2005年2月に公開され、今もなおロングランを続けている『劇場版AIR』。この8月5日のDVDリリースに先駆けて、アニメイトTVにて6月2日より16日までの15日間限定で本編の試聴を無料配信中! 配信されるマスター素材は、劇場公開ヴァージョンからさらに監督によるリテイクが加わったDVDヴァージョンが使用されている。初めての方はもちろん、劇場に足を運んだファンも見逃せない内容だ。 ■『劇場版AIR』先行プロモーション配信配信期間 2005年6月2日~2005年6月16日(予定)配信場所:http://shop.frontierworks.jp/digital/web_anime/detail48.html というわけでAIRは見たことがなかったのでDVDでテレビ 版を見てみた。まだ一話だけだけど。抒情的だ。夏の深み のある白い雲、透き通る青い空。そして吹き抜ける風に揺れる髪。なぜか知らないがオープニングと、その後の5分間で すごく泣けてきた。海のそばの町が舞台だけど、エキストラ というか、住人たちが(通りすがりの人とか)がほとんどでないので寂寥とした町だ。寂寞としすぎてる。田舎だからそうなのだろうか。何ヶ月か前に行った、無人駅を思い出した。誰もいない古い小さい駅で、あまりに晴れた空、目のまえは山で、暖かい日差しで、幹の太い桜が何本も並んで、音もなく、花が散っていく。誰もいない。時々風が吹いて、静かに花が散っていく。 時間の感覚がなくなる。もし人がいれば、歩いたりしていれば、しゃべったりしていれば、車が走っていたりしたら時間の流れを感じるだろう。でもすべてが静謐だった。時が緩やかにしか流れていない感じだった。花びらが静かに散る以外は時は止まっていた。人が時間を感じるのはどういうときだろうか。もし夕暮れがだんだん深まっていく時間帯に行っていたら、時間の流れを感じただろう。でも僕は真昼に行った。 明るいまま、何も変わらない。あるがままの春の風景が底にあると思った。あまりにあるがままなので僕はどうしたらいいのかわからなかった。ただ、その風景をみるだけだった。 このアニメは夏の話だけど、僕はその数ヶ月前のことをおもいだした。 夕暮れの表現も凄く深い。 主人公と女の子の出会いのシーンもよい演出だし。素直に 頭を下げるしかない。ストーリーはまだよくわからない(ゲーム版をしたこともないし)けど、さすがは京都アニメーションだと唸ってしまった。 防波堤で始まり、最後は夕暮れの防波堤で終わる。 これが第一話。 夏にまつわるいろいろな思いでは誰にでもあると思う。誰だってふと空の青さに見とれたり、雲の重なり具合や白さに 見とれたり、夕暮れに変わっていく橙色の空に見とれたり、 そんな経験はあると思う。そういう思い出をよみがえらせる力がある映像だと思う。