りーちゃんは歯医者さんで定期検診を受けている。前回は2月だったか。今回も治療はなしで、診てもらうだけ。あとは少し電動歯ブラシで歯を磨いてもらうくらいである。
ここはいわゆる大学病院で、一般的な歯医者さんと違って大きな建物全体が歯医者さんなのだが、何度も来ているのでりーちゃんもすっかり慣れている。一階の受付に入ると、自らソファに向かって歩き出し、マミが受付をしている間も寛いだ様子で座って待つりーちゃんである。
それでも診察台に上がる時は、それなりに緊張感があるようだ。前回、前々回と同様、「すぐ終わるからね」「すぐだね」と自分に言い聞かせながら、横になるりーちゃん。その様子は毎度のことながら健気だ。
まずは先生による、虫歯チェックが入る。親にとっても緊張する瞬間だが、「今回も虫歯はないですね」と言われてホッとする両親である。
あとは歯磨きしてもらって、次回の予約を取って終わり…と思いきや、りーちゃんの希望のとおり「すぐ終わる」とはならなかった。先生のお話が延々と続いたのだ。
りーちゃんが歯磨き待ちで診察台に横になったまま、甘いお菓子やジュースが虫歯の原因であることやどうやって制限したら良いかを、あれこれ説明してくださる先生。大変ありがたいのだが、前回あるいは前々回も伺った内容だったりする。放置されているりーちゃんがいつまで我慢できるかも怪しく、「わかりました、ありがとうございます」とマミも切り上げようとするのだが、なかなか終わらない。
終いにはハイブリッド車の燃費の話を持ち出して、例え話を始めた先生。今の車は10年乗っているので…と実際にかなり悩んでいる様子。車の話をした後、先生も納得したのかようやく歯磨きが始まったのだった。
いつもは病院などで暴れるりーちゃんのことを、「いい子だねぇ」「お姉さんだねぇ」となんとかなだめて処置や診察を受けさせる両親。今回はむしろりーちゃんは、横になったままじっと待っていて、本当に良い子なのであった。
次回はまた3ヶ月後の8月に予約。先生の気になっている車の買い替えは、その頃には終わっているだろうか。