歳1月東京芝1800mの新馬戦勝利から、想定は杉原誠人の継続。

ミアネーロは3歳1勝クラス菜の花賞5着から、想定は新馬戦勝利の津村明秀に戻る形。

 

●5位(5位)ハーツクライ(4億5030万6000円)(16勝)

(4億2615万4000円)(14勝)

先週は2勝クラスなど2勝。出走頭数が少なかった中から堅実に勝ち馬を送り出したような週間に。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

最終世代3歳の登録がなくスプリングSは21年ヴィクティファルスで1勝、ファルコンS・フラワーCは未勝利で確定。

 

●6位(6位)ドレフォン(4億3063万7000円)(22勝)

(3億8182万3000円)(18勝)

先週は2勝クラス特別など4勝。獲得賞金4億円突破で順位6位をキープ。前回は未勝利週で2週続くと嫌なムードも漂い出しますが直ぐに取り返せるのも本年ドレフォンの強さ、偶々そのようなタイミングだけだったのかも知れませんが上位常連種牡馬相手にこのような順位で戦えている強さの裏返しでもあるでしょう。

 

ダート戦のみのランキングでもヘニーヒューズを再逆転し1週で首位に復帰

1位ドレフォン 3億2691万5000円(22勝)

2位ヘニーヒューズ 3億351万円(13勝)

本年22勝でダート22勝ということから勝利は依然としてすべてダート戦です。

中央総合12位ヘニーヒューズもすべてダート戦の勝利で交流重賞ダイオライト記念ではセラフィックコールが勝利。

 

阪神大賞典にはワープスピードが登録。

本年は芝で勝たないといってもG3ダイヤモンドS3着から、2走前の23年G2ステイヤーズSも4着とドレフォン産駒には珍しい長距離型。3000mは京都の3勝クラス古都Sでも勝利しており阪神は初ですが内回りを2周するようなコースが余程合わないということでもない限り問題ないでしょう。想定はテン乗りの川田将雅。高木厩舎の川田将雅起用でウシュバテソーロも想起させますが騎手は22年シルヴァーソニック3チャック、23年ボルドグフーシュで過去2年3着内。

 

スプリングSにはウォーターリヒトが登録。

G3シンザン記念17番人気3着、G3きさらぎ賞10番人気2着と人気にならないタイプですが前走は勝ち馬ビザンチンドリームと同タイムの2着でもありメンバー的に今回は5番人気程度にはなるでしょう。京都の重賞で連続好走し過去6走中5走は京都も未勝利勝ちは唯一出走の阪神。中山が合うかはわかりませんが輸送をクリアすれば。河内洋調教師のクラシック出走ラストイヤーで優先出走権もほしいでしょうが騎手時代の01年にアグネスゴールドで勝利しており同一重賞騎手・調教師制覇も懸かる一戦。

 

ファルコンS、フラワーCには産駒登録なし。

 

●7位(10位)ディープインパクト(4億2814万7000円)(10勝)

(3億497万7000円)(8勝)

先週はG2金鯱賞など2勝で獲得賞金4億円突破。ここからキズナやロードカナロアを逆転してリーディングサイアー復帰ということは3歳世代もいないので考え難いのですがトップ10内すら怪しかった序盤の状況からは脱したとして良いでしょう。

 

G2金鯱賞のプログノーシスはドウレッツァに5馬身差の圧勝。負担重量で1キロ貰って直線の進路取りが明暗も分けましたがこれだけ差を付けたので今回は完勝ということに。ここから昨年同様に香港のG1QE2Cに向かうとのことでリーディング観点では残念ですが、昨年2着したレースのリマッチに期待。勝利すれば国内を通じG1レース初制覇で海外重賞は初勝利ということに。

3着に2年以上の長期休養明けとなったヨーホーレイク。屈腱炎を発症した長期休養明けで回ってくるだけになると見ていましたがドウレッツァには先着しそうな場面もあった3着と今後も順調に使われるようならば。今回は地力で来たのでしょうが近年の調教技術や医療技術の進歩といった結果ともいえそうです。

