引き続き、夢の国に降臨したりーちゃんのお話である。この日は平日ということもあり混雑もそれほどでもなく、順調にアトラクションを楽しんでいた。
ところで、りーちゃんは階段などの段差が苦手である。段差を前にすると極端に慎重になり、移動速度は大きく減退する。そして夢の国は、海のほう、土地のほうにかかわらず、アトラクションに乗る際に段差が多い。そのあたりは、りーちゃんと両親にとって、毎度ながら少々悩ましい。
例えば、ジャングルの冒険を3週間行う予定だというボートに乗る時である。時には3ヶ月になってしまうこともあるそうだが、船着き場から船に乗る際にかなりの段差がある。ダディがりーちゃんの手を引いたりして、かなり時間をかけて乗ることになるのだが、係の人たちは「ゆっくりでいいですよ」などと言ってくれてとても優しい。下船の際も3週間経ったとは思えないほど、りーちゃんのことを覚えてくれている。
よりハードルが高いのは、移動する乗り物に乗る場合だ。動く歩道のようなものが乗り物と平行に走っていて、速度を合わせながら乗るのだが、りーちゃんにはこれが難しい。ロンドンの上空を飛ぶ海賊船や、お化けや幽霊がたくさん出てくる館などがそうだ。ここでも係員の皆さんがとても優しく、「ゆっくりで大丈夫ですよ」と言ってくれて、さらには「歩道のスピード落としますね」などと特別待遇をしてくださる。
このように、夢の国ではスタッフの皆さんのご配慮が、とてもありがたい。普段の生活では階段の上り下りなどで周囲に迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ない気持ちになるのだが、夢の国ではそうした不安を和らげてくれる。それでも、歩道のスピードを落とせば乗り物のスピードも落ちて、多くのお客さんを待たせてしまう。船の乗り降りに時間がかかっても同様である。スタッフの皆さんや寛大なお客さんたちのおかげで、りーちゃんも夢の国を楽しめる。本当にありがとうございます!
さて、この日の終わりの方では、小さな丸太のボートに乗って最後に一気に坂を下るというアトラクションに乗った。りーちゃんも乗ったことはあるので、乗り降りに時間がかかること以外、心配はなかった。ただ、順番が来てみると、なんと一番前なのである。このアトラクションは最後の下りで、水が大きく跳ねて濡れることでも有名だ。
ここでりーちゃんの隣に乗った心配性のダディは、過剰に守りに入ってしまった。下りが始まると同時に、腕でりーちゃんの顔を隠してしまったのだ。とても寒い日だったので濡れると風邪をひくのではと心配になったのである。しかしその努力むなしくりーちゃんにもまあまあ水がかかったし、なにより下り坂でのりーちゃんの面白い表情を撮影してくれたはずの写真は、ダディの腕しか写っていなかった。
降りてから見た写真は、当然ながら残念なものだった。前回、海のほうに行ったときは、同様の写真でりーちゃんの表情がむちゃくちゃ面白かったのだが・・・。我が家が夢の国マスターになるには、まだまだ時間がかかりそうです。
アトラクションを待つ間、花火が真上に!何の形の花火かわかるかな?

