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監督ブログ  wecker

「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

みんなを忘れないためのメモのつもりで書いてたけど

みるみる長文になり、いつの間にか新しい物語のシナリオを書いてる気分になってきた。


もちろん、ここで書いた事は、畑澤和也の主観であるが事実ばかりなんだけど。


最後の最後はこれまでのすべての想いを込めて


麻宮亜里沙。

今回の主役であり座長。エトランゼそのひと。


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これまで回想してきたすべても、亜里沙の思い出なのかもしれない。

畑澤和也も亜里沙の思い出の中の人なのかも(笑)。


今回の「彷徨のエトランゼ」は前回主役の一人だった時空刑事アリサが、実は「こう生きたかった」「こういう女の子でいたかった」「こんな学園生活を送りたかった」…という、たぶん本人も気づいていない潜在意識が生み出したもの、です。


麻宮亜里沙はリタやトレミーが生きるプトレマイオスラインには”もともといない”存在だしね。


前回、あれだけ悩んで怒って暴れたリンちゃんだけど、意外にアリサのほうがあの時代に執着があったんじゃないか…というのが発想の元。


前にも書きましたが、前回亜里沙を演じた八坂沙織さんは、本当にぎりぎりのぎりぎりまで出たがっていた。

どうスケジュールをやり繰りしても無理だとわかり、せめて本番は観に行きたい!とチケットも(自分で買って)取ってくれていた。

結局これなかったけど…。



でも今回の麻宮亜里沙はフォンチーさんで良かったと思っている。心から。

フォンチーに決まった(決めた)時、内外から

「なんでフォンチー?」

という声が結構聞こえてきた。


元アイドリング!!!メンバーで生粋のベトナム人。


「演技できるのか?日本語できるのか?」とまで聞かれたけど…


「結果(舞台)を見てもらえればわかります!」

…と、根拠のない自信を振りかざした。


実際、フォンチーさんと八坂さんは身長も体形も顔の形もまったく違う。年齢は実はフォンチーさんの方が下なんだけど。


…でも、お芝居をしてもらったら

そこに亜里沙がいた。まだ金髪でくるくるヘアだったけど、ちゃんと亜里沙がそこにいた。


フォンチーさんには八坂さんのお芝居や写真なども(本番直前まで)まったく見せていないし、説明もしてない。フォンチーさんとは今回の麻宮亜里沙についてだけ話し合った。


「キミはすべてを知る人。台詞となっている言葉は既にみんなキミの中にあり、それを”身体で思い出していく”だけ」と訳のわからん事を言った。


前半のいじわる芝居(笑)はまさに八坂さんが憑依したようでもあった。

そして後半の気持ちを露わにしていく亜里沙はフォンチーさんにしかできない亜里沙だったと思う。


俺と変わらないタイミングで稽古に合流したにも関わらず、フォンチーさんは座長としても自覚し、(年上の人も多かったけど)みんなの面倒も見てくれていた。

みんなにはいいお姉さんだったと思う。


毎回このブログに載せてきたみんなの(僕への)メッセージも、フォンチーさん発案で密かに集めてくれたいたものだ。


最後の別れのシーン。

稽古中は「このままじゃダメだ!」と思ってたのに、本番は日に日に良くなった。


観に来てくれた知らない女の子がロビーで号泣していた。

「生徒会長が可哀想で、かわいそうで…」と。


僕自身、なんども目頭が熱くなった。


こんな作品を、こんな舞台を観たかった。


ありがとう。フォンチー!!



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フォンチーさんにありったけの花束を!!




ついにここまで来たよ!(自己満足達成感)

前回もここまでやらなかった(ひとりひとりにコメントまで)。畑澤はヒマなのか?と思われても仕方ないですが、今も明日の出張の準備をしながら合間に書いてます。

忙しい方が、文章もノる!というのは脚本書いてても思うコトですが。


満を持して登場!時空特捜トレミー!


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ヴェックフォームになっての登場シーン、カッコ良かったでしょ!

映像監督畑澤としては、いつかやりたかったシーン。


時空特捜トレミー(前回から「時空特捜」でしたが、なぜか前回パンフもファンブックも「時空刑事」に。ちゃんとシナリオ&劇中では「時空特捜」と名乗ってました)


時空特捜は時空刑事を監視したり、単独で自分の判断であらゆる時間を飛ぶ特捜刑事。

その代り、その存在の記録はすべての時空間から抹消される。


そして”この時代では”唯一多次元を移動できる(「ヴェッカー」ラインと「ペンデル」ラインが融合する前後の時代には頻繁に移動できる人も多かったようです)。


…という役柄。
さらに今回、病弱で余命幾ばくもない…という設定が加わりました。

結局劇中ではそのへんの描写はされてません……が


演じる百川晴香ちゃん、2日目ぐらいから高熱を出し、立っていられないぐらいになった。

お母さんと「わたしが代役やりましょうか?」と冗談とも本気ともとれる(実際そっくりなんです)やり取りがあったが、「それだけは!」やめて欲しかったのか、がんばって舞台に立ち続けました。