 

今週の重賞登録馬は阪神大賞典のゼーゲン、ディアスティマ。

ゼーゲンは23年G2京都大賞典13着以来5ヶ月ぶり。休み明け成績[3-0-1-10]で全成績[4-0-1-15]なので続けて使われることの方が少ないキャリア。前走は道悪で止めてしまったような大敗で昨年は阪神芝3勝クラス松籟Sを12番人気から勝利してG2阪神大賞典9着。イマイチ良くわからない成績ですがスピードのない9歳騸馬で、勝つのなら休み明けのこのような条件しかないのでしょう。想定はテン乗りの松若風馬。

ディアスティマはG2日経新春杯14着から。前走は他馬と競り合うというよりは同型のリビアングラスを潰すためだけに逃げたような机上で3秒9差最下位14着。今回もハナが理想なのでその兼ね合いでしょう。当然の乗り替わりでバウルジャン・ムルザバエフの想定。前任とは技量も全く違うので油断騎乗もしないと思います。

 

3歳世代はいないので今週の重賞登録馬は阪神大賞典の2頭のみ。

 

●8位(7位)モーリス(3億5632万6000円)(10勝)

(3億2168万5000円)(9勝)

未勝利1勝の週間で順位は8位から9位に後退。

重賞出走馬はG2フィリーズレビューのバウンシーステップが4着でG1桜花賞の優先出走権に届かず。優先出走権のない収得賞金900万組の出走は難しく1000万組でも現状は非抽選馬対象といった状況。

G2金鯱賞のノッキングポイントは12着。左回りでしか勝っていないので回りは良かったと思われますが休み明けで左回りでも中京は合わなかったとしか。栗東に入っていたようですが東日本エリアで狙うようなタイプとも。

 

阪神大賞典には産駒登録なし。

距離3000m以上の産駒出走も23年G1菊花賞ノッキングポイント15着1走のみ。

 

スプリングSにはログラールが登録。

3戦目の3歳1月小倉芝1800mの未勝利勝ちから。スプリングSで上位に来るような臨戦過程ではなく母ディアデラマドレや祖母ディアデラノビア、半姉クラヴェルなど古馬になってからという気も。想定は北村友一の継続になっていますので最後までしっかり追ってくれるでしょう。

 

ファルコンSにはシュトラウス、ダノンマッキンリー、フェンダー、ミルテンベルクが登録。

シュトラウスはG1朝日杯フューチュリティステークス10着から。G3サウジアラビアロイヤルC3着、G2東京スポーツ杯2歳S1着という実績もありますが前走は大外17番枠からトム・マーカンドがデタラメに乗ったのもあってキャリア初の着外。クラシックの2000m以上は無理なのでNHKマイルカップ路線で1400m出走ということなのでしょう。想定は北村宏司の乗り替わり、1週前調教の段階から失敗しているようなので本番でどこまで我慢できるか相手関係よりは自身との戦いとなりそうです。

ダノンマッキンリーは2歳新馬、1勝クラス秋明菊賞と芝1400mで連勝しG1朝日杯フューチュリティステークス8着。年明け初戦の前走は芝1400mに戻ってOP(L)クロッカスSに1番人気で出走も5着。ダノン冠号馬というイメージもあって早熟で終わってしまっているような嫌いも。想定は北村友一のテン乗りで最後までしっかり追ってくれるでしょう。今回2度目の記載になってしまいましたが加重制裁になったらさすがにマズイかと。

フェンダーは2歳1勝クラスさざんか賞1番人気9着から。前走は芝1200mで忙しかったのかゲートの出も良くなく先行決着となったレースの10頭立て9着。6頭立てのOPもみじSでナナオの2着がある一方で、新馬戦は1番人気で10着に敗れるなどムラといえばそれまでですが行けないと脆いようなので先行して自分のペースを守れれば。想定は西村淳也。

ミルテンベルクはOP(L)マーガレットS4着から。G3小倉2歳S2着で1200mの連対実績のみもG1朝日杯フューチュリティステークスこそ崩れましたがG2京王杯2歳Sでも5着に入っており勝ち切るとまでは言いませんが1400mまでは持つでしょう。想定は藤岡康太で最後までしっかり追うのは実際こちらの騎手なので。

