Bar-a-vins Bistro Au GRENIER
札幌の繁華街「すすきの」の近くにあるワインバーです。フランスワインが中心です。ご予約でお料理もお出しします。
https://www.facebook.com/au.grenier/

  • 18Jun
    • パニガーレ 2019 始動!

      6月14日、ようやく今シーズン初出撃。どうも最近、疲れが取れなくていけない。店が大繁盛で休む暇がない、…というならうれしいが、残念ながらそんなことはなく、ただ前日の疲れをひたすらひっぱりながら、日々流しているようなかんじだ。もっとも、4月あたりから閉店が明け方になることが何回か続いたり、定休日の日曜に予約が入って21連勤なんて無茶をしたりしたから、そんなイレギュラー営業の余波がずっと影響し続けているのかもしれない。さて。2019年の初夏も、またイレギュラーな天候が続く。5月中に真夏日が連続したかと思えば、6月に入って急激に気温が下がり、ぐずついた空模様が続く。たしか、昨年もそんなことをボヤいていたような…。加齢と過労もあって、なかなか気分が高揚しないのだが、天気予報でたまたま終日快晴という日が訪れ、これを逃すとこのままでは初出撃が7月になってしまうのではという強迫観念に駈られ、気持ちを奮い立たせて出撃する。<本日のコース(6/14・金 快晴 最高気温23℃)>自宅 ⇒ 盤渓 ⇒ 定山渓 ⇒ 中山峠 ⇒ 喜茂別 ⇒ ニセコで蕎麦 ⇒ 以下往路を戻る*およそ200km<本日のパニガーレ>・またクラッチがエアを噛んでいるような…・6速のオートシフター抜けも相変わらず・股間が痛い…クラッチについては、ディーラーで対策をしてもらったはずなんだが、早くもコンタクトが近くなりすぎで、なんと信号でエンストしてしまった。恥ずかしい。日を改めて整備したのち、改善がみられないようなら再度ディーラーにクレームを入れようと思う。股間については…、対策用に導入した DUCATI PERFORMANCE 製のコンフォートシートがフィーリングに合わず、同レーシングシートに換装したわけだが、これは結局座面が高くなっただけで快適度は以前とさほど変わらず、やはり股間にダメージを与えるようだ。耐久レーサーは、これで大丈夫なんだろうか…。…で、蕎麦。ようてい庵北海道虻田郡ニセコ町元町39510:55~16:05 売切次第閉店火曜&不定休(日曜は営業)道道66号線沿いにある一軒家の蕎麦店。山あいを抜け、民家が点在するひらけた場所にあり、大きな白い「手打ちそば」の看板と、母屋前の広々とした駐車場が目を引くので、通りすがりで気になっていた人も多いのではなかろうか。開店時間は謎の10:55。閉店時間はさらに謎で16:05。店主のちょっとした「シャレ」だろうか。ホールにはかんじのいい女性。調理場はお母さん風の女性。男っ気がない。お母さんが店主なのかな?当日は11時30分頃に到着して、「並ぶかな」と思ったら存外空いていた。席は1本カウンターと変形カウンターのみで、テーブル席はない。席数は14か15。ウェイティング用のベンチもあり、ヘルメットや装備はそちらに置かせていただいた。例によって、大盛りを注文。ほどなく配膳された蕎麦は、太さにばらつきが目立ついかにも田舎風だ。大盛りの場合、そばつゆに追加のとっくりがついてくるようだ。これはうれしい。お水とそば茶はセルフサービスとなっている。蕎麦湯はポットに入れられ、カウンターの数カ所に置いてある。大盛り1,000円。ふつう盛りが700円だから、両者の価格差は約1.4倍となり、なかなかに大差がついている。大盛りの量は適度だったから、この価格差を考えると、ふつう盛りでは食べる前から不安にかられてしまうのではと心配になる。張り出されたお品書きを眺める限り、どうやら天ぷらにも力を入れているようだ。日替わり(?)のかき揚げもあるようで、次回、試してみたいと思う。…とういわけで、ごちそうさまでしたー。*当ブログでは、これからも『食べログ』的なコメントはしませんからねー。

