ちょっと古い話になるけれども、あれは確か、お兄ちゃんが中学生の頃だから、数年前のことだと思う。

 

中学生ともなれば勉強も頑張らなければならず、お兄ちゃんとダディが社会科の話をしていた。ちょうどダディも好きな戦国時代くらいの話だった。勉強嫌いのお兄ちゃんは、「本能寺の変」は何年か前に芸人さんのギャグ(?)で知っていたが、そのほかは知らないことも少なくなく、「長篠の戦い」とか「楽市楽座」などの話をしていた。

 

そのうちのその時代の人物たちの話になり、大人になれば誰でも知っている人たちの功績の話になった。「刀狩とか検地をした有名な人は?」「豊臣秀吉」とか、「江戸幕府を開いた人は?」「徳川家康」などと、クイズ形式の質問にお兄ちゃんが答える。

 

その様子をずっと横で見て話を聞いていたりーちゃん。何やら参戦したそうな態度である。別の質問でお兄ちゃんが「織田信長」と答えた直後だった。間髪入れずにりーちゃんが元気よく「さとう はなこ(仮)」と言ったのである。

 

((仮)としているのは、実際には仲の良い1学年下のお友達の名前を言ったのです。)

 

これを聞いていたマミとダディは大爆笑。お兄ちゃんは「だれだよ~」と言って笑っている。当のりーちゃんは、みんなが大爆笑だったので得意げな様子だったが(正解したと思ったのかもしれない)、そのあとつられて一緒に笑っていた。

 

この時に限らず、りーちゃんは両親がお兄ちゃんとしゃべっていると、そこに入りたがる。しかし話題にはついていけていないので、とにかく自分がわかることを一生懸命話そうとするのだ。お兄ちゃんが学校の寮に入った以後は、普段の家ではりーちゃん中心の生活なので、たまにお兄ちゃんがいて話題を独占してしまうと、なおさらりーちゃんが無理やり参戦してくるのである。

 

そもそも、りーちゃんがお兄ちゃんのことをどう思っているのか考えると、ちょっと面白い。何やらライバル視しているようなときもあるし、たまに家にいると、四つん這いになって物陰からお兄ちゃんの様子をうかがっていることもある。家族とかきょうだいとかいう概念は、ある程度理解できているのかどうか。

 

いずれにしても、実はあとしばらくすると、お兄ちゃんは進学と共に寮を出て再び自宅に帰ってくる。そのときのりーちゃんの反応や態度が楽しみだ。マミとダディは、お兄ちゃんが帰ってくるのに備えて家の中を片付けなければと、戦々恐々としておりますがね・・・。