「 お疲れさま~ あ、おっ疲れ元気だった~?
俺?元気 ww 」
エレベーターが開く音と同時に急に部屋の外
が賑やかになりここまでよく聞こえてくる
くすくす。
『 彼が来るとぱっと明るい感じがしますね
とても賑やか 』
「 · · · すみません 賑やか過ぎ · · · · 」
『 いえいえユノさんのイメージ通りですよ 』
「 はぁ · · · 」
ライターの女性と会話しながらも心は
ぱたぱたと近づいてくる音に関心が高まる
─── ガチャ !
「 チャンミン 今日こっちなんだって · · · ぁ 」
『 お疲れさまです 』 くすくす。
「 ユノ、ノック · · · 」
「 失礼しました ー! · · · 俺また後で · · · 」
『 どうぞ~もう撮影機材かたしてたところ
なんで。私は帰って急いで編集にかかります
から 』
うふふ。 なんて漫画ならふきだしに付いて
そうな可愛いものを見るような目線に内心
うんざり
彼はそんなに可愛いくはないよ
「 今日は誕生日の?」
ほら。その人懐っこい笑顔で人との距離を
一気に縮めてく 。僕が少々苦手とするところ
『 ええそうです先日誕生日を迎えた
チャンミンさんの最近興味を持ってるもの
や抱負なんかを3ページで予定してます 』
「 そう、楽しみにしてます あ。エレベーター
まで荷物持ちますよ 」
彼女が持ち上げる前にさりげなくユノは
荷物を肩にかける
『 そんな、お気遣いなく仕事ですから 』w
「 頼もしいなぁじゃ、入り口まででも 」
なんてふたりの会話をにっこり作り笑顔で
眺めて僕は内心溜め息を漏らす
「 ところで · · · この部屋入って思ったんだけど 」
ユノは思い出したように宝物でも探す素振り
で楽しげに辺りを見回した
「 · · · なんですか?」
「 甘くて美味そうな匂いがする~ あ、あれだ
チョコレート? 」
そう言いながらくんくん。なんて僕の口もと
まで顔を近づける
そのままその紅く熟した唇で僕の唇に触れる
つもり?
僕らの距離はそこまで近づいても周りから
は違和感がない · · · おかしいと思わない?
「 そうですか?いいえ · · · 食べてませんよ 」
口を開けてみせると貴方は 「 だな 」 と
じっと口の中を視てきょろきょろきょろと
視線を巡らした
「 ああ · · · たぶん、あれだ 」
『 あ、んふふ 。』
鞄から取り出し見せた僕の親指と人差し指
に挟まれたアトマイザーを興味深げに覗き
こむ姿がいちいちあざとい
「 ん?香水かな?」
「 ええ ライターさんから " Chocolate " に
合わせていただきました 」
『 さっき手首につけたその香りですね
チャンミンさんの甘い雰囲気に合って素敵
ですよ 』
「 うんいいね 俺もそう思う 」
ユノはそう言いながらナチュラルに僕の
手首を持ち上げくんくん。と匂うまねして
上目遣いでじっと見詰める · · · · 人前でも
平気でするのが貴方だ
どうやってその手を離したものか思いめぐ
らせているとふっと唇が笑い貴方から手を
離される
「 · · · · · · · 」
残された腕が宙に浮いて心許なく見えた
· · · 毒されてる?
『 では私はこれで。今日はありがとう
ございました お疲れさまです 』
「 お疲れ様でした よろしくお願いいたします」
「 楽しみにしてます 」
─── パタン 、
遠ざかる足音に耳をそばだてながらお互い
の目があった
「 · · · · わざとでしょ 」
「 え?何がぁ?人聞き悪いこと言わないの 」
「 あのライターさんのユノを見る目が甘々
だったの気づいてたくせに 」
「 んふふ 」
本当はこんなノックを忘れるようなうっかり
なタイプでもない
可愛く天真爛漫なわけでも。
「 で、これなんていうの?」
僕からアトマイザーを取り上げて反対側の
手首にワンプッシュされると大人っぽい
洋酒が入ったガナッシュの香りが辺りに
広がる
「 モンタルのチョコレートグリーディ · · · 」
「 んふふ " 食いしん坊さん " 。なるほどね
チョコレート好きの食いしん坊さんか
まさにチャンミンだ 」
「 そう?」
くん。
「 やっぱり甘い匂いチャンミン美味そうだ 」
強く握られた手首をユノの唇が目の前で
見せつけるように這う
「 · · · お腹すいたの?」
こういう時の貴方は大半が僕の慌てた顔を
みて楽しんでいるだけだ
昔のように思惑通りになるのも癪に障るから
最近はクールフェイスで返す
「 ん~、そうでもない。けどこの甘い香りに
そそられるね · · · · あ、 」
「 · · · なに? 」
「 知ってる? 香水って温度やpH によっても
香り立ち違うらしいよ · · · チャンミン、今
俺に触れられて体温上がったろ 強く香った
からわかったよ 」 くくく。
確信を得たような強い視線が僕を射る
「 気の所為じゃない? 」
心臓がざわざわと騒ぎ始めると呼吸が微か
に乱れ出してまずいななんて思う
それを見逃す貴方じゃないし
「 · · · チャンミン、お前を食べたい 」
「 ユノ 、なにいってるか · · · 」
「 大丈夫。ベッドへ誘ってるわけじゃない
から、キスをせがんでるわけでも · · · · 」
· · · · カリリ、
ユノはそう言って視線を強く捕らえたまま
僕の人差し指を噛んだ
「 ぁ · · · · っ、」
軽い痛みと共に全身に甘い痺れが走る
「 食べて俺の一部になってしまえばいつも
俺たち一緒じゃん」
「 · · · 発想が相変わらず大胆ですね。
で、ここで? 」
じわりじわりとかかるユノの体重に · · ·
心地よささえ覚え始める僕。
本当は一度だけ触れたユノの素肌が頭から
離れなかった
─── チウッ · · · ·
「 · · · · やっぱり誘ってる 」
くす。
「 ううん、違うよ今からお前食べんの 」
部屋の内鍵に手をかけシャツの釦をひとつ
ひとつ外してくユノを僕は黙って見詰める
そして貴方は薄皮の果実のような唇で僕の
下唇を挟んで弄びながら囁くように呪文を
となえた
「 大丈夫、何も考えないでしたいと思う
通りにしてればすぐ終わるから 」
「 また · · · そう言って · · · 、ん 。ユノ · · ·
知らないよ 」
「 ほら · · · また香り強くなったよチャンミン
美味そうだ · · · 」
くすくす。
「 言ってろ 」
ラストノートは官能的なSWEET&BITTER
なチョコレートの香り ───
今夜もCiao.Ciao !! な応援ありがとう
ございます ✨
Changmin ハピバ 




今年はちょっと遅れてのお話…
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少し前に雑誌で田中みな実さんが好きな
作家さんについて話されてまして …
" あなたを食べたい ベッドへ誘ってるわけ
じゃない キスをせがんでるわけでも "
的なフレーズが … うら覚えですみません
( 好きな方からしたら失礼な話です)
とても頭に残りまして引用させていただ
きました