和泉さんの桃華異聞シリーズの新刊です。
男娼モノですね。

今回の男妓は元王子。
美しくも感情がなくお人形のよう。
その王子が人としての感情を知っていくお話。

表紙が3人ですが、絵の通り3Pがあります。
しかも攻めが異母兄弟!



これまでの異聞シリーズのレビュはコチラ

桃華異聞シリーズ
宵月の惑い  宵待の戯れ  宵闇の契り
神獣異聞シリーズ
神子を娶る蛇  花を秘する龍  月宮を乱す虎


宵星の憂い~桃華異聞~ 著者:和泉桂 イラスト:佐々成美
幻冬舎ルチル文庫 BL小説 2010年3月
★★★★

宵星の憂い 桃華異聞 (幻冬舎ルチル文庫)/和泉 桂
¥650
Amazon.co.jp

◆あらすじ
亡国の王子・翡水は隣国に献上され王に美貌を寵愛されたが、誠実な衛兵の藍珪と通じてしまう。 彼と後宮から逃げるのに失敗した翡水は、罰として遊郭・桃華郷に売られた。 三年後、誰にも落ちぬ男妓と評される翡水の前に二人の客が現れる。 慈しみ深く情熱的な恵明と、昔とは別人のように冷酷に翡水を責め苛む藍珪だが、彼らは異母兄弟で――。 ◆



藍珪と翡水、お互いの心が届かなくて
すれ違ってしまって、
すごくもどかしい思いを抱えながら読んでました。


翡水は、第三王子なのですが
小さな頃から母親から虐待を受け
愛されることなく過ごしたため、
感情のない冷淡な人間に育ってしまってます。

そして隣国の王に人質として献上され
王の寵愛を受けるものの、
不義を働き、遊郭に売られてしまうんです。

桃華郷に売られてからのお話がメインなのですが
表には見えない事情なども含めて
たくさんのエピソードがあります。

それらのエピソードの裏には
それぞれの人の想いがあって、
お話が後半になるといろいろな真実が
わかってきますが、とっても深いです!


感情のない人間・翡水。
当然、『愛する』という気持ちも知りません。

その翡水が、
客である、優しく心穏やかな恵明と
誤解から翡水を憎み続ける藍珪という

二人の男の間で揺れ動きながら
寂しさや愛情を知っていきます。

藍珪も翡水の客として来てるんですが
その仕打ちが酷いです。
言葉でも身体でも責めてます。

後宮時代の誤解に加え、
恵明に対する嫉妬もあって、
翡水の心を思いやるゆとりもなく

一方的に責め立てるんですよ。

翡水もまた、自分の感情が理解できないから
その誤解を解くことも出来ず、
藍珪が怖くて仕方がないのに、
藍珪に抱かれると自分を見失うほどに乱れてしまい、
それをまた『淫乱』だと藍珪に蔑まれてしまう。

悪循環~www

翡水は美しくて高慢なんだけど
中身はすっごい不器用なんです。
でも不器用なりに、なんとかしようとする
可愛いヤツだったりするんですよね。

『藍珪が怖い』というのも、
実は怖さとは違うんですよ。
翡水がその感情を知らないだけでwww


藍珪は結構ニブチンなんで、
翡水の内面にちっとも気付かない!
いや、嫉妬に狂わされちゃってて
冷静な判断が出来ないのかも?

もうじれったいったらないよ!www

でも、二人がお互いの気持ちを確認しあってからは
ラブラブですよ~

翡水がめっちゃ可愛いし!

んで、藍珪が甘々♪
翡水の不器用さが可愛くて仕方ないらしい。

翡水をどろどろに甘やかして優しくしたら
どんなに照れるのか、知りたいって。
もう勝手にやってろ!って感じですwww


脇キャラもいいです~。
翡水のいた店の主人・玉巵。
客の燼泉。(この人は男妓として翡水を仕込んだ人)

この燼泉と玉巵の関係もちょいとワケアリで。
読みたいけれど、
桃華郷では禁忌になってしまうらしい。


和泉さん、異聞シリーズの同人誌出してるんで
この二人の後日談も書いてくれるのを
期待して待つことにします♪



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