(前回のあらすじ:支援学校の中等部に所属するりーちゃんは、地元の学区の中学校との交流授業に参加することになりました。)
さぁ、いよいよ始まりました音楽の授業。先生はなんとバイオリンを弾くことができて、アンパンマンとか、ブリンバンバンとかを披露してくださり、りーちゃんもお友達と一緒にダンス。ノリノリで授業が始まった。
小学校の支援級で一緒だった2歳上のお姉さんAちゃんは、背が高くて手足も長くダンスも上手。りーちゃんはAちゃんの隣の席に陣取り、時々顔を見合わせて笑ったりしながら、一緒に授業前半を楽しんでいた。
反対の隣には、同学年のお友達Bちゃん。小学校は別だったのだが、放課後デイサービスでは以前から一緒なので、こちらも良く知っているお友達だ。この日教室で再会した時には大喜びで出迎えてくれた。とても元気で、何かあれば真っ先に「ハイハイハーイ!」と両手を挙げる。
前に出てきたお友達が手拍子でリズムを取り、みんなはそれを真似してみましょう、というコーナーでは、やはりBちゃんが先陣を切った。その後も何人か前に出る中でAちゃんも行い、さらにはりーちゃんもおもむろに手を挙げて前に出ることに。
趣旨がわかっているかな、ちゃんとできるかな、とマミもダディも心配で仕方がなかったが、「パンパンパン」とか「パン、パパン、パン」などと数種類のリズムをとることができた。りーちゃん、みんなと同じようにちゃんとできて素晴らしかったですよ。
後半では、先生が弾くバイオリンの曲のリズムに合わせて、みんなで歩くことに。椅子を円の形に並べてその周りを歩いたのだが、曲が終わると椅子に座ろうとするお友達が続出。最後は結局、椅子取りゲームをすることになった。
最初に脱落したのはりーちゃんと一緒に参加した支援学校の2年生。座れなくなって困っていたところ、男の子の一人が男気を見せた。突如立ち上がって席を譲ったのだ。先生たちも含め皆に褒められた男の子。素直な優しさが美しい。
次の回、脱落したのはなんとりーちゃん。やっぱり座れなくなってオロオロしていたところ、最初に男気を見せた男の子から「ゆずれよ~」の声が飛ぶ。Bちゃんが一瞬立ち上がったのだが、やっぱりやめた、という感じで座りなおす。「なんだよ~」「譲るんじゃないのかよ~」といった声が飛ぶと、Bちゃんは大声で泣き出してしまった。一瞬でも譲ろうと思ったくれたのはとても嬉しいよ。ありがとうね。
しばらくすると別の男の子が立ち上がり、りーちゃんに席を譲ってくれたのだった。男の子たち、男前だねぇ。
よく考えると椅子取りゲームは音楽にあまり関係がない気もするし、その椅子取りゲームすら最後は「男気見せゲーム」に変わっていたが、子どもたちの意向に合わせて柔軟に楽しませられるのも、支援級の良さだと思う。
椅子取りゲームの時は「ゲストに楽しんでもらおうよ」といった声も聞かれた。皆さんの優しさやおもてなしの心は、きっとりーちゃんも理解して嬉しかったことでしょう。
当日はもちろん、お忙しい中、事前の準備もしてくださった支援学校と中学校の先生方、協力してくれたお友達の皆さん、一緒に参加してくれた支援学校のお友達とそのお母さん、楽しい一日を本当にありがとうございました。