彼の声 2024.6.3 「臆病風に吹かれて」 | 彼の声

彼の声 2024.6.3 「臆病風に吹かれて」

voice-163

 マジックの種明かしというと、なるほどと
思う反面、仕組みや動作がわかってしまうと
ちょっとがっかりするような反応を想像して
しまうが、それと同じことだとは思えないに
しても、これ見よがしにネタばらしをする人
が得意になっている心理状態もちょっと嫌味
な感じがしないでもなく、その場の状況やそ
れをやる事情やそこに至る経緯にもよるだろ
うが、その手の行為を嬉々としてやってみせ
る人には謙虚さが欠けているような気がする
のだが、それに関連して何か気になったこと
を思い出そうとして、いつものようにもう少
しというところで思い出せなくて焦ったくな
りながらも、そこから思考の方向を変えて、
嫌味な人とは違う傾向の何かを語ろうとして
いるのかも知れず、それもいつものように何
を述べているのか述べている途中の段階では
意図がよくわからないから、何を意図して述
べているいるわけでもないのかも知れないが、
そこで気になったことというのが、現実に起
こっていることがフィクションの中で語られ
ていることに先行しているのは当然と言えば
当然で、それがフィクションの種明かしやネ
タばらしに結びついても何の不思議もないわ
けだが、どんなにフィクションの中で荒唐無
稽なことが語られていても、そんなフィクシ
ョンを思いつくに至った原因となる現実の出
来事が特定されれば、興醒めとなるわけでも
ないにしても、なるほどと思う反面、ちょっ
とがっかりするような気分となるかならない
かは、そのネタばらしの内容にもよるだろう
が、逆にこれ見よがしとは感じられないよう
な現実に起こったちょっとした出来事の方が
興味深く感じられるかも知れず、そこからデ
コレーションケーキのようにして大げさな嘘
をてんこ盛りにして構成されたフィクション
の荒唐無稽さが際立たせる作者の誇大妄想が、
結構ありふれた陰謀論を連想させるようなら、
張子の虎というか、かえってみすぼらしい印
象を伴ってくるかも知れないが、しかもそれ
を利用して人々の関心を物事の本質から遠ざ
けるような意図が感じられるとしたら、その
物事とは何なのかについて興味が向いてくる
が、そこに興味や関心を向けさせたい側とし
ては、それによって世の中の常識をひっくり
返したいと意図するようなことかも知れない
が、どうしてもそれが何なのかがよくわから
ないわけで、そこに示されている物事をそれ
として認識できないとしたら、なぜそうなっ
てしまうのかについても説明しなければなら
なくなるかも知れないし、その説明が嘘っぽ
く思われるなら、それ自体を信用していない
ことになってしまうが、そんな不信感を抱か
せるような物事とは何なのかというところで
疑念が募ってきて、どうしてもそこから先へ
と一歩が踏み出せないわけだが、自分がその
先へと向かうのを躊躇しているとしても、そ
んな臆病風に吹かれて引っ込み思案の自分と
は違って、その先へと踏み込んでしまった人
が今後どうなるかにも興味があるから、否応
なく関心がそこへと向かってしまうわけだが、
それがそんなに大げさなことかと言えばそう
でもないようにも思われてくるから、何がそ
うでもないのかというと、実際に多くの人々
がそうなってしまっていることで、そうなっ
たからといって取り立てて何がどうなったわ
けでもないようにも思われるから、そうなっ
てしまった人々を悪く言う気にはなれないし、
逆にそうなるのを躊躇している自分の方がま
ずいのではないかとも思われるから、なぜ自
分がそうなれないのかについては原因も理由
もわかっているつもりだが、そんなことより
は優先すべきことがあるというと、そうなっ
てしまった人々を馬鹿にしていることになる
かというとそうでもなく、人それぞれでやる
べきことが異なるといっても、やるべきこと
をやらない理由もそれを躊躇する原因も違う
のも確かだが、やろうとしているのになぜか
それをやるのを思いとどまっている分だけ、
そこから一歩も先へと進めないと思っている
のが勘違いであるなら、たぶんそれとは別の
方向へと向かっていることに気づかないのか
も知れず、気づいてしまうと向かうのをため
らってしまうから、わざと気づかないように
しているわけではなく、むしろ一刻も早くそ
れに気づきたいのに、一向に気づかないのは
どういうわけなのかというと、意外と他の多
くの人々もそれに気づいていないのかも知れ
ず、気づいていないからこそ、多くの人々が
そこから先へと踏み込んでしまって、まさか
踏み込んだところが入ったら最後抜け出すこ
とができない底なし沼というわけでもないは
ずだが、とりあえず自分は頭の中で警告音が
鳴り響いているから、そこから先に踏み込む
のを躊躇せざるを得ないわけで、それが何に
気づいているのか自分ではよくわからないと
しても、そこで自分の勘を信じてしまい、実
際にその先へと踏み込むことを躊躇している
わけだが、果たしてこのままでも構わないの
かというと、たぶんその時期が来たらその機
会を捉えて直接の行動に出るような気もする
わけで、それが今ではないのかと絶えず自ら
に問いただしているわけでもないが、そうな
れば自然に動き出すような気がするから、今
はその時が来るのを待っていればいいような
気もして、それが勘違いである可能性も高そ
うで、本当に臆病風に吹かれてその機会を逃
しているのかも知れないし、そうかといって
それほど焦っているわけでもないというのも
嘘には違いないのだが、そんなことを思って
いるわけではなくても、気がつかないところ
で心身が何かに反応して、それなりの行動が
伴っているから今の状態があるような気もす
るだろうし、そういう面では極めて順調に事
が運んでいると思っておけばいいような状況
なのかも知れないが、それも実際にそうなっ
てみないことにはよくわからないわけだ。

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