 

フラワーCには産駒登録なし。

 

●9位(9位)キングカメハメハ(3億4424万7000円)(6勝)

(3億688万5000円)(6勝)

未勝利週でしたがG2金鯱賞4着ハヤヤッコ、5着アラタ。G3中山牝馬S2着ククナなどの重賞入着でディープインパクトには逆転されたもののルーラーシップを逆転して順位は9位のまま。いずれ11位以下となるはずですが非常にしぶとい本年ここまでのキングカメハメハ。

 

ククナは今回ラストランということで最後まで重賞勝利には届かず。2・3歳時には強い相手に負け続けた不運な面もあり、そのような早期から活躍し6歳3月まで走ったのは立派の一語。ハヤヤッコ、アラタは得意レースで堅実に入着となるでしょうか上位3頭は強かったということでこちらも良く走っているかと。

 

3歳世代はいないので3歳重賞に登録はなく今週の重賞登録馬は阪神大賞典のユーキャンスマイル。23年G3中日新聞杯8着からで阪神大賞典は20年1着・21年2着・22年5着・23年8着の5年連続出走。比喩的な意味ではない表現で馬齢を重ねるごとに着順を下げていますが休み明けは強く2年2ヶ月ぶりのヨーホーレイクでG2金鯱賞3着の友道厩舎所属馬ならこの程度の休み明けは。

とはいえ迎えて9歳なのでどこまで頑張れるか。想定はルーク・モリスから荻野琢真への乗り替わりで、想定通りの場合に荻野琢真のユーキャンスマイル騎乗は18年5月京都新聞杯6着以来。荻野琢真の重賞騎乗は21年G3シリウスSサンデーウィザード12着以来。勝利すればハンデ49キロで騎乗した09年日経新春杯テイエムプリキュア以来の中央重賞2勝目。

 

●10位(8位)ルーラーシップ(3億3924万円)(16勝)

(3億751万8000円)(14勝)

先週は3歳1勝クラス平場戦の2勝で順位を10位まで下げましたが、総合記事でも書いたように先週勝利の2頭へデントール、ディスペランツァはいずれも規格外というかド派手なレースぶりで勝利したように今後も期待十分でしょう。順位こそ下げましたが収穫大の週間という予感も。

 

もう1つ収穫といえばG2金鯱賞にルーラーシップ産駒ワイドエンペラーで格上挑戦し6着となった高杉騎手。デビュー2週目のルーキーで初勝利もまだですが別定57キロで最後方から12番人気馬を6着まで持って来る健闘ぶり。オーダー通りだったのかも知れませんが騎乗姿勢や技術というより、このキャリアなからそのような胆力が見事で早い段階での初勝利にも期待を。

 

今週の重賞登録馬はフラワーCのスティックバイミー、ホーエリート。

スティックバイミーは2歳10月中山芝1800mの新馬戦を勝利し4ヶ月ぶりの前走3歳1勝クラスデイジー賞最下位13着から。前走は案外でしたが休み明けを使われ中山芝1800mの3走連続出走。想定は菅原明良。

ホーエリートは2戦目の2歳10月に東京芝1800mで未勝利勝ち、7頭立てのレースでしたが当時の2着馬は3歳1勝クラスセントポーリア賞を勝利しG2スプリングSでも人気を集めそうなペッレグリーニ。その後1勝クラスで2走し着外も百日草特別の勝ち馬はG3京成杯2着アーバンシック。前走フリージア賞7着はスローの上り勝負になったとはいえ勝ち馬から0秒2差。種牡馬リファールやシーキングザパールなどの出る5代母Goofedの一族で想定の原優介も含め一発あるならこのタイプでしょうか。

 

