週中競馬記事(2024年1月4日)~リーディングサイアー展望・回顧~ | ブログ

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今回は2023年度の回顧および2024年度の展望などを投稿。

 

●1位(5位)ドゥラメンテ(41億6555万9000円)(118勝)

(29億6496万1000円)(127勝)

※●本年順位(昨年順位)種牡馬名(2023年獲得賞金)(2023年勝利回数)

(2022年獲得賞金)(2022年勝利回数)

 

産駒デビュー4年目で初のリーディングサイアー獲得。前年僅かに届かなかった獲得賞金30億円の壁を一気に超え40億円の大台も突破して最終的には41億円まで突破。これは首位を最後まで争ったロードカナロアの過去最高年間獲得賞金も上回る数値でデビュー以来前年度の獲得賞金を上回ることに。

 

一方で年間勝利回数では127⇒118と昨年を下回り初の前年割れ、それでも年間100勝はクリアして9勝減となんとか1桁の勝利回数減では抑えることに。様々な要因はあるのでしょうが22年にリーディングとなった2歳部門で順位は1位⇒14位となって、勝利回数は24⇒10と減少しこれが大きな要因となっているでしょう。初の中央総合リーディングサイアー獲得時に存命しておらず種牡馬価値を上げることもなく、早い時期から使い出さずとも走ることなどを考慮した結果ともいえるでしょうか。2022年2歳戦はリバティアイランド、ドゥラエレーデで2歳G1を2勝しドゥーラのG3札幌2歳Sと合わせ重賞3勝など、本年の結果を受ければ前年は出来過ぎの年度だったようにも思われます。

 

2023年度の種牡馬別重賞勝利などは週間の総合記事投稿をして来たのもあって精査しませんがドゥラメンテは昨年重賞11勝中5勝がG1レースと、以前より賞金も増額されておりここが強みとなったのでしょう。牝馬三冠リバティアイランドの貢献度は最大でしたが終盤の大逆転に繋がる1着賞金が5億円に増額されたジャパンカップ・有馬記念では、ジャパンカップ2着リバティアイランド・3着スターズオンアース・5着タイトルホルダー、有馬記念2着スターズオンアース・3着タイトルホルダーと両レースで勝ち馬は出ませんでしたが2位ロードカナロア産駒から入着馬が該当レースでは出ない中で、ドゥラメンテ産駒は7億円近くの賞金加算とこれで勝負アリ。この傾向が本年以降も続くかわかりませんが賞金増額初年度にこの2レースの結果が年間順位へ大きく反映されることに。

 

展望的な観点では11月末・12月末に実施のG1レース2競走その出走・不出走に関連する、米G1BCシリーズ、G1香港国際競走などを年頭に想定しないといけないので基本的にはもう無理なのでしょう。2022年まではディープインパクトとリーディングサイアーを展望すれば良かったのですが、それも昨年からは通用せず。

 

ドゥラメンテが来年度もここまで獲れるかとなると牝馬三冠も出ないでしょうし、タイトルホルダーも引退など本年で5世代が揃うとはいえ年が明けて現2歳が最終世代。血統登録数は189⇒201⇒122⇒118⇒95と減少傾向にあり、現3歳は年明けからもう少し走って来るはずですが2歳戦成績からは過度の期待も厳しく数値を落とすのが妥当と見ても。昨年と同程度もしくは獲得賞金増という見方をするのならば、先に少し触れ上位種牡馬産駒全体にも言える「有力馬のローテ次第」なのでリバティアイランドやスターズオンアース、菊花賞馬ドゥレッツァが中央のG1レース中心に回って本年もジャパンカップ・有馬記念で大きな獲得賞金があれば連続年リーディングサイアー獲得も可能でしょう。

 

●2位(2位)ロードカナロア(39億3172万2000円)(157勝)

(39億867万3000円)(182勝)

最終盤に逆転を許し20年から4年連続2位と本年もリーディングサイアー獲得はならず。それでも昨年の獲得賞金は上回り20年の40億7260万1000円に次ぐ過去2番目に高い数値。勝利回数は激減しましたが昨年時点でトップとなっており、2年連続2度目の年間最多勝利種牡馬。

それでもリーディングに届かなかったのはドゥラメンテとの対比でG1レースの結果。ロードカナロアも高松宮記念、エリザベス女王杯と年間G1レース2勝ですが、その勝利回数自体でドゥラメンテを下回りジャパンカップ・有馬記念の結果もあって逆転を許すことに。ジャパンカップ終了時で逆転された獲得賞金は翌週にG3チャレンジC制覇などで即逆転、その翌週もG3カペラSで産駒ワン・ツーの2週連続重賞制覇など逆転を許した後の12月期に1億円以上のリードも有馬記念でドゥラメンテ再逆転と、ジャパンカップ前のリードも含め結果的にそれでは逃げ切るに至らなかったのでしょう。

