エレベーターガール


 ウチの2歳は、まだベビーカーが手放せない。よって、お出かけの際も、建物の上下の移動はエレベーターを頻繁に使う。大人だけならエスカレーターを主に使い、エレベーターは利用機会は稀だが、子供といる時は100%エレベーターだ。


 最近はどこに出かけても、高齢者が多い。日本は高齢者だらけだ。エレベーターでも高齢者に出くわす。


 一番下の階であるB1から、ベビーカーで乗ろうとすると、高齢者女性が中に居る。出るのを待っていると出ないし、仕方ないので乗り込む。

 親切に、何階ですか? と聞いてくれる。しかしその時私はもう、2階のボタンを側壁にあるボタンで押してしまっている。黙って居るわけにもいかないので2階です。と応える。高齢女性が2階のボタンを押す。

 2階につく。女性は降りる素振りもないので、先にベビーカーをおろしてくれるつもりなのだろう。と、私は軽く会釈して、子供と降りる。

 しかし、女性は降りてこないうちに、ドアが閉まる。

 彼女は一体何階で降りるのだろうか? 2階しか、ボタンは押されていなかったのに…。


 勝手エレベーターガールだな。




 高齢になるとエレベーターが上に行くのか下に行くのか分からなくなるらしい、良く上下を尋ねる高齢者を見かける。そのうち、聞くのも面倒になるのだろ。予め乗っている高齢者もよく見かける。しかも、降りる階すら、何度か通り過ぎるようだ。 誰でも高齢者になれば仕方ないのかもしれない。

 しかし、そのせいで、エレベーターが狭い。乗れない時がある。のは高齢化による日本社会の闇だ。