亜里沙に「身体…弱くてね…」と言ってみたり

「お願いだ…もう少し、持ってくれよ…」と無理してみたり

プレアに「身体弱いのに無理するからよ!」と(カッコよく登場したばかりなのに)引っ込まされたり


…という演技が、もう演技じゃなくなってた。


まさに鬼気迫る、気力だけで演ってる感じでした。


百川晴香16歳。1年も経たないのに、立派になったなぁ…


前の記事にも書きましたが、前回は「わたしには無理」と、稽古に来なくなった事もあった。(前回は前回で本番は立派にやってたけど)

でも、今回は高熱を押しながら、最後に「監督お願いがあります、最後にアドリブやらせてください」とまで言ってきた。内容は教えてくれなかった。

「任せてください!」←カッコよかった!…と。


「行くんだ!亜里沙!エトランゼが待っている!」の台詞の後

「亜里沙…君に会えて、みんなに会えて本当によかった…ありがとう」

というのが(僕にも事前に教えてくれなかった)彼女のアドリブです。


全部終わり、歌い踊った後に、袖に帰ってふらっと倒れる晴香の姿が今も思い出されます。

泣きながら受け止めてあげた皆の姿も。


舞台の本当のドラマは舞台袖にあるんだなぁ…。

俺らは結局、舞台袖の出演者にもなれない。舞台は役者の…少女たちの聖域であり、戦場なのだ。


やり遂げた晴香は、少し眠ると、すっかり何かが落ちたように元気になり、その日の握手会にも参加していた。


プトレマイオスラインはトレミーラインなのだ。

「これからの10年を頼んだぞ!」と言ったら本人は「え~~~っ!!」と言って笑った。




もう今日中に最後まで行っちゃうぞ!

富士っ子さん、ついてきてね(笑) みなさんも、ヒマなときにまとめ読みしてみたりしてください。


さて、ようやくサポートドロイド・アル。

演じた蒼井ちあきちゃんは里穂ちゃんと共に僕のワークショップの優等生だった。


前回、想像以上に好評を博し、ちあきなら「まぁ当然だ」と思いつつも、やっぱり若い(当時14歳)子のパワーを思い知らされた。


今回、当然のように続投しているようですが、ちあきもちゃんとオーディションに来ました。そして今回のアル役に「選ばれた」んです。



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今回のアルはプトレマイオスラインに存在する別個体。名称もアルじゃなくてもよかった。

時空刑事の普通の説明役サポートドロイドとして設定したキャラクターでした。


でも、案の定(笑)アル役はちあきに決まって、ちあきが演じるアルだから、過剰に期待されるだろうなぁ…と想い、それで(全体のストーリーに影響しない範囲で)何かもう一案、という事で「バズーカに変形させる」ことにした。

確か、決まった(決めた)のはいつかのオフ会の最中だったと思う。


観てない方に説明すると、今回のアルは等身大の巨大なバズーカに変形するんです。…どうやって…て日本の誇る変形おもちゃの技術で(嘘)ですよ。


よく考えてみたら、それだけ(バズーカの姿でいる時間だけ)ちあき自身の出番は減る訳だけど。


この「笑い」が入る余地のないストーリーの中で、今回ちあきには「キミはお笑い担当だから」と伝えた。

彼女なりに必死にいろいろ考えていたようです。台本がアドリブ案で真っ黒になってました。


これも舞台演出としてはタブーだったかもしれないが、個人的にはこのアルティメットバズーカ、とても気に入ってます。

そしてメシエはこのバズーカがとても似合う女だったなぁと(笑)。


お客さんに「次は巨大ロボですか?」と聞かれた。


次はちあきが巨大ロボになるのか…と真面目に考えた(やらないと思うけど)。


蒼井ちあき、次に会うときはまたどれだけ成長している事だろう。

でも、あまり横には成長するなよ!(まだまだ育ち盛りだしね)






ついに終わりが…『彷徨のエトランゼ』本当の(自分的)終演が見えてきました。

カーテンコールはあるのか!?


