視覚で君に恋をした
指先で君へ愛を綴る
君に近づきたいよもっと · · · ·
「 まだするの?」
「 · · · · · · · · したい 」
「 いいよ 」 なんて緩んだくちびるで目を
細めて笑うさまがひどく蠱惑的で
─── またこの身体に沈み満たされ眠りに
落ちていく · · · ·
「 ん · · · · 」
どれくらい眠っていたのか 静かに
登った太陽の光が厚手なカーテンの隙間
から真っ直ぐとベッドまで射し込んでいた
「 目が覚めた? 」
頭の上からとろんと溶けたような声がして
見上げると柔らかな表情の美人顔が自分を
見ていた
言った通り眠る俺を抱き締めてくれてた
ユンホがにっと笑ってみせる
「 あぁ · · · これ。 · · · · やっぱり癒される 」
そう呟きながら唇は甘い肌を味わい
赤い果実にたどり着いた
─── クチュ、チャップ · · · 、
「 · · · · ん、ふ · · · 」
静かな部屋の中に甘美な蜜音とユンホの
鼻にかかるような甘い声だけが響く
暫くの間俺の好きにさせ応えてくれてた
ユンホがちらりと視線をナイトテーブルに
移し手を伸ばした
その先にある煙草を取り器用にカサリ、と
揺すり箱から飛び出したそれを口に咥える
と溜め息をつく
「 吸わないの?いいよ 」
「 ああ落ち着いたから大丈夫 、また後で
吸うから今はいい 」
俺と別れたあとのことを遠回しに言われて
る気がして胸がギュッっと痛くなった
きっとそういうこと。
せつなくて肉厚の唇から煙草を取り代わり
に自分の唇を重ねた
開いた隙間から舌を侵入させると柔軟な
生きもののような舌に絡められ翻弄される
悩ましいほど全て完璧。
昨夜この男に出逢うまでの自分にはもう
戻れない。戻らないけど。
空いた方の腕で強く抱きしめる
「 · · · · ん。 チャンミン · · · 離し · · ·、 」
「 やだ。」
「 · · · おかしな話。
あの時グラスを置いた手をチャンミンに
握られて 予感がしたんだ 俺はこの男と
寝るって。 珍しくドキッとした 」
ノンケ相手は有り得ないのにね 変だろ?
でもそう思ったんだ なんて笑う
″ ノンケは嫌 ″ という言葉に鋭く反応して
しまう軽く拒絶されてるようでまた胸が
ギュッとなり不安が広がってく
「 だから困る」
溜め息ひとつ。
「 · · · · · · · · 」
「 こんなの予定外だ 身体どころか
· · · · · · · 、 」
最後の方は俯いて聞きづらくなる
でも今度こそ聞き取れた
″ · · · · こっちが優位でないと ″
″ 溺れてしまう · · · · 、″
強気だった君のそんなところ知ってしまう
とたまらなくなる
俺の方が溺れて離れられないっていうの。
寂しげな唇に煙草を戻し
──── カチッ、
ライターで先端に火をつけてやる
「 · · · · · · · 」
そうすると美味しそうにたっぷりと煙を
身体の中に吸い込みゆっくりと吐き出すの
をふかふかの枕に片肘をついて見つめた
煙草を吸う姿が綺麗だと思ったのは初めて
グラビアのモデルのようだ
「 ねえ、ユンホも知ってるように先ずは
ルックすからだった俺。
でもねもっともっとユンホのこと知りたい
んだだから俺にコールして? 」
そう伝えると艶のある溜め息とともに煙を
吐き灰皿に灰をぽん、と軽く落としながら
「 しない 」
俺に視線を戻してひとこと。
「 · · · · · · · · っ、」
一瞬ユンホの心は自分のものになった気が
したのに錯覚だったのか
どうして?ノンケの男は信用出来ないの
だろうかまた女にはしり裏切るとでも?
それとも俺自身がベッドでは物足りない?
目の前が暗くなる
昨夜出逢ってまだ24時間経たないうちに
失恋するって初めてだ、いや、コクるまで
も最短か。
でも諦められないこのひとを · · ·
どうしたらこれからも独占できるんだ
くす。
「 そんな悲観的な顔しないでチャンミン。
コールして呼びつけたりしない
俺から逢いに行くから 」
煙草を消しながらこちらに視線を移す
「 本当 · · · に ? 」
こくん。と頷いたユンホは白い大輪の花の
ように艶やかに笑った
「 だからあまりこのナンバー使うことな · · · 」
喜びのあまりスマホの液晶を眺めながら話し
かけてたユンホを力いっぱい抱きしめると
焦ったような声で俺を呼ぶ
「 待っ、チャンミン?! 」
驚いた顔も好きだなと思いながら
細く綺麗な指に再びくちづけると彼は
蜂蜜のように甘く薫るような片笑いをして
返した
「 俺を本気にさせたいのか? 」
「 望むところです 」
″ ふたり予定外の目覚めに指先まで視線
は囚われ声も掠れ肌は熱を帯びる ″
俺に逢いに来て。
朝まで満たしてあげるから。
そして朝には胸の中で目覚めさせて ──
end.
see you later.

