著:前田珠子 コバルト文庫
前田珠子さんのコバルト・デビュー作
「宇宙(そら)に吹く風、青い鳥」の後の、
多分、彼女の初のヒロイック・ファンタジ
ーです。
前にも書きましたが、ネオ・ファンタジ
ーの創始者である3大女王の一人にな
るきっかけになった作品ではないでしょ
うか?
この時代は、ファンタジーは、ヒロイッ
ク・ファンタジーと呼ばれていましたが、
勿論・・・”ヒロイック”ではありません^^;。
表紙には、ロマンチック・ファンタジーと
表示されているのが、なんとも・・・w。
さすがは、後に”女王”と呼ばれるやけ
あって、設定から、ストーリーから独創的
で、非常におもろいです。
この作品の後は、おもにファンタジー作
品になり、コバルトでは、この作品の続編
でもある「カル・ランシィの女王」、漫画にも
なった「破妖の剣」シリーズ、「陽影の舞姫」
シリーズ・・・・コバルト以外では、「魑魅魍魎
譚」シリーズや「隻腕の神の嶋」シリーズ(こ
れは、ひやひやしたけど、ちゃんと完結して
くれた^^。欲をいうと、主人公とお気に入りの
女戦士が結ばれてほしかったんですけどね)。
前田珠子さんの、難点は、その殆どが、完
結していない・・・・。
「破妖の剣」シリーズにいたっては、イラスト
レーターが、そのことに激怒してしまい、「もー
前田珠子さんの作品の挿絵は描かない!」と
途中から、挿絵を描く方がかわりました。
主人公・アルスリーア(通称・アス)は、「カル
・ランシィ」という民族の王女として生まれた。
彼女は、「イフェイック」という特異体質であ
った。
「イフェイック」とは、現実であれば、「多重人
格」である精神が、実際に精神とともに、肉体
をも、もっているという、多重存在。
その設定自体、面白いですが^^、そに、王
国、王座継承をからめて、従姉妹や、なんやら
の陰謀がすすんでいきます。
ラストは、少女小説らしく、アルスリーアを狙う
従姉妹・アルヴィレータは、表向きは権力を握ろ
うと目論んでいるかのようでしたが、実は、主人
公に思いを寄せている男性(実はアスの兄)の
心がほしかった・・・・。
著者が、別のあとがきでも書いてますが、「禁断
の恋」というが、お気に入りなそうです^^;。
そして、この作品を、シリーズ化したものが、
「カル・ランシィの女王」シリーズです(3巻でとま
っとる・・・)。
何かで、「凍結するつもりはありません」というて
ますが・・・・もー15年以上もとまっとるから・・・・
完全にコールドスリープ状態ですね^^。
ちなみに、うちが主に、MMORPGでのキャラ
名にしとる”アルスリーア”は、この作品の主人公
から、使わさせていただいてますw。