傷病手当の申請ができることになり

証明をもらうため H総合病院へ行きました


家を出るときは

まだ入院している 同室だったおふたりを

お見舞いするつもりでいました


でも

実際には 行くことができませんでした


Iさん(58歳)は 

前にちょっと書いたように

強い薬の点滴4回

放射線治療 25~30回

そのあと また抗ガン剤の点滴12回

を こなしていかなければなりません


私の退院が決まったとき


「かわれるものなら かわりたい」


と おっしゃいました


「おんなじ日に手術したのにねぇ」


返す言葉が ありませんでした


そう思ってしまうのは

人の情なのだろうと 思います


もうひとりの患者さん Kさん(45歳)は

切除手術の前に

赤い点滴4回を終わっている方で

尼僧さまのような風貌の方です


Kさんの 組織学的悪性度は

Ⅳ期なのだそうです

治療の厳しさが 想像されます


なのに いつも にこにこしていて

私の愚痴を聞いてくれて

励ましてさえくれました


自分のことで いっぱいいっぱい で

もう どうなってもいい みたいに

投げやりになっていた私を

変えてくれたのが Kさんでした


ピンピンしている私が ニコニコ 現れることで

おふたりの気持ちに

無用な負担を かけてしまうんじゃないか


そんな風に考えること自体

すでに 失礼なことなのかもしれませんけど

結局 病棟へは行けませんでした


直接会える 最後のチャンスだったかもしれないのに