自動車保険が東京海上日動の場合、加害者になってしまった時は被害者をさらに苦しめ、被害者となった場合は何とかして支払い金額を下げようとする、そんな悪夢が待っているかもしれない。
実際に遭遇した、10対0の自動車対自動車の物損という被害が分かりやすい事故から、その悪質なヤバい対応の実態を記録しておく。
あえて「東京海上日動」の実名を出しているのは、誠実に業務を行っている保険会社に迷惑がかかるためである。
事故の概要
月極駐車場にて駐車中、右隣の契約車が駐車時に誤って自車に衝突した。
その結果、運転席側後部のドアが大きく凹んだ。
このように、けが人もなく事故としては大きいものではないが、責任の所在は明白な事故である。
経緯
事故発生
事故現場となった月極駐車場は、自宅から少し離れた場所に位置している。
このため事故当時の状況は不明で、出張から地元に戻り、出社しようと駐車場に向かったときに発覚した。
遠目からでも大きく凹んでいるのが見え、一瞬自分の目を疑った。
自車のワイパーに、警察からの1枚の紙が挟まれており、連絡を入れるようにとの記載があった。
すぐさま警察に連絡すると、「事故ですか?どのような状況ですか?」と聞かれる。
警察の迅速な対応ではあるが、「どのような状況か」を知りたいのは当方である。
とり急ぎ状況の説明をしたところ、事故の加害者とその保険会社の連絡先を得て、加害者に電話した。
加害者は電話口で「申し訳ありませんでした。」と謝罪を口にしたが、この状況を何とかしなければならない。
「保険会社等に対応を確認して、処理を進めます。」とだけ伝え、電話を切った。
とはいうものの、大方の一般人と同様に、何をどう処理してよいのか分からない。
なにしろ、はじめての事故である。ずっと安全運転を心がけていても、このような形で事故は発生する。
加害者も月極駐車場の契約者であったため、駐車場の管理会社にも連絡を入れたが、予想どおり介入はなく、当事者同士での解決となった。
自身の保険会社に連絡
とりあえず、自車の凹みと警察からの連絡票を写真に撮り、状況をまとめて自身の保険会社(JA)に電話した。
「今回の事故のケースですとお客様に過失がないため、こちらから交渉に入ることは致しかねます。お力になれる場合にはご連絡ください。」といった内容の返事であったが、確かにそうだ。
10対0の事故では、自身が加入する保険会社には交渉への介入の余地はないのである。
「加害者との直接交渉はせず、保険会社とやり取りしてください。」という自身の保険会社のアドバイスに従うことになる。
つまり、素人が保険会社を相手に、処理を進めなければならないのである。
このプレッシャーは想像以上に大きい。
加害者の保険会社に連絡
加害者の保険会社は東京海上日動で、さっそく電話をした。
相手は慣れたもので、東京海上日動 担当者 Hは「テキストメールでURLを送りますので、修理の見積もりを取得後、事故の個所を写真にとって、それぞれをURLに送付してください。」と指示を出した。
自動車会社に連絡・訪問
そこで、自身の車を購入した会社に電話にて連絡を入れる。
この会社は輸入中古車の販売を専門に手がけ、修理工場も併設している。(以下、自動車会社)
まずは状況を説明し、見積を依頼する。
見積りには実車を見てもらう必要があり、修理することが正しい選択肢なのか、それとも買い替えを考えるべきなのかも相談しようと考えた。
これは自身の車は年数が経っていて、3か月前に最後の車検を通して、次回車検時には買い換えるつもりだったからだ。
凹みの個所は大きく、過去に聞いた例ではドアごとの交換でも不思議ではなかったため、修理費も高くつきそう、というのが理由である。
半日の有給休暇を取得し、自動車会社に向かい、実車を見せて見積を取得した。
その金額は想像以上に高かったが、確かに輸入車のドアを交換して塗装するといった工程と、それにかかる工賃を考えると納得のいくもので、この金額であれば買い替えをする方がマシだと思えた。しかし、車検を通したのはわずか3か月前である。
東京海上日動に書類提出
指示どおりにインターネット経由で写真と見積りを送付した後、東京海上日動 Hから電話があった。
あいにく電話に出られず折り返すと、「電話代がかかりますので、こちらからかけなおします。」とのことだったが、仕事の合間だったためそのまま話を聞くと「車のナンバーが写った写真も必要」とのことで、同じURLから追加の写真を送ることになった。
ここまでのところ、東京海上日動はごく普通の対応である。
はじめての事故対応に不安でいっぱいだった私は、安心感すら覚えたものである。
悪夢の始まり
問題はその後だった。
その5日後、東京海上日動 Hから電話が入った。
「今回の事故の査定額は25万円となります。これで進めてよろしいでしょうか。」
いきなり電話連絡だけで断定的に金額を伝え、早急に同意を求めてきたのである。
これには自分の耳を疑った。そしてとっさにこう聞き返した。
「その金額の根拠は何ですか?到底納得できるものではありませんが。」
するとすぐさま東京海上日動 Hは
「それでは別の担当からご連絡差し上げます。」
と言って早々に電話を切った。
【被害者の声】
こちらは修理の見積明細まで提出しているのに、不意打ちのように電話での連絡、断定する口調で見積金額の半分にも満たない金額を突き付けて同意を求めてきた。
気の弱い人なら動揺して、この電話だけで言いなりになったとしても不思議ではない。
相手が一般の大手企業であるからこそ、一個人は間違いなく弱者である。
しかしながら、こんな連絡方法は詐欺の手口と同様ではなかろうか。
同日、今度は東京海上日動 担当者 Mから電話が入った。
「示談金額25万円でご同意いただけないようで…」といった内容で切り出してきた。
「なぜこのような低い金額なのですか?」と問いかけても質問には答えず、間髪入れずに問い返してきた。
「修理予定ですか?買い替え予定ですか?」(M)
「この金額では修理すらできない」と答えると
今度は「弁護士特約は入っていますか?弁護士が入って話を進めることもできますが。」(M)と、弁護士を使う話を持ち出してきた。
弁護士特約はつけていないので、数十万円の事故の話で日常を犠牲にして弁護士をつけるのは現実的ではない。
「話を面倒にしないでください。」と伝えると
「私も経験ありますけど、事故は面倒なものなんですよ。」(M)と、さも当たり前のように言い放ってきた。
結局この電話は、「適切な金額をお支払いをいたします」(M)と伝えられ、自動車会社と協議する、ということで終了となった。
【被害者の声】
こちらはまず提示額の根拠を求めているだけなのに、一方的な主張で話をそらし、被害者の要求には一切答えない。
口調は穏やかでも実質脅しであった。
話を面倒にしているのは、東京海上日動以外の何者でもない。