さて、明日から12月ですね。
12月と言えば、クリスマス。街中もクリスマス一色に染まりつつあります。
何年か前の話ですが、この時期に日本に来ていたイギリス人が、世界中で有名な某高級チェーンのホテルに宿泊し、ホテル内のバーの店員さんに「クリスマスって何の日?」と聞いてみたそうです。
返ってきた答えは…「プレゼントを交換する日」だったそうで、さらに「何して過ごす日?」と聞いたら、答えは「恋人と過ごす日」だったそうで、唖然としたと聞きました。
たまたま その店員さんが知らなかっただけ、かもしれませんが、インターナショナルな外資系ホテルに勤務している人の英語での返答の話です。
これだけ有名な「クリスマス」くらいは知っておかないと、ちょっと恥ずかしいのでは…と思いました。
さて、クリスマスは「イエス・キリスト」の誕生を祝う日です。
一般的には、イエス・キリストの誕生日とも言われます。
なぜ「一般的に」と書いたかは後回しにしますが、12月25日が誕生記念日で、12月24日は、その前夜、つまりクリスマス・イブです。(Evening)
クリスマス・イブは家族と過ごし、クリスマス当日は教会のミサ(礼拝)に行くのが一般的です。
多くのキリスト教国では、12月25日はクリスマスの祝日で、12月26日は「Boxing Day」(ボクシングディ)と呼ばれる祝日です。
26日のBoxing Dayは、「ボクシングをする日」ではなく(笑)、貧しい人のために寄付を募り、箱に入れる、または準備しておいた箱を開けるという習慣からです。(スポーツのボクシングとスペルは同じです。)
さて、クリスマスのスペルは書けますか?
よく「Xmas」というスペルを目にしますが…
正式には「Christmas」です。
これを略して「Xmas」となったわけですが、一部の敬虔なクリスチャン(キリスト教徒)からすると、この表記は結構不快に感じるようです。
「Christmas」は、「キリスト」を表す「Christ」と「ミサ」を表す「Mass」が由来です。
このため、「崇められるべきキリストの名を略すとは何事だ」というわけです。
SNSやメールなどで、Merry Christmasのメッセージを気軽に発信できる環境があります。
特にTwitterでは文字数の制限があったりするのですが、相手は不快に感じないという確信がない限り、または不特定多数にあいさつを送る場合などは、「Xmas」という表記は避けた方が無難でしょう。
さて、先に「一般的に」と書いた理由ですが、12月25日をイエス・キリストの誕生日と言ったとしても、たいていは「間違い」とは言われませんが、実際は誕生日ではありません。
なぜなら、その当時は、現在の太陽暦ではなく、月の満ち欠けを基準として1日とした太陰暦だったため、現在の暦の1年とは日にちがずれてしまいます。
このため、イエス・キリストが十字架につけられて処刑され、その3日後の復活を祝うための「復活祭」(Easter・イースター)は、太陰暦に基づいて毎年日付が変わります。
また、具体的な誕生の日付については諸説あって、決定的な証拠はありません。
これが「一般的には」と書いた理由です。
クリスマスは世界的に1年の中で大きなイベントです。
日本でも盛大なものの、クリスマス・プレゼントや彼氏・彼女の話題ばかりが、前面に出てくる時期です。
でも、異なる文化や国の人との会話は、異文化理解の上に成り立ちますので、この話はぜひ共有したくて、書いてみました。
今日もお読みくださり、ありがとうございました。