・11位以下種牡馬産駒注目馬など

阪神大賞典は23年G1天皇賞(春)3着以来のオルフェーヴル産駒シルヴァーソニック。22年の阪神大賞典3着でその後に国内外重賞勝利などもありますが想定の武豊は20年6月東京の3勝クラスジューンS6着以来2度目の騎乗。勝利すれば07年アイポッパー以来の阪神大賞典9勝目で父の武邦彦騎手も2勝しており父子騎手勝利済。管理する池江泰寿調教師も17年サトノダイヤモンドで勝利し父・池江泰郎調教師は91・92年メジロマックイーン、06年ディープインパクトで過去3勝とこちらも父子調教師勝利済。出走予定のあった20年5着・23年11着メロディーレーンは右前肢に骨瘤が発症ということで登録されず。

他にG3ダイヤモンドS連覇のリオンディーズ産駒テーオーロイヤル。

13~15年阪神大賞典3連覇のゴールドシップはゴールデンスナップ、プリュムドール、メイショウブレゲの産駒3頭が登録。同一重賞父子制覇が懸かりゴールデンスナップもしくはプリュムドール勝利の場合は72回目の実施で牝馬による初勝利。

 

スプリングSはゴールドシップ産駒のG3京成杯3着コスモブッドレア、G2弥生賞ディープインパクト記念コスモキュランダに続き皐月賞TRでビッグレッドファーム勢の勝利なるか。メイショウタバルはOP(L)若駒S競走除外明けの1勝クラスつばき賞勝利から。

レイデオロ産駒ペッレグリーニは1勝クラスセントポーリア勝勝利から。昨年はセントポーリア賞勝ち馬ベラジオオペラがセントポーリア賞からスプリングSを連勝。

イスラボニータ産駒ルカランフィーストは今回と同舞台となる中山芝1800mの1勝クラス若竹賞勝利から。前走は不良馬場の中山で最後方から差し切り、鹿戸‐横山武のコンビは23年G1皐月賞勝ち馬ソールオリエンスを彷彿とさせる要素も。父イスラボニータは14年G1皐月賞勝ち馬。G3京都2歳Sは13着も4着ダノンデサイルはG3京成杯、8着コスモキュランダはG2弥生賞ディープインパクト記念と中山で重賞勝利し6着ディスペランツァは先週1勝クラスを豪快に差し切り、11着ギャンブルルームも1勝クラス特別をその後に勝利など勝ち馬シンエンペラーの活躍も含め現3歳世代で特筆の出世レース。

 

ファルコンSは前走東京芝1400m1勝クラス勝利のソンシ。中京は初出走も東京芝1400mで2勝しており左回り芝1400mでは2戦2勝。前走は2着馬と上り同タイムでメンバー中最速の33秒0を計時して3馬身差の勝利と前目から早い上りを繰り出せるタイプ。中内田‐川田将雅のコンビで藤田晋オーナーの所有馬。父ナイトオブサンダーは海外供用種牡馬で同じく父の父ドバウィとなるトゥーダーンホット産駒エトヴプレは先週G2フィリーズレビューを勝利。

 

・3歳戦

G2フィリーズレビューは11番人気エトヴプレ勝利でG2チューリップ賞同様にG1桜花賞トライアルは大波乱に。阪神ジュベナイルフィリーズ3着で1番人気コラソンビートは不利を受けつつ2着と連対もピークを過ぎていたような騎手コメントが出ており上積みも疑問。1600mよりは重賞勝利もある1400m向きかと。

 

ダートOP昇竜Sは1着チカッパ、2着ジョージテソーロの先行2頭が最後に入れ替わって連対。チカッパ9戦目、ジョージテソーロはスタート直後の落馬競走中止を含め7戦目と数を使われておりレース名とは裏腹にここから上昇するかは疑問。この時期にこれだけ使えるタフネスとも言えそうですが。

 

阪神芝2400m1勝クラスゆきやなぎ賞も近年の出世レースですがスローの上り勝負をショウナンラプンタが勝ち切っただけという印象。TRに出走の場合その結果次第ですが春のクラシックよりは秋以降に期待したいタイプ。

 

