同じタイトルの「その2」で、朝の通学時は忙しくて空や自然を見る余裕がなくなってしまうけれども、もう少し余裕を持って、りーちゃんといろいろなものを見ながら歩きたい、という趣旨のことを書かせていただいた。
その後、時間的に余裕がある日ばかりではないものの、できるだけこれを実践しようとしているダディ。マンションの外に出てほんの10mも歩けば、建物が少なく空が広がっているので、そこでりーちゃんに「お空見てごらん」「今日は良い天気だねぇ」などと語りかけている。りーちゃんもそれに反応して、お空を眺めながら歩くようになった。
今は冬なので晴れている日が多く、雲一つない快晴ということも少なくない。この日もまさに快晴で、りーちゃんに「雲がないねぇ。真っ青だね。快晴だね」と語りかけていた。するとりーちゃんが、「あ、おつきさま」と一言。気がつかなかったダディが、「えっ?ほんと?」と言い慌てて探すと、薄っすらとではあるが、高い位置に確かにお月様が見えていた。りーちゃん、なかなか風流ですな。
通学バスの集合場所に向けてもう少し歩くと、歩道の脇の花壇のような場所に、紫がかったピンク色の花がたくさん咲いている場所があった。「お花いっぱいだねぇ。何色?」とりーちゃんに尋ねると「ピンク!」と即答。その後も数日間はキレイに咲いていたのだが、最近はついに枯れ始めてしまい、りーちゃんも「なんか、ちゃいろねぇ」と少し残念そうだった。
さらに別な機会で、信号のタイミングの関係でたまにしか歩かない歩道の脇に差し掛かった時のこと。りーちゃんが「こーれ、おはな?」と尋ねるのでよく見てみると、さらに小さな花が無数に咲いているエリアがあった。その周りはほとんどコンクリートで、よくこんなところに咲いているなと思うような場所だ。植物に詳しくないダディは種類なども全然わからないのだが、雑草的な強さを感じさせる、それでいてとても小さくて可憐なお花だった。
思えばマミは高校に上がるまで田舎の町で育ったし、ダディも中学に上がるまではかなりの田舎に暮らしていた。自然の近くで育ったはずなのに、大人になってからは空も地面もよく見る機会がほとんどなかった。りーちゃんのおかげで、いくつもの小さな発見をして、なんだか人生が豊かになっていくような気がしているのです。
こんなところによく咲いておりますなぁ。
