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後悔しない収納計画の立て方
新築の間取りを考えていたころのことだ
寝る前も風呂の中でも
頭の中はいつも
家のことでいっぱいだった
とくに悩んだのが収納だった
収納は広ければいい
そう思っていたけれど
実際に考え始めると
どこに どれくらいの大きさで
何を収納するかが難しい
ある日 妻が言った
「リビングが片づかないのって
モノの帰る場所がないからだよね」
そのひとことで
ハッとした
たしかに
なんとなく棚を置いて
とりあえず詰め込んでいた
家を建てるなら
モノの「帰る場所」を
最初からちゃんと
つくっておかなきゃいけない
そう気づいた
次の休日
妻と一緒に
今の住まいにあるモノを
全部リストにした
リビングにある文房具
子どものゲーム機
掃除道具
郵便物
日常的に使う書類
「これらを戻す場所が
決まってないから
散らかるんだね」
そう妻が言った
そこから
どこに何を収納するかを
一つずつ話し合った
テレビの下には
DVDとゲーム機
ソファ横には
新聞と読みかけの本を置く棚
ダイニングの近くには
子どもの学習用品を入れる収納
それから
思い切って
ウォークインクローゼットの位置も変更した
寝室から遠い場所にあったけれど
「朝の着替えは洗面所で済ませるよね」
という話になり
洗面所の横にクローゼットを設けた
これが思った以上に便利だった
洗濯物を干して
そのまま畳んで
すぐしまえる
動線と収納が
ぴったり合うと
毎日の暮らしがこんなに楽になるのかと
実感した
玄関の収納も
少し広めにした
靴のほかに
ベビーカーや傘
子どもの外遊びグッズまで
置けるようにした
「ここなら
雨の日でもラクだね」
と妻が笑った
それを聞いて
よかったと思った
収納を単に「スペース」として
考えるのではなく
「生活の流れの中にどう組み込むか」を
考えることが大切だった
最初は
「収納は多ければいい」
としか思ってなかったけれど
「ここで何をして
どんなモノが必要で
どう戻すか」
それを一つずつ想像して
場所を決めていく作業だった
今 思えば
あの時間が
いちばん家づくりらしかった気がする
図面とにらめっこして
何度も妻と話し合って
ときには意見がぶつかって
でも それが楽しかった
そしていま
この家に住んで数ヶ月
驚くほど散らからない
毎日 少しの手間で
ちゃんと片づく
「帰る場所」があるって
やっぱり大事だと思った
収納のことを
あんなに真剣に考えたのは
初めてだったけれど
だからこそ
いま 後悔がひとつもない
これから家を建てるなら
まず「モノの居場所」を
しっかり決めてほしいと思う
収納は
あとから足すものじゃない
暮らしを支える
大切な設計の一部だと
私は思っている
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