価値観連鎖でなく、事業連鎖で業界を見据えよ
12月10日の日経新聞の記事からのエントリーです。
先に消費者目線のことを書きました。
CGMについても、このブログに何度もエントリーしてきました。
当たり前のことですが、この消費者目線をもっと、もっと厳しく、真剣に突き詰めていかないと、企業の経営が進化していかないことを痛切に感じた1年でした。
多くの人(企業)に会う。
多くの本を読む。
新しいメディアに自ら触れてみる。
我々広告会社の目的は消費者の本音をどのようにして捉えるか?の方法論を探ることですから、上の3項目は当たり前のこととして日常生活の中に組み込まれていなければなりません。
そのためには常識に捉われた先入観でモノを計ってはいけません。
吉本興業の元常務である木村政雄さんが朝日新聞で、
「漫才のツッコミは常識で、ボケが非常識の役割をしている。だから時には一人で、またはチームでボケを演じてみることが発想の転換になる」
というようなことを書いていました。
日経に寄稿した早稲田大学の内田和成教授は、これをビジネスの側面からとらえ、従来の「価値連鎖」から「事業連鎖」に企業の視点を変えることが成長の秘訣だと言っています。
価値連鎖の考え方とは、自社の事業活動を分解して自社の強みや弱みを把握し、企業のバリューチェーンを高めるという方法です。いわゆる従来型の発想です。
一方、事業連鎖の考え方とは、バリュチェーンを、自分の業界を超えてより大きく捉えるという考え方です。
自社の価値観をOO業界という枠組みの中でのみ分析するのではなく、業界を超え、事業として連鎖している全ての企業や業界とのつながりの中で観察・考察するというやり方です。
詳しくは日経新聞を読んでほしいのですが、内田教授が自社を取り巻く事業連鎖の絵を描く際に、次の2つの視点が重要になると述べています。
1.事業連鎖の上流からモノを考えるのではなく、消費者の側から事業連鎖をさかのぼる。それによって今現在は存在していなくても、消費者目線では不要なものや不満足になっているものが浮かび上がってくる
2.一見無関係でも、実は自社を取り巻く事業連鎖と合流しそうな隣接領域の事業連鎖を見落とさないこと
ここでも消費者視点が出てきました。
広告会社の事業連鎖について、もう少し時間をかけながら、考えてみようと思います。