 

ロードカナロアも現2歳から極端に血統登録数は減少していますがそれでも年間獲得賞金40億円近くは獲っており、ブレイディヴェーグのローテ次第でしょうリバティアイランドとの使い分けということになるのかも知れませんが。ベラジオオペラなどもいますしダート短距離OP特別でやたらと強く、勝利回数ではトップとなるように出走頭数・回数なども圧倒的なので、まだまだ数で勝負できるでしょう。

 

●3位(1位)ディープインパクト(32億3985万3000円)(80勝)

(45億171万6000円)

産駒デビュー3年目の12年から22年まで11年継続したリーディングサイアーからついに陥落。ドゥラメンテが初のリーディング獲得というよりもディープインパクトがリーディングサイアーを逸するというのが記事的には最大のトピックのように思えます。昨年度から各数値は激減し3歳以下世代の産駒頭数などの関係からこの結果も想定はされていたのですが。総合記事などで書き漏れたことでは12年から継続した年間重賞勝利回数10以上が22年でストップ、23年は重賞8勝でした。

 

それでもジャスティンパレスのG1制覇や天皇賞(秋)2着ジャスティンパレス・3着プログノーシス、有馬記念4着ジャスティンパレス・5着シャフリヤールの入着などで産駒キズナを上回ってトップ3内は確保。ドゥラメンテがロードカナロアをG1秋古馬三冠の結果で振り切ったように3位争いもその結果でしょう。

 

本年はさらに数値を落としてさすがにトップ3内維持は無理でしょうがトップ10内にはなんとかとどまるでしょう。結局はジャスティンパレス、シャフリヤール、プログノーシス、ゼッフィーロなどのローテ次第で馬名を挙げた組も昨年に海外遠征は多かったので。最年少世代は4歳で最強馬はオーギュストロダンなのですが海外調教馬のエイダン・オブライエンなのでジャパンカップも来ないでしょうし、中央所属馬は4頭の上に実質ライトクオンタムしか期待できず、そのような状況でどこまで踏ん張るか。

 

●4位(4位)キズナ(32億2255万5000円)(134勝)

(30億356万3000円)(131勝)

昨年は産駒デビュー5年目で獲得賞金・勝利回数ともに前年度を常に上回っていますが、近2年はギリギリ上回って来るような数値の年間順位は3年連続4着。出走頭数・回数はロードカナロアに次ぐ2位で勝利回数も2位なのですが昨年は重賞4勝と、これが上位との差となったのでしょう。僅少差とはいえディープインパクトに本年も負けるとは思いませんでしたが。

 

昨年の重賞4勝中、G1レース2勝も引退してしまった牝馬ソングラインによるもので取って代わるような存在が出れば良いのですが数の力で安定もG1レースおよび重賞での弱さがネックとなりそう。産駒の最多獲得賞金でもあるディープボンドもジャパンカップ・有馬記念2桁着順の明けて7歳ということから得意の天皇賞(春)で期待をするのも現状では酷。

 

明るい材料といえば昨年2歳リーディングを初めて獲得したように明け3歳勢の活躍となるでしょうか。昨年2歳戦は重賞勝ち馬が出ずG1レース3着馬を複数出すなどキズナらしいリーディング獲得でクラシック勝ち馬を出すかとなれば懐疑的ですが、かつてない好成績だったことも事実なので。

 

●5位(3位)ハーツクライ(31億7224万9000円)(97勝)

(30億9229万2000円)(103勝)

年間順位では18年から5年連続継続した3位内、4位以内まで広げれば14年から継続していたのですがこれらは昨年でストップ。14年から継続していた年間勝利回数100以上もストップという年度でしたが獲得賞金では昨年よりも増加。G1有馬記念ドウデュースの勝利は効いていますが、2022年もG1日本ダービーを勝っているので全体的にもさほど衰えはないのでしょう。

 

昨年2歳が最終世代で本年2歳戦ではその分がそっくりそのまま消えますが、昨年も1億1000万程度の獲得。そこよりはドウデュースのローテ次第で、昨年は出走が叶わなかったドバイに行くようなコメントも出て、秋には凱旋門賞に再度のチャレンジということもやりかねないので。

 

キングカメハメハ産駒の2頭が本年のリーディングサイアーを争ったように、ハーツクライも後継のスワーヴリチャードが圧勝といって良い新種牡馬リーディング獲得とそのような段階に移行しているのでしょう。

 

