MSの影響だとわかってはいるのですが、よく言葉が出てこないんです。昨日まで話していた単語を突然忘れるし、もう電話での会話なんて相手の理解力に頼っているなあと思って時々落ち込みます。同じような症状をビデオで見せているドイツ人患者さん二人を知っているので、私だけではないと思うけれど、私の場合はなにせ十分成人になってから習い始めたドイツ語だから、今はもうネイティヴの人にとっては子供と話しているような感じなんだろうなと思ってしまう。結局、通じればいいんだけれどね。

 

 

四肢の痺れが進んだのとシャワーヘッドが高く取り付けられないようになっているプンプンバスルームのせいで、そろそろ座ってシャワーを浴びたいと思いネットで見つけた

 

『バスタブの上に乗せるボードに丸い回転椅子とつかまれるグリップがついているもの』

 

を注文していました。ホームドクターに処方箋をもらわないと介護用品を健康保険/介護保険で精算できないので、2ヶ月も前に手続きしたんです。でも保険の提携している業者には在庫がなかったので民間の会社から連絡が来て、それからまた遅延が多くてやっと今日届けられたのですが...浴槽に取り付け型の椅子が来ました。それだと深く座って立ち上がるのに腕の力が思ったより必要になるし浴槽に取り付けた水しぶきを受け止めるドアも閉まらない。すぐにボードに取り替えてもらえるように引き取ってもらいました。

 

 

ネット検索すると椅子に別途丸い回転椅子が取り付けられるものや椅子自体が360度回転するものがあって、どちらを業者が持ってきたかわからなかったので電話して確認すると、ボードに回転椅子がついているものはそこでは作っていないし椅子自体が回転するものはあるのでそれを持ってきたとわかりました。その場でどちらが私に楽かを聞いてグリップ付きボードにしてもらうことに。こちらに確認なしにあるものを送ってくるとか、別物だと最初から手続きやり直しとかあり得るのですが、今回は業者が私の希望で保険に手続きしてくれるとのことでした。アンラッキーなラッキーな出来事。

 

 

私の意図したことが電話で通じるか心配で身体をよじったり身振りが出ちゃう。こういう介護用品も自分で調べるか作業療法士に相談して存在を教えてもらって手続きしないといけなくて、保険がカタログ送ってくれるわけではないんです。介護用品のお店に行ってカタログを見せてもらうことはできるけれど、そこで注文できるわけではなく保険がまず提携業者で探すし、自分から望まないと助けも得られない国だから言葉は本当に大事なのです。

 

 

そんな風に落ち込んだタイミングで介護保険の掃除担当の人が来たら、なんと今回は耳が聞こえない、話すのも難しい人が来ました。お互いマスクつけているからむこうも私の口を読むことはできないし、どこをどういう風にお掃除して欲しいか、どれぐらいのペースでその人が掃除できるか毎回話して決めるので筆談に。良かった、必要な単語はすらすら出てきてスペルミスもなしに書けた! 簡単なことしか書いていないけどね。こうやって相手にある程度頼りながら働いている人たちもいるんだと勇気をもらいました。たぶん介護業者も事前に私のドイツ語力とか寝たきりとかじゃないとわかっていて彼女を送ってきたんだと思いますが。

 

 

海外で生きるコツの一つは「図々しくなること」。自分は外国人で外国語を一生懸命話しているんだから、なんとかわかって欲しいと開き直ることでしょうか。そういうメンタリティを学んだのはドイツ人からなんです。

 

「私/僕は日本語なんてとてもできないよ。ドイツ語とまったく違う言語でしょう? あなたはドイツ語がうまいね。」

 

ドイツ人の多くは思ったことをそのまま正直に言うから、これは日本語のお世辞とはまったく違うと思います。だから、単語が出てこなくてシドロモドロになろうがなんとか通じると信じて、これからも図太く生きていきます笑い泣き

 

 

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