プロローグ
初めまして、読者の皆様。会えて光栄です。
僕の名前は「海野夏輝(うみのなつき)」と申します。以後良しなに。
さて……。主人公登場の前に、僕からこの物語の説明をさせていただきましょうか。
この世界――ロンドビルには、代表的な学び舎として、南部に位置する『騎士大学校』。――通称『騎士大』という場所があります。それは読者様が思っておられる通常の大学であり、或いは騎士を学ぶ場でもあります。騎士であるべき自らの主もそこで決まります。
指定でない武器の入学も可能です。なんとも自由だとは思いますね、僕も。
在学中に当主の騎士に成っている者は数知れません。その反面、卒業を前に魔物や決闘で亡くなられた先輩方も当然います。
騎士の端くれである以上、いつどこで当主様が狙われるか判りませんからね。魔物共に頭をかじり殺されないように、僕達もせめて在学中は命を落としたくないものです。フフフッ。
以上で、簡単な説明はおしまいです。
……おぉっと。主人公が目を覚ましそうなので、僕はひとまず退散させていただきます。
それでは、また後ほど。
◆
ジリリリリリリリリ!
「う~ん……。もうちょっと寝てるか……」
初めまして、読者の皆さん方。
俺――いや、僕の名前は秋菜紅葉(あきなこうよう)。「もみじ」じゃなくて「こうよう」と呼びます。
今日は学校の講義は無しで、ベッドで寝ているこのサディスト主――冬華奈留(とうかなる)……様のお世話をするわけでな……。
いや。それよりも、なんだって俺が騎士なんてものをやってんのか……。
話はそっからですね。