りーちゃんはおそらく、プリンセスにとても憧れている。


学校の作品(?)かなにかにも、「ぷりせす なりたい」と書かれていたものがあったし、家ではバービーやディズニーの女性キャラの「おぎんぎょう」を並べて、あるいは着せ替えをして、しょっちゅう遊んでいる。夜寝る時も、必ず1〜2体は枕元に置いて寝るのである。


しかしりーちゃん、少なくとも我が家では姫扱いされている。これはマミとダディの共通する見解である。つまり、りーちゃんはもう既に「ぷりせす」なのである。


例えば朝の通学のお支度。歯磨きは御付きの者(ダディ)が優しく丁寧にするし、靴下も御付きの者(マミとダディ)がこれまた丁寧に、片足ずつ履かせてくれる。りーちゃんが歯磨き後のうがいをしている間に、髪の毛をとかす役割も、御付きの者(マミ)が行う。

(ちなみに、これらはあくまで遅刻しそうな日限定ですぞ、念のため。)


そもそも朝ごはんはりーちゃんの要望が必ずと言って良いほど通る。まあ、そうめんか餅(もっち、とりーちゃんは言う)であることが9割方だが。


夜はやはり御付きの者(マミがほとんどでたまにダディ)がお背中を流し頭や体も洗う。風呂上がりは最近でこそ自分で拭けるようになったが、いまだに頭は御付きの者(ダディ)が拭いてさしあげる。


こんな感じの暮らしぶりなので、どう見ても「ぷりせす」以外の何者でもない。同じ支援学校に通う1学年上のお兄ちゃんは、小学生の頃はりーちゃんのことを「ひめ〜」と呼んでくださっていた。りーちゃん、他人も認める「ぷりせす」なのだ。


時々、「もう少し厳しく躾けたほうが良いかねぇ」と悩む両親だが、りーちゃんは3歳並みの理解力なのでそれもなかなか難しい。それでも、できるだけ自分のことは自分でできるようにならないと、将来困るのはりーちゃん自身なので、徐々にでもやらせるべきなのだろう。


とは言え、トイレも「小」はできるようになったし、歯磨きも、お風呂で体を洗うのも、だんだんとできることが増えてきたりーちゃん。少しずつだが、「ぷりせす」を卒業しつつあるのです。