●6位(14位)キタサンブラック(27億9476万5000円)(79勝)

(15億2902万2000円)(57勝)

産駒デビュー3年目で初のトップ10入りとなりましたが、イクイノックス効果ということで実際にはもう1頭のG1勝ち馬ソールオリエンスと2頭の活躍が顕著。総合記事で書きましたがこの2頭で本年の半数を超える獲得賞金。

 

そのイクイノックスは引退していまい、ソールオリエンスも秋競馬で使うごとにトーンダウンといった成績。昨年は谷間の世代とでもすべきか2歳世代も少なく83⇒81⇒54という血統登録数、ここから70⇒133と上がって2023年は242頭に付けたということから年間トップ10内継続には本年をいかに耐えるか。昨年の重賞勝利もイクイノックス、ソールオリエンスとG1日本ダービー入線後に亡くなったスキルヴィング、障害重賞のエコロデュエルだけなのでソールオリエンスやガイアフォースなどが巻き返して来ないことには。昨年はイクイノックス抜きでも10位以内にランクする数値で本年から4世代になるということを考えれば10位以内は守れそうに思えますが厳しい戦いとなるでしょう。

 

●7位(8位)モーリス(25億5005万1000円)(109勝)

(21億7529万円)(111勝)

年間勝利回数は初の前年割れも2勝減の109勝。産駒デビュー4年目で獲得賞金は常に前年度を上回り獲得賞金25億円に到達。年間順位も常に前年度を上回っていますが昨年は7位ルーラーシップと150万ほどの差で8位からの本年7位。

 

G1勝利は大阪杯のジャックドールのみ、ジェラルディーナが前年ほどの活躍はなく引退、ピクシーナイトも復調ならず引退、2歳G1朝日杯フューチュリティステークス シュトラウスの大敗など終盤に伸びを欠いたようにも思える結果以上に悪い印象となりがちな推移。

 

2歳戦も序盤に独走もひっくり返されたような順位4位で、2歳G1に出走のなかったOP(L)アイビーSを勝利したダノンエアズロックがよほど活躍しないことには。産駒デビュー5年目の本年2歳は初の血統登録数100割れ、これが96の100割れで103頭の昨年も走ってはいるので繁殖の質はわかりませんがいきなりトップ10内から落ちてしまうようなことはないでしょう。

 

●8位(8位)ハービンジャー(20億2878万3000円)(78勝)

(15億4361万8000円)

昨年の年頭展望記事では数多くの想定がハズレとなってしまい、ハービンジャーのトップ10内復帰もその1つ。産駒デビュー3年目の16年から19年にトップ10入り、20年~22年も15位以内にはランクしていましたが産駒デビュー8年目の21年には10億3858万円まで落ちた数値から20億円まで突破してのトップ10内復帰。トップ10内に復帰するケースはかつてもあったのですが3年間隔があっての復帰はかなりのレアケースと思われます。

 

週中記事などでも何度か書いていましたが、2017年に秋の京都開催で秋華賞ディアドラ、エリザベス女王杯モズカッチャン、マイルチャンピオンシップ ペルシアンナイトでG1レースを3勝。この活躍を見て付けたのが19年産の現5歳で秋に京都実施へ戻ったG1マイルチャンピオンシップで該当世代のナミュールがレース当日に色々ありましたが見事に勝利など。ローシャムパークなどの活躍などもあってV字回復というほどではないにせよ見事なトップ10内復帰に。

 

来年度は血統登録数なども減少し、何よりもダートで全く走らないというと語弊はありますが典型的な芝種牡馬なので残った産駒が芝レースでどれだけ勝つかでしょう。2歳重賞勝ち馬チェルヴィニアが復帰して牝馬でクラシックで活躍するようならば。

 

●9位(9位)エピファネイア(19億5434万5000円)(99勝)

(20億1702万8000円)(100勝)

産駒デビュー2年目の20年に9位でトップ10入りし、21年には6位までランクアップしましたがエフフォーリ効果によるものだったのか22・23年は順位9位。年間勝利回数も100割れで初の前年度減ですが100⇒99なので。

 

昨年は重賞3勝中2勝は古馬の重賞勝利でしたが基本的に2歳戦(のみ)で強く、年度の後半に逆転してトップ10入りするような推移。2歳部門では昨年の獲得賞金を僅かに上回り過去最高でしたが本年も終盤に逆転されて2位。現2歳も血統登録数150なので本年も上半期にもたついて2歳戦が始まれば巻き返してトップ10内には入るような推移と思われます。ディープインパクトやハーツクライといったかつての上位種牡馬の落ち込みが顕著となれば順位上昇もありそうですが。

 

