逐次通訳のポイント その2 | 炎上勘弁

炎上勘弁

とはいうものの、炎上するほど見てもらえるのかな…。
ま、思いつきのネタで、ぼちぼち いきますね。

逐次通訳のポイント その1に引き続き、今回は「可能な限り、事前に打ち合わせをしておく」というポイントです。

通訳のある、なしに関わらず、プレゼンテーションを成功させるには、周到な準備が必要です。

発表者が入念な準備をする必要があるのは当然のことですが、通訳者によってその発表の評価が左右されるといっても過言ではありません

こんなことを書くと、通訳を依頼されてしまった英語中級者の方は、もっと緊張してしまうかもしれませんね。

しかし、プレゼンテーションの内容を、事前にできる限り把握しておくことは、安心を得ることになります。

まずは、通訳を必要としない、一般的なプレゼンテーションの準備と共通の項目です。

つまり…

1. 発表内容
2. 全体の流れと時間配分
3. プレゼンテーション資料 - PowerPointなどのスライド、製品や実験デモンストレーション、台本、配布資料など
4. 強調項目

などがあげられます。

発表者の通訳をする場合、発表者と同じ知識を持つことは難しいですし、すべてを理解できるとは言えません。

ただ、多くの場合、発表者はその道のプロフェッショナルで、聞き手もその関係者又は興味のある人たちであることが多いので、通訳における重点項目を確認しておくことは重要です。

この重要項目の例としては、まず専門用語です。

自信がその専門分野を知らない限り、専門用語を理解することはとても難しいものです。
なので、無理に専門用語を理解しようとする必要はありません

ただ、専門用語とその用い方(動詞など)は抑えておいた方が良いでしょう。

資料があれば、それに越したことはありませんが、もし資料が十分でない場合は、その専門職の人に聞いてみるのも手です。その人は英語はしゃべらないかもしれませんが、案外、専門用語の英語も合わせて知っていることも多いです。


そして、会社などの組織であれば、部署名や役職名です。
学校であれば、学科名などになりますね。


企業の場合は特に、国により組織に結構な違いがあります。
これは会社法などの定義が異なることや、歴史的背景が異なるためです。
もちろん、会社ごとの違いも、少なからず存在します。

つまり、部署名や役職名は、企業ごとに異なり、国によって異なる意味や呼び方を持ちます。

細かい話はここでは触れませんが…

例えば、○○部の「部」はDivisionだったり、Departmentだったりします。
「社長」は「CEO (Chief Executive Officer)」「President」「Managing Director」「Chairman」などなど、会社ごとに違います。

また、やたらに長い役職名や斬新な役職名もありますので、事前に確認した方がよいでしょう。

英語から日本語に訳す場合は、組織体系さえ考えれば比較的容易なのですが、日本語から英語に訳す場合は、その日本企業が英語名称を定めているかの確認が必要になります。

もしなければ、英語で聞く人たちの国の標準的な呼称を理解して、その呼称で事前に確認しておくと、より良い通訳になるでしょう。

次回は、プレゼンテーションの中の数字について、お話ししたいと思います。

お読みくださり、ありがとうございました。