受験数学を解くのに必要なのは頭の良さただ一つである。本来勉強など専門用語の理解をしていれば何もしなくてもよい。例えば不等式の問題は難問を作りやすいと言われているが、ここで2000年の京大後期文系数学を見てみる(解法の突破口より)。



ここから先はうっかり覚えてしまった事を全て忘れた体で考えていく。頭が良い人の解き方を見せよう。

頭の良い人が何故頭が良いか考えたことがあるだろうか。頭の良い人なら考えたことがあるだろう。そう、頭の良い人は頭が悪い人は考えないような事を考えているから頭が良いのである。これは思い付かないような事という意味では決して無く、一度は思いついたが勝手に線引きをして考えるべき事ではないと思った事を考えているという意味合いである。


本題に入ろう。まずこの不等式(以下★とする)を見た時に何を思うだろうか?
・x≧y≧1⇒★(x,yは実数)の証明問題かぁ(問を簡単にしてみる)
・x,yの範囲はどう使うんだろうなぁ
・対数が出てくるなぁ
・対数の底は等しく2だなぁ
・最後のyだけ対数取られてないの気持ち悪いなぁ
・x=yだったら考えやすそうなのになぁ
とある程度出たので、まずはx=yとして考えてみる。
⇔(2y-1)log[2]2y ≧ 2(y-1)log[2]y + y
⇔(2y-1)log[2]2 + (2y-1)log[2]y ≧ 2(y-1)log[2]y + y
⇔2y-1 + (2y-1)log[2]y ≧ 2(y-1)log[2]y + y
⇔2y-1 - y ≧ 2(y-1)log[2]y - (2y-1)log[2]y
⇔y-1 ≧ log[2]y
⇔log[2]2^(y-1) ≧ log[2]y
⇔2^(y-1) ≧ y (∵[2] > [1])
ここで、yは1以上の全ての実数範囲を動くので、その範囲で2^(y-1) ≧ yになる事を示せばよい。次数が引き算になっているのがうっとうしいのでy-1=tで式を書き直す。
⇔2^t ≧ t+1 (t ≧ 0)
横軸をt、縦軸をtの関数f(t)としてグラフを書くとこれは示せる。
したがってx=yのとき、題意は示された。

では次にx>yの時を考える。考えなくてはいけない。いきなり難しく感じるかもしれないがx=yの時の変換式を眺めているとヒントが見える。x=yの時は真数を合わせたがこれでは厳しそうなので次は係数を合わせることが出来そうだ。
⇔(x-1)log[2](x+y) + (y-1)log[2](x+y) + log[2](x+y)
 ≧ (x-1)log[2]x + (y-1)log[2]y + y
⇔(x-1)log[2]{1+(y/x)} + (y-1)log[2]{1+(x/y)} + log[2](x+y)≧ y…★★
ここで
(y-1)log[2]{1+(x/y)} > y-1
(x-1)log[2]{1+(y/x)} > 0
log[2](x+y) > 1
より★★の左辺はyより大きいので、
(x-1)log[2]{1+(y/x)} + (y-1)log[2]{1+(x/y)} + log[2](x+y) > y

したがってx=yの時とx>yの時より、題意は示された。□



という風に頭を全力で使うと解ける。


なお、この解法はとても汚い。

結果論から言うと場合分けはいらないし、後半だけで答案が作れる。場合分けなどこの問題において悪手中の悪手。だが、理論は成り立つ。★右辺の定数項を除いた式が対称式になっている事を利用しなければ本題の後半が思い浮かばなかったかもしれない。また、前半が成り立つ事を示せば一般化出来て答えが見つかる可能性だってある。まぁこの記事は頭を使うというのはこういう事ですよという例に過ぎないので参考にしすぎないようにしてほしいが数学が苦手な人は全部読んでほしい。そこそこ寄り添えると思う。解放暗記なんてしなくても解くだけなら十分解けますよという記事。おわり。


ちなみに、上に作った解法の
(y-1)log[2]{1+(x/y)} > y-1
(x-1)log[2]{1+(y/x)} > 0
log[2](x+y) > 1
の部分を大学への数学的用語では"評価する"って言うらしい。


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