み か んここのところ、あれやこれやで裏庭をほとんど見ていなかった。 久しぶりのそこには、色付き始めた柿がボタボタと落ちている。 みかんは、なんとか雨風に耐えたようだ。 みかんというと、芥川龍之介を思い出す。 私は彼ほどの才や感覚はないから、彼の真似事などはするつもりは全くない。 が、みかんを書いたときの気持ちが、分からないでもない。 まあ、朱儒爺のぼやきである。 今の世の中、いや、昔からそうだが、霞を食って生活できるのは、養う者をもたぬ仙人たちだけだろうな。