ユナイテッド93 | ひでの徒然『映画』日記

ひでの徒然『映画』日記

映画レビューを徒然なるままに書き綴ります。


ひでの徒然『映画』日記-ユナイテッド93


Comment:

アメリカ同時多発テロに巻き込まれたユナイテッド航空93便の運命。


アメリカ同時多発テロにおいて唯一、ハイジャック犯の計画が失敗した事件として知られています。テロリストたちの計画通りにいけば、ワシントンD.C.にあるアメリカ合衆国議会議事堂かホワイトハウスに衝突していたそうです。


2001年9月11日。ニュージャージー州ニューアーク空港。滑走路の混雑で離陸が遅れるユナイテッド93便。


「もし、離陸があと少し遅れていれば・・・。」などと考えてしまいます。


勇敢な40名の乗務員と乗客たち。


電話で家族に言葉を残し、4人のハイジャック犯に立ち向かいます。


彼らは今の現状を知っていました。


他の旅客機が世界貿易センタービルや国防総省に衝突したことを。

そして、自分たちはテロに巻き込まれたことを。


国籍、年齢、人種、そんなことは関係ありません。


彼ら命を懸けて、国を、人を、そして自分の命を守ろうと1つになります。


一方、空を管理する航空管制センターは混乱を極めていました。


バージニア州ハーンドンにある連邦航空管制センター中心に、マサチューセッツ州ボストン、ニューヨーク州ロンコンコマ、オハイオ州クリーブランドの各航空管制センターとニューアーク空港との情報が錯綜します。


さらに、ニューヨーク州ロームにある軍管轄の北東地域防空指令センターとの連携などは皆無でした。


「もし、民間と軍が協力し合い、情報が共有できたら・・・。」


迅速かつ的確な対応がとれたのではと考えてしまいます。


「もし・・・。」なんて言葉で並べても仕方ないのですが、それでも・・・そう思えてしまう作品でした。


監督はポール・グリーングラス。「ボーン・シリーズ」の間に公開したこの作品は、娯楽色を一切排除したドキュメンタリー・タッチの作品です。リアリティを追求するため、ほぼすべての遺族と面会し、回収されたボイスレコーダーを基に製作されています。


キャストに関しては、無名の役者を起用したことで、固有の人物に感情移入することなく、当時の混乱した事件の全体像を巧くみせています。管制センターの役者に至っては事件に関わった本人が出演しています。


また、意図的にしたのか判りませんが、セリフに登場人物の名前がほとんど出てこないことも、固有の人物に感情移入させずに、事件のありのままを伝えているようでした。


DVD特典では亡くなった乗客の遺族と演じた役者との出会いを綴ったドキュメントが収録されています。映画は事件のありのままを伝えるため乗客の感情を描いていなかったのに対し、このドキュメントは遺族と役者の想いが痛いほど伝わってきます。


もう1つの「ユナイテッド93」・・・涙無しでは観れませんでした。



にひひにひひにひひにひひ



Title:

UNITED 93


Country:

France/UK/USA (2006)


Cast:

(Himself)BEN SLINEY


Director:

PAUL GREENGRASS


Awards:

Los Angeles Film Critics Association Awards 2006

(LAFCA Award(Best Director))PAUL GREENGRASS


National Society of Film Critics Awards, USA 2007

(NSFC Award(Best Director))PAUL GREENGRASS


New York Film Critics Circle Awards 2006

(NYFCC Award(Best Picture))



にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ ←ランキング参加中です。