りーちゃんが通う支援学校では、いわゆる文化祭があった。

 

この支援学校は中学生と高校生が同じ校舎で勉強や作業をしている。保護者やOBも訪問可能ということで、マミもダディも参加してみた。

 

学校内には、生徒さんたちのアート作品が所狭しと展示してある一方、体育館はショッピングモールに変貌していた。りーちゃんが所属する陶工班の陶工作品をはじめ、皮、紙、木工などの作品が販売されていた。その他、近隣地域の障害者施設などが出店していて、障害者が製作した日用品やお菓子なども販売されていた。

 

販売する側は主に高校生が役割を担っていた。中学生はというと、買い物をする訓練になるということで、家からお金を持たされて買い物をしていた。マミとダディは、体育館の中で、先生とマンツーマンでお買い物をするりーちゃんを発見。事前に計画していたお買い物を楽しんでいたようだ。

 

帰宅してから「アイスクリーム食べた?」と聞かれ「Cotton Candy」と発音良く答えたので、予定になかった綿菓子を食べたのかと思いきや、コットンキャンディ味のアイスクリームを食べたということらしい。他にもハートの形のオーナメントを購入して、クリスマスツリーの飾るのだという。

 

体育館では先生と二人で行動していたりーちゃんだったが、校舎内ではクラスのお友達やその先生たちと一緒に移動していた。マミとダディを見つけると、つい近寄ってしまい、集団からはぐれそうになるりーちゃん。それでも遠めに見るりーちゃんは、先生やお友達とお話したり、とっても楽しそうだった。多岐に渡るサポートをしてくださる先生方に、この日も感謝感謝です。文化祭の準備も、とても大変だったのではないかと思う。本当にありがとうございます。

 

マミとダディもあれこれお買い物をして、いろいろな展示物を見て回ったが、教室の一室がカフェになっていたので、そこでお茶することに。レジ打ち、座席への案内、食券の確認、飲食物の提供、すべて高校生の生徒さん達が行っていた。かなり緊張している様子も伝わってくるけれども、とてもしっかりしている。マニュアルに忠実であるからこそ、客の側が不都合を感じる場面はなかった。どの生徒さんもしっかりと受け答えができて仕事もできていて、大いに感心させられた。

 

こう言ってはなんだが、普段の生活で買い物等をする際の方が、不愉快に感じることもあったりする。ふと思い出したのが、近所にある障害者を何人も雇用している工場のことだ。テレビの特集や本などで紹介されているが、不良品の仕分けなど機械でもできない作業を障害者が根気良く、正確に行っているのだという。「僕にはとてもできませんよ。すごいです」というようなことを健常者である責任者が言っていた。

 

カフェの生徒さん達も、とても一生懸命なのが印象的だった。人が一生懸命、何かをしている姿というのは、やっぱり美しい。りーちゃんも将来、そうした「何か」がみつかると良いなぁと思う、マミとダディなのでした。