注目馬としては上記ルーラーシップ産駒の2頭へデントール、ディスペランツァの2頭。

もう1頭挙げれば5戦目の未勝利勝ちながら中山芝2000mで5馬身差し切って来たキズナ産駒ロードアフェット。日本ダービーになんとか間に合うかも知れませんがその戦績なので菊花賞に出走するようならば。

 

・母の父部門

(前回)

1位ディープインパクト 7億8779万2000円

2位キングカメハメハ 5億2392万5000円

3位マンハッタンカフェ 4億5602万4000円

4位シンボリクリスエス 4億2172万1000円

5位クロフネ 3億4861万5000円

6位アグネスタキオン 3億3956万8000円

7位スペシャルウィーク 3億3794万5000円

8位ハーツクライ 3億3215万8000円

9位フジキセキ 2億7243万2000円

10位エンパイアメーカー 2億4634万5000円

 

(今回)

1位ディープインパクト 8億7011万3000円

2位キングカメハメハ  5億9938万5000円

3位マンハッタンカフェ 5億46万5000円

4位シンボリクリスエス 4億2752万1000円

5位クロフネ      3億8858万8000円

6位スペシャルウィーク 3億7761万8000円

7位アグネスタキオン  3億6908万円

8位ハーツクライ    3億3996万8000円

9位フジキセキ     2億8779万8000円

10位フレンチデピュティ 2億5890万6000円

 

首位ディープインパクトは2勝クラス特別など2勝、G3中山牝馬S2着ククナなど入着も多く獲得賞金8億円突破。

2位キングカメハメハは3勝クラス特別など3勝。獲得賞金6億円には僅かに届かなかったがG2フィリーズレビュー12番人気3着セシリエプラージュはG1桜花賞の優先出走権を獲得、G3中山牝馬Sでは6番人気3着シンリョクカなど重賞上位入着馬も。

3位マンハッタンカフェはOP(L)東風Sディオで1勝。OP(L)コーラルSでは福永祐一調教師の管理馬初出走に武豊騎手の騎乗で話題も集めた2番人気レオノーレ2着、6番人気パラシュラーマ3着などの入着もあって獲得賞金5億円突破。

4位シンボリクリスエスは未勝利週で600万円弱の加算にとどまったが順位4位は変わらず。

5位クロフネは3勝クラスオークランドサラブレッドレーシングトロフィーなど2勝。障害重賞G2阪神スプリングジャンプではトライフォーリアルが5着入着など接戦の中で前回と変わらず順位5位をキープ。

 

・金鯱賞

父ディープインパクトのプログノーシスが勝利。母の父オヴザーヴァトリーは46位。

母の父オヴザーヴァトリーは本年重賞初制覇で23年から2年連続重賞制覇、通算3勝。

重賞制覇は23年G2札幌記念プログノーシス以来。

金鯱賞は23年プログノーシスから連覇達成の2勝目。

過去中央重賞3勝はすべてプログノーシスによるもの。

 

・フィリーズレビュー

父トゥーダーンホットのエトヴプレが勝利。母の父クロドヴィルは66位。

母の父クロドヴィルは中央重賞初出走で初制覇。

中央出走は3頭でエトヴプレのみが中央勝利、産駒は中央出走なし。

競走馬時代は03年G1仏1000ギニーなど重賞2勝。海外調教産駒に08年英G1ファルマスSなど重賞2勝Nahoodh(エトヴプレの母)、デインヒル経由ダンジグ系種牡馬。

 

・中山牝馬S

父キズナのコンクシェルが勝利。母の父ガリレオは16位。

母の父ガリレオは本年重賞初制覇で20年から5年連続重賞制覇、通算8勝。

重賞制覇は23年G3京都2歳Sシンエンペラー以来。

中山牝馬Sは初制覇。

 

・阪神スプリングジャンプ

父ゴールドシップのマイネルグロンが勝利。母の父ブライアンズタイムは15位。

母の父ブライアンズタイムは本年重賞初制覇で22年から3年連続重賞制覇、通算44勝。

重賞制覇は23年G1中山大障害マイネルグロン以来

阪神スプリングジャンプは初制覇。

障害重賞勝ち馬はマイネルグロンのみ。