貨物輸送今昔 48 59.2ダイヤ改正と貨物輸送 | 鉄道ジャーナリスト加藤好啓(blackcat)blog

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福祉と公共交通の視点から、鉄道のあり方を熱く語る?
blackcat こと加藤好啓です。
現在の公共交通の問題点などを過去の歴史などと比較しながら提言していこうと思います。

随時更新予定です。


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本日もしばしお付き合いくださいませ、
貨物輸送が大きく変革した日
昭和59年2月、貨物輸送のシステムチェンジがなされた日であり、この日をもって明治期から行われてきた、ヤード系輸送は廃止され、多くの線区で貨物輸送が廃止され、そして勝手は東洋一と言われた、吹田操車場や、近代化ヤードと言われた、武蔵野操車場例外では無く、その機能を停止することになりました。
貨物輸送の抜本的な改定は、国鉄改革の一環で策定されたもので、昭和58(1983)年1月26日下記のような計画を策定しています。

国鉄があった時代から引用させていただきます。

 

                    当局、貨物経営改善計画策定 1/26
 全国の110あるヤードによる分解・組成・仕訳機能を全廃する方針を発表
 輸送システムの転換に関して、ヤード集結方式から拠点間直行輸送体制に転換し、いまの851駅、110ヤードを、拠点87駅と補完370駅の457駅体制に縮小し、そのためのダイヤ改正を57・58年度に実施
 列車運賃の設定、コンテナ運賃制度の見直し、物流業者との連携などにより営業制度を改善。
 輸送力の調整、勤務体制の見直し、乗務員運用の効率化、業務委託の推進、車両基地の統廃合などによる業務運営の効率化をおこない、60年度に収支均衡をはかる、といった内容でした。

 

貨物輸送における、ヤードなどの費用は共通費であり、貨車自体の費用は個別に経常される、ヤード系輸送を廃止して、個別費が収支相償うことで、貨物輸送の均衡を図ることを目的としていました。

  であり、この内容に基づき、組合に対して、1月31日に「新しい鉄道貨物営業について」と題する合理化計画を組合に提示しています。

  この計画では、従前の貨物取扱駅の約6割を廃止するものであり、廃止対象駅394、貨物運輸営業廃止対象線区数83線区に及ぶかってない大規模な計画でした。

昭和53年から57年までの合理化【縮小化】を合わせた規模の縮小

また、これに伴い、大量の機関車や貨車が余剰となりその規模は従前の合理化を全て合算した程度の規模となりました。

これだけ、職場が奪われるとなれば、動労も危機感を持たざるを得ないと思います。

 

特に一番廃止駅が多かったのは、天王寺鉄道管理局で32駅、それ以外の局でも平均して14駅が廃止になったそうです。
ただ、こうした施策の場合、当然のことながら反対運動も起こるわけで、元々国鉄改革の一環でスタートした施策ですので、自民党は基本的には賛意を示すのですが、総論賛成各論反対よろしく、多々意見はあったようです、ただ基本的な部分は了解されたということで、計画自体が骨抜きにされることは無かったと書かれています。
ただ、他政党は強硬な反対論なども多かったそうですが、最終的には止む無しと言うことで矛を収めたと言いますか、終わったと言われています。
また、地方自治体からの反対も意外と大きく、これには難航したそうですが、荷主が納得しているからと言うことで、押しすすめた部分もあると言われています。
結局、幾つかの線区では2月1日のシステムチェンジに間に合わず、3月31日まで延長した、清水港線や第3セクター鉄道に移行した、樽見線や、神岡線など。引き続き貨物輸送を扱う線区が残ったそうです。
下表参照

 


むしろ荷主の方が、今回のシステムチェンジには冷静であり、一部を除き、殆ど問題無く終わったと記録されています。
見方によっては、残念ながらそれだけ当該地域における国鉄貨物の重要性が低下して
いることを物語っていると言えましょう。

実際、貨物輸送の鉄道のおけるシェアは、昭和57年頃には3%程度にまで落ち込んでおり、スト権ストで生鮮食料品などの供給が止まってパニックになると想定していた政府並びに国鉄当局・組合でしたが、実際にはトラックで輸送されており、鉄道貨物が無くとも全く支障が無かったことを自ら証明してしまったことからも窺えるように、この頃は荷主の国鉄に対する信頼は地に落ちていたように思うのです。

なお、貨物輸送を廃止した線区は下表のとおりです。

 

本省権限で廃止することを認める線区

 


運輸局権限で廃止を決められる線区

 

以上、国鉄改革の一環で進められた、システムチェンジでした。

 

現在のJR貨物は、こうした施策の延長上にあることを十分ご理解いただければと思います。


 

 

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