『ドライブ・マイ・カー』だけに終わらず。世界中で巻き起こる濱口竜介旋風の締め括りは、実験的な短編集。
第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞したヒューマンドラマ。
“偶然”と“想像”をテーマにした三つの物語が展開。
のめり込ませる会話劇。予想を裏切る展開。感情の交錯。
そして、偶然の引力。
生かすも殺すも自分次第。
第1話『魔法(よりもっと不確か)』
親友同士の他愛のない恋バナ
魔法より不確かなものを、それでも信じてみる気はある?
三角関係のような四角関係? 無茶苦茶なようで彼女なりの理屈がある。普通に考えれば、めんどくさい女の極み。苦笑 それでも、素直に生きる芽衣子(古川琴音)沼にハマりそう。笑 私は和明(中島歩)同様、希少種でしょうね。笑笑
「私とやり直させるための魔法だった」と言い切ったとき、この女なら言いそう、と思ってしまった。笑笑
古川琴音の声は、本当に特別なギフト。『街の上で』の予告編もだが、引き込む力が異常。
第2話『扉は開けたままで』
大学教授に教えを乞う生徒
自分だけが知っている自分の価値を抱きしめなくてはなりません。 そうして守られたものだけが、思いもよらず誰かと繋がり、励ますことがあるからです。
肯定する言葉の力。
学生(森郁月)が、見せる変化。
終始ぶれない瀬川教授(渋川清彦)が、偶然の録音に動揺・興奮してたのは、草。笑笑
“e”と”a”が、運命を変える。
第3話『もう一度』
20年ぶりに再会した女友達
偶然に出会ったふたりが、お互い“偶然”をもう一度演じ直す。
想像を超えた共鳴。
2話にもクスクスさせられたが、一番大きな笑いが起こったのは、この3話。笑笑
偶然の元彼、偶然の佐川、偶然の再会... 誰にでも降りかかる偶然の連続を今まで以上に意識せざるを得ない。
世代や境遇で、見え方が変わるであろう作品たち。誰かとあーだこーだ語り合いたい。笑笑
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