メリクリ(メリー、クリス、マスを現場でこう呼んでました)紹介が終わったところで、最後のゲスト、プロメテウス(通称プロメ)紹介。



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サポートドロイド・プロメテウス。

時空警察配備用のサポートドロイドの試作品として、エミリータイプとアルタイプの間に数体だけ生産され、実験配備されていたと思われる(公式年表には記載されていない)。

そのうち1体はヴェッカーになったばかりのレピスのパートナーだった。

戦闘中、レピスを庇って破壊される。

破壊されたプロメはレピスによって(廃棄処分を避けるため)ネットオークションにかけられ、落札したセレンたちによって修理され、記憶もフォーマットされる。

しかし、プロメはレピスの事を「覚えていた」。レピスに破壊されながら、プロメはセレンたちと過ごした日々から、力のないものが力を合わせる事の大事さを知り、それをレピスに教えて死ぬ…という役どころ。


ゲスト三者三様に、ヴェッカーたちに強烈な印象を残して死ぬ、彼女らの過去にだけいる存在。


このエピソードは本編のメインエピソードのひとつである「最初から仲間を裏切っていたレピスが、本当の仲間を得る」というエピソードを補完する為のものであり、メリクリ誕生のエピソードでもあるので、楽日のゲストエピソードとした。


…ですが、僕の考え方がおかしいのかもしれないけど、これらのゲストエピソードは外伝のようなものなので、当然「観なくても本編は楽しめる」ハズのもの。そうなっていなかったなら猛省するしかないですが、いわば、「特別なおまけ」です。


毎ゲストごとに全回観て頂けた方にはもちろん猛感謝ですが、どの回か1回をご覧になって頂いた(殆どの)方へも、それが…1回1回が僕らの今回の舞台に賭けた「すべて」です。

有難うございました!



さて、遅くなったけど、プロメを演じてくれた

高島香帆さん

かなり本番直前に決まって、本人も僕らもかなりたいへんでした。

人生ほぼ初舞台でロボットの役、しかも戦って、死んじゃう。

この難しすぎる役を、短い稽古期間に貪欲に吸収、ちゃんとロボット演技になってました。

レピスのものまね(?)も、本人を知らずにやってもらったけど、似てましたね(笑)。

素顔は関西弁で可愛いコだったので、もっと話したかったなぁ…


井之上詩織ちゃん

ずっと気になってた子で、ぜひメインキャストにお迎えしたかったんですが、他のお芝居とおもいっきり被っていたので断念。

千秋楽ゲスト、とだけ決まっていて印刷台本のゲスト役をやってもらってたんだけど、どうもしっくりこない。井之上詩織ちゃんに演ってもらうのにコレでいいのか!?と。

ゲスト台本を全部書き直すきっかけのひとつでした。

今度スケジュールが合えば、がっつりご一緒してみたいですっ!



これでゲスト紹介も終了!

あと3人!!






女の子ばかりで、ただでも華やかだった舞台をさらに華やかにしていた「時空怪盗オラクル」たちの衣装。

「怪盗」っぽくない?

いや、一応彼女たちなりに1800年代ドイツに潜入するにあたり、それ風の衣装を着てきたつもりなんです。

ですがやはり、21世紀の女子にとっては着慣れない…特にあのぽっくり靴が履きなれないらしく、舞台袖で、転ぶ、捻る…とたいへんそうでした。なのに、「音を立てて歩くな!」とか無茶な要求してましたね。


その衣装が「より」似合ってたと思う空組オラクル。


メリー(本名テルル)


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青木ゆり亜ちゃん。

細くて可愛くて、この衣装を着せるとホントに「お人形さん」みたいになった。

マスの代役を何度もやらせたりして、自分の役作りに本当に悩んでしたようなので、ある日「ですます(口調)」キャラにしてみよう、と提案。

それからさらに悩み始めたみたいだけど、舞台上の彼女はまさに彼女にしかできないメリーになってました。

実は前にメリーを演じた神田東来ちゃんが観に来てて、あまりの違いっぷりに驚いていました。

今回は「テルル」だからね。


クリス(本名セレン)


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川本㮈未(なつみ)さん。

彼女にも稽古合流前に会えなかったので、合流前は台本通り、ひたすら可愛く演出してもらっていた。
会ってみたらスタイル抜群の美人さんで、一瞬「なんでメリクリに!?」(失礼)と思った。

色っぽくしてみたり、カッコよくしてみたり…してる時間もあまりなく、関西弁にしてみたりもしたが、最終的に「キミは男だ!」と言って、男らしいクリスになった。

あの衣装をいちばん着慣れない(でも着こなしてますね)、そのへんが可愛かったです。

ホントに「セレン」って感じ。


マス(本名ビスマス)


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片岡ミカさん

年齢不詳で、最初に会った頃のゆうこりんを思い出した片岡ミカチュウ。

なんと、かのウルトラコミカライズの巨匠かたおか徹治先生の娘さんだとか。

けっこうたいへんな病気で殆ど稽古に来れず、来ても何度も倒れて運ばれた。

演技指導どころではなく「ちゃんと肉食え」「健康になりなさい」ばかり言ってた気がします。

でも、アイドルスキル、女優スキルはなかなかのもので

(僕が)何もしなくても、ちゃんと舞台に立ってた子の代表格。

やっぱり「ビスマス」(何が?)


初稿ではそのままテルル、セレン、ビスマスとして登場、実はメリー、クリス、マスの前身である、という裏設定でしかなかった(季節はずれもいいところだし)。


僕がきっと、また「メリー、クリス、マス」に会いたかったんだろうなぁ。