昨日は、「英語教材の“ヤバい宣伝”」という記事の中で、英語学習用の書籍の宣伝記事を読んで、あいかわらずの毒舌記事でした…。
私はデイビッド・セインさんのことを初めて知り、著書も読んだことはないですので、この著書自体を批評することはできないし、そのつもりもないのですが、最近の英語教材の広告の方法については、深い疑問があります。
英語教材は今あふれかえっていますが、売るために目立とうとするあまり、英語学習者を不安に陥れるような方法は、どうしても好きになれません。
昨日の記事を書く前に、デイビッド・セインさんのことをもうちょっと知ろうと、「デイビッド・セイン英語ジム」のウェブサイトを見てみました。
デイビッド・セインさんのウェブサイトには、いろいろと興味深いことがありましたので、今日はこの点について少し書きたいと思います。
その前に余談ですが、最近はネットの閲覧記録をもとにした広告配信があります。
デイビッド・セインさんのウェブサイトを見てからというもの、いろいろなページで彼の「英語ジム」の広告が表示されて、「グッピグ」してくれます。 申し訳ない…。(笑)
デイビッド・セインさんのメッセージを読んでみました。(以下の赤文字は引用です。)
「なかなか英語で会話できない。どうして?」という疑問をよくいただきます。それに対して僕はこう答えます…「ネイティブ感覚」が身についていないからです。(中略)いちいち訳したり考えたりしなくても英語が反射的にポンと出てくるような、日本語を仲介しない「生きた英語のやりとり」を能力のことをいいます。
英語が反射的に出てくるという意味での「ネイティブ感覚」はとても重要だと思います。
私の場合は、英語がとても苦手でしたので、日本語を考えて英語にして…という期間が結構ありました。私が海外生活をしていた時、日本語を全く考えずに英語だけで考えて話していると実感するまで、1年近くかかりました。
もしこれが、ぐっと短縮できるのであれば、とてもすごいことです。
私の場合、英語で会話できない理由は、日本人の多くは「通じないのでは?」「通じなかったらどうしよう…。」という心配が先に立って、積極的に話せないためだと考えています。(言霊(ことだま)という単語があるくらい、言葉を重要視する日本人ですから、これが悪いとは思いません。)
「間違ってもいいから話してみよう」とたくさん話すことが大切だと思います。
これはデイビッド・セインさんも動画の中でお話しされていました。
そして・・・
たとえばみなさん、次の文の意味は何だと思いますか?
(1) I can’t wait! (2) I have no idea
みなさんはこれをこんな風に訳すかもしれませんね。
(1) 私は待てません! (2) 私にはアイデアがありません。
でも、これだと「直訳」で、英語のネイティブスピーカーには本来の意味が伝わらないと思います。
日本語の会話で近いニュアンスのものを探すと、実はこんな感じなんです。
(1) 楽しみだ! (2) さっぱりわかんないよ。
この状況は分かりませんが、「みなさん」と書いてあったので、私も訳してみました。(笑)
(1) 待ちきれないよ! または 待ち遠しいです。 (2) 思いつかないなあ。 または 特に案はないです。
どちらが正しいということではなく、私が翻訳をする場合は、元の英語で使われている単語を極力生かしたいと考えています。
直訳だから絶対ダメというわけではなく、元の文章を考えながら、その場面を思い浮かべて適切な言い回しを考えることは、時間はかかっても意義あることだと思います。
会話の中では、直訳を考えて最も適切な言葉を選ぶほどの余裕はないので、日本語か英語かを問わず、語彙をいかにたくさん蓄えているか、がカギになると思います。← 私もまだまだですが…。
ちょっと脱線しますが、書いた英文を添削する時、添削する人が日本人であれ、英語ネイティブであれ、元の文章の影も形もないくらいに書き換えてしまう人がいます。
私にとって、そのような添削はレベルが低いと感じます。少しでも元の語彙を生かすように考えられる人ほど、語彙が豊富な人だと思っています。
さて、次に動画を観てみました。
デイビッド・セインさんはとても日本語が堪能な方でした。
正直に言うと、日本語ネイティブの発音とは若干違いますし、身振りも日本人とは異なります。
それでも、流暢かつ丁寧な日本語で、人柄の良さが表れている、そんな話し方をされていました。
昨日のニュース記事とは全然違う印象です。← それも狙い?
動画の中で、いいな、と思ったことをいくつか書き出してみました。(同様に赤文字で、筆者の補足的表現も付加しています。)
・子供は言葉の天才
これには同感です。特に発音はすぐに覚えますね。
でも、大人の方も気後れしないでくださいね。大人には語彙の豊富さや経験という、大きな武器があります。
・英語のできを評価せずに使ってみる
・たくさん使ってみる
これにも同感です。先述のとおり、英会話ができない理由は、評価が心配だからだと考えています。
恥ずかしがらずに積極的に話し、慣れることはとても良い経験だと思います。
・発音は気にしなくてもいい
・発音に完全な決まりはなく、日本人は少しくらい日本人の発音でもいい
いい意味で、ちょっと驚きました。アメリカ人の英語の先生が、こういうふうに言い切ってくれるなんて…と。
おそらく、デイビッド・セインさん自身が、日本語の発音の難しさを感じているからだろうなと思っています。
これは私が「バナナとBanana」という記事や「英語の発音のコツ」というシリーズなどで、伝えたかったのも これです。
・英語⇔日本語の訳を学習するよりも、質問と答えなど対としてやりとりとして覚える
先ほどの内容と重複しますが、会話においてはこれは言えていると思います。
デイビッド・セインさんもこれがすべてとは言っていませんし、もちろん私は、英語⇔日本語の訳を学習することにも重要な意味があると考えています。
これは実戦トレーニングと筋トレの違いのようなものでしょう。
勝手に個人の感想をいろいろと書いてしまいましたが、デイビッド・セインさんとそのご関係者の皆様、わるぎは全くございませんので、あしからず…。
今日も、お読みくださいまして、ありがとうございました。