●10位(7位)ルーラーシップ(19億3769万4000円)(89勝)

(21億7687万3000円)(90勝)

トップ10内は確保しましたが産駒デビュー3年目の19年に8位でトップ10入り以降は最低の年間順位。獲得賞金も18年以来の20億円割れで20年も100万円弱20億円に届かなかった数値で本年も19億円は獲っているので。

 

年間10位以内キープ自体は危ぶまれるような推移ではなくハービンジャー、エピファネイアとの順位争いに敗れたような形の10位で、8位ハービンジャーと1億円以内の獲得賞金差に対して11位ドレフォンには1億8000万以上のリードで終了。

 

血統登録数は減少傾向にありますが、安定感はあるのでそれほど落ち込まないような数値の2024年になるかと。2歳G1勝ち馬ドルチェモアは一向に復調しませんが、ソウルラッシュは好調で秋には3歳牝馬からマスクトディーヴァなども出て古馬となった本年も活躍が期待される存在に。

 

 

・11位以下

キングカメハメハ、ダイワメジャーがトップ10内を継続できず、他記事でも書いていますので省略しますが昨年まではトップ10内にとどまるという想定だったのでここも大きく外してしまいました。関連してハービンジャーのトップ10内復帰、キタサンブラックのトップ10入りを外してしまったということに。

 

獲得賞金差からキングカメハメハ、ダイワメジャーのトップ10内復帰はもう難しいと思われますが、阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬を出したダイワメジャーよりも現役世代数が少なくなるキングカメハメハがより厳しいでしょう。キングカメハメハに関しては産駒ドゥラメンテ・ロードカナロアがリーディング争いとそのような状況に立場を変えており、リーディングから陥落したもののディープインパクトと共に歴史的大種牡馬という個人評は全く揺るがず。

 

 

●2024年トップ10内予想

ここまでは昨年の12月28日の結果を受けた総合記事とほぼ同じで、もう順位予想が今まで以上に当たらないフェーズとなったのであまりやりたくなかったのですが出すだけ出します。当たろうが外れようが総合記事や週中記事で推移を追うので。

 

1位ドゥラメンテ

2位ロードカナロア

3位キズナ

4位ハーツクライ

5位モーリス

6位ディープインパクト

7位エピファネイア

8位ルーラーシップ

9位ドレフォン

10位スワーヴリチャード

 

本年も獲得賞金40億円前後の争いでG1レースに強いドゥラメンテがジャパンカップ・有馬記念で獲得賞金大量加算の連覇と予想。2位ロードカナロア、3位キズナの物量勢。ドウデュースなどのハーツクライ、安定のモーリス、ディープインパクトがこの程度には収まり本年まではトップ10内だろうという上位。

エピファネイア、ルーラーシップ安定の20億前後でトップ10入り。

 

新たなトップ10入り予想として産駒デビュー4年目となるドレフォン。昨年も11位で勝利回数は4位タイ、世代数も増えて、かつての10位近辺で推移したダート種牡馬ゴールドアリュールやヘニーヒューズほどダート偏重でもなくランクインの可能性は十分。

もう1頭はロマン枠的に2023年新種牡馬リーディングのスワーヴリチャード。トップランク種牡馬になるには初年度のみで過去の傾向から40位以内に入ってほしかったのですが45位。とはいえ2歳G1勝ち馬も出して獲得賞金4億円超え。これが牝馬のG1ホープフルS勝ち馬レガレイラ、中山芝2000mのG1勝ち馬でもあり距離適性から皐月賞⇒オークスという現段階のローテで不安もありますが、もう1頭の重賞勝ち馬で阪神ジュベナイルフィリーズ3着コラソンビートもいて何よりもこれだけ獲得賞金があって上位勢がまだ落ちる時期にもあるので割って入っても。2世代目、3世代目と血統登録数は減るので厳しいと思いますが本年の活躍で産駒数なども増えるでしょうから後発のハーツ系となるであろうドウデュースに多くが流れるようななことでもなければ、本年のトップ10入りは無理でも将来的にはトップ10内有力候補でしょう。ここらはスワーヴリチャードとドウデュース、キズナとコントレイル、キタサンブラックとイクイノックスが同じ父の産駒でどのように推移するかといった観点で。

 

代わってトップ10陥落はイクイノックス効果を得られないキタサンブラック、ナミュールやチェルヴィニア次第でしょうがハービンジャーということに。これらを含め自信は全くありません。

 

 

・年頭の週中記事は以上です

今後は3日間開催終了の1月8日か翌日の9日に総合記事投稿。それ以降に週中記事投稿、2歳戦スタートから並行して2歳記事投稿など年度末までの推移を本年も投稿する予定です。