Self Destruct | Looney Tunes and Merry Melodies

Looney Tunes and Merry Melodies

アンダーグラウンド低音職人の音楽バカ日記です

昨日のエントリーで名前を出した事もあり
思い出したのですが、
NIRVANAの最後のスタジオアルバムとなった
In Uteroの20周年記念デラックスエディションが
発売になりましたね。
英国では9/23、米国では9/24
日本では10/2にリリース予定です。

2011年にはNEVERMINDアルバムも20周年記念盤が出ましたが
もう20年も経つのですね。
NEVERMINDは当時から話題になりまくっていました。
俺は発売と同時に購入しなかったのですが
確か友達に聞かせてもらって買いに行ったと記憶しています。
その後編集盤や一時期プレミアがついていたミニアルバム
などの発売を挟み2年というタームで発売されたIn Uteroアルバム。

$Looney Tunes and Merry Melodies-__.JPG

1992年に最初で最後となった来日公演を行ったNIRVANA
先述の通りアルバムを聞いたのも多少タイムラグがあったので
この来日公演は行っていないのですが
もしも行っていたらかなりの貴重な体験だっただろうと思います。
そんな事もあり1993年にIn Uteroが発売された際には
当時高校生だった俺は友達と
今度こそ来日したら見に行こう!と話していた物でした。
しかし翌年の1994年に来日のニュースで無く飛び込んで来たのは
カート・コバーン自殺の話でした。。。
周期もののリリースもIn Uteroで終わりですが
来年はカートの20周忌となるので、
何かしらのリリースはあるかも知れませんね。
で、当時このカートの自殺というのが
色々な意味でショッキングであり
当時は持っていたNIRVANAのアルバムを
全て売りに出してしまったなんて事もありました。
今は買い戻していますけど、変な表現になるかもしれませんが
当時は何だかアーティストの自殺というものに
薄気味悪さを感じてしまったのです。

でも今になって思えば
過去にこの世を去って行ったミュージシャン
アーティスト達の中でもこのような経路をたどって
命を失った人物も多かったのではないか
そんな風に思えるようになってきたのです。
先日Johnny Thundersの最後の来日公演を収めた追悼盤
Saddest Vacationのライナーノーツを読んでいたら
このような事が記されていました。

60~70年代にかけては多くのロッカー達がドラッグの使用が引き金となって命を失っていった。
~中略~
ほんのちょっとした興味本位から、あるいは長期に渡るツアーの疲れを癒すため、または更なるハイを求めようと…彼らはドラッグに手を染めた。だがこの時代のロッカー達の殆どが遊び半分でドラッグを試してみたというのとは違って、死に到るまでのヘヴィなドラッグ体験を積み重ねていた彼らの多くは、ある意味では緩慢な自殺に向かって日々突き進んでいたのだと考えることも出来るだろう。自殺というのを自己破壊という言葉に置き換えてもいい。


この後には自らの精神と肉体を破壊しながらギリギリの所から常人には知覚出来ない何かを幻視しながらそれをヘヴィな自己表出としてロック・ミュージックの中に投影していった。
と続いていますが、この件を読んでいてなるほどと思ってしまった。
自殺の場合は自らが命を絶ってしまうという事になるし、ドラッグなどで死に至った人物は
もしかしたらもう少し生き延びていたかったのかも知れない、という事も考えられるために見方も変わって来てしまうのかもしれないけど。
言い換えればカートはショットガンの引き金を引いて命を絶ったけど
もしかしたらあのまま生きていたとしてもいずれはドラッグで崩壊していたのかも知れない。
生き延びられたアーティストも居れば命を落としたアーティストもいる。

しかしそんな事よりもライナーノーツに記された
この件がとても興味深かった。

ロックが巨大なビジネスとして確立され始めた70年代中頃からは、全てはエンターテインメントとショー・ビジネスの中に収束していき、そういった”自己破壊”、”生き様”としてのロックなどというのは増々時代遅れのものとなっていった。

ドラッグやアルコールで身を滅ぼす事を奨励しているワケでは勿論ありません。
しかしこの流れという物は今の時代になってもっとヒドい物になってしまっているのではないか、
つまり命がけで音楽に取り組んでいるようなアーティストやミュージシャンというものが
如何に少なくなって来ている事が、つまらなくなって来ている原因の一つではないかと思う。

カートが死んだ時にこのライナーを読んでいれば
(時期的には読んでいるはずの時期なのですが、、、)
もう少し考え方も変わっていたかも知れないし
売りに出したりしないで済んでいたかも知れない。
それはさておき、90年代にこの様なロックが面白かった時代
これをまるっきり再現しているとは言いがたいにしても
少なくとも俺の世代的に少しは面白かったと思えるのは
そういう危険性をはらんだカートみたいな人物が居たからだったのだろうか
そんな事まで思ってしまいます。
しかし誰にでも始められる、と電気の無駄遣い的な連中が
ぞろぞろ出て来たのもカートの発言を受けてという話を聞くにつけ
複雑な気持ちになってきますが。。。

確かに俺は60年代後半から70年代前半を
生きていた訳ではないし、あまり大それた事を語る事はできない
にしてもその感覚というのはアーティストの作品を聞けば解るものでした。
なんというかレコードからただならぬ気を感じるというか。
これから先若手も含めてそういう逸材が出てくるとは思えませんが
それでもいいやって思えるのはこうした過去の名作達が
今でも燦然と輝き続けているからなのではないかと思う。

俺の青春時代に発売されたNIRVANAの作品が
もはや20年物になっている事を考えれば
歳をとったなって実感する事も当然である。
先日たまたまIn Uteroをフルで聞いていたのだけど
やはりなんだかんだでカッコ良かった。



ここに収められた楽曲の狂気にも似た感覚
90年代当時にこういう空気感をだしていたバンドは
そうそう居なかったかもしれないって今になって思う。
20年経てばいろいろと考え方も変わるってものですね。

心身ともに健全である事はモチロン大切だし
先にも書いた通り悪癖に染まる事を奨励していません。
しかしアーティストを名乗る以上は
そういう歴史的なものや時代背景などを
しっかり知ってから活動するのも悪くはないのではないか
そんな事を常々思っています。

俺みたいな時代遅れなヤツにとっては
現代社会は悲しくさせられるところも多いです。



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TOKYO-VHワンマンライヴ!!

$Looney Tunes and Merry Melodies-TVH 20131103

2013年11月3日(日)
吉祥寺BLACK AND BLUE
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-24-5ライトビル3F
 TEL:0422-22-4816

$Looney Tunes and Merry Melodies-Black And Blue

OPEN 18:00/ START 18:30

Charge: ¥2500 (Drink別)

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