  • 12Jun
    • VISIONPEAKS TC ルーテント

      これは、ええ買い物したわー。VISIONPEAKS TC ルーテント今年もお楽しみのキャンプシーズンが始まった。どちらかといえば、アウトドアライフに遅咲きだった店主も、気づけば今年でキャンプ歴15余年を積み重ねるに至り、特にここ数年は年間10泊以上は野外生活を楽しむという、ベテランおっさんキャンパーに成長(?)した。思えば、デビュー当初は道具を揃えることに夢中になり、知識不足からあれもこれもと手を出して飽和状態になったものだが、3年前あたりからギアのダウンサイジング化に覚醒し、この期に及んでまたぞろ最新の道具を買い漁っているという愚行ぶりを呈しているのであった。このあたりは、まったく成長していないともいえる。…で、テントを新調した。▲よく利用させていただいているキャンプ場の番犬。奇跡のダイエットに成功!店主はこれまで、OGAWAのドームテントをずっと愛用してきた。家族で利用することを想定したリビングつきの3人用テント。造作はさすが「テントのOGAWA」だけあって居住性はぴかいち。さらに堅牢かつ張りやすく、きわめて高品質で満足感は高い(ただし価格も高い)。COLEMANやSNOWPEAKなどと違って、ほかのキャンパーと「カブる」ことがまずない、という希少性も大いに気に入っていたところだ。…が、おっさんのソロキャンプにはでかすぎる。▲OGAWAのTiera3はそれなりの高級品。昔は余裕があったもんだ…本来、キャンプというのは「面倒なことを楽しむ」ものであって、テントの設置や撤収作業はいわばお楽しみのひとつであるはずなのだが、歳をくってくるとだんだんなにごともモノグサになっていけない。一時は車中泊で済ませようと HONDA SHUTTLE の荷室で寝てみたりもしたものの、そこまでやるとなんだかわびしいという現実もある。…というわけで、「ワンタッチテントが欲しい…」ということになる。▲DODカンガルーテントM(¥17,800)はシーズン序盤にしてすでに完売だとワンタッチテントで真っ先に思いついたのは、DODのカンガルーテントだ。実は、昨年から狙っていた。独自の構造で、傘を開くようにテントが展開できるという、まさに「ワンタッチ展張」。さらに、素材がコットン100%で結露の心配がない。タープや大型テントの中に張るというコンセプトだ。このあたり、ユニークなギアを発信し続けるDODらしいセンスだ。…が、このメーカーさん、生産調整ができなさすぎ。諸事情あるとは思うが、シーズン序盤の5月末にしてすでに完売ときた。メーカーに問い合わせるも在庫はゼロで、追加生産の予定も立っていないとのことだ。まあ、過剰供給で不良在庫するリスクを考えれば、経営的には正しい計画のような気もしなくもないが…。それにしても、ねえ。そこで、VISIONPEAKSの登場と相成る。▲『TCルーテント』の収納サイズは20φ×63cm、重量5.1kgとそれなりのサイズ『VISIONPEAKS(ビジョンピークス)』とは、スポーツ&アウトドア用品店『HIMARAYA(岐阜市・1976年創業)』のPBである。地方のいちスポーツ用品店がPB商品を展開していること自体驚きだが、株式会社ヒマラヤは、実は7年前に東証ならび名証に一部上場している大企業であった。それは、たいへん失礼しました。…にしても、みなさん、VISIONPEAKSってご存知でしたか? わたしは知りませんでしたよ。▲…といいつつ、このツールケースもってた(¥2,290)。使い勝手は…ふつうです今回導入した『VISIONPEAKS TC ルーテント』は、DODカンガルーテントの欠品に腹を立てて、ネットで「カンガルーテント」とキーワード検索をした結果、楽天とAmazonでヒットしたもの。DODのようなワンタッチ機能こそ備わっていないが、比較的簡易に設置できそうなイメージで、価格は¥12,900と、かなりお手軽だ。素材がポリコットンというところもよさげである。ところが、エビデンスを得るためにネットのクチコミを探したものの、実際に使用感をレビューしていたサイトは1件しか発見できなかった。それくらいマイナーな製品なのか…。まあ、いまいち不安もあるが、価格もそれなりだし、「ダメ元」で買ってみよう!▲内容物はテント本体、FRPポール、ペグ、収納袋。グラウンドシートは付属せずVISIONPEAKSは、DODと異なり在庫も潤沢なようで、製品は注文からすぐに届いた。送料込で。収納袋も含めて、ポリコットンの質感は思いの外よい。フロアはポリエステル製。頑丈なかんじはないが、不安になるほどでもない。色味がダークブラウンで、フライとのコーディネイトもいいかんじだ。フロアは張ったら見えないけど。▲FRPのポールを天頂でクロスさせ、四隅のピンに差し込むベーシックな構造▲キャンプ慣れしてる人なら展張に5分とかからない。張った後もラクに移動できるメーカーの説明では、本製品はテントやターブの下に展張する「カンガルーテント」であるということだ。ポリコットン製だからある程度の耐水性は確保されていると思われるが、出入り口のファスナーがコンシールド構造でなくむき出しなので、「100%降らない」という根拠のない自信でもないかぎり、せめてタープで覆っておくのが無難だろう。メーカでは、「覆わないと雨漏りの可能性がある」と案内している。▲名タープのタトンカ1tcとのコンビ。シンプルでなかなかツウっぽくないか?この製品の惜しいとことは、「専用のグラウンドシートが付属しない」ということだ。そもそも単品でも設定がないようで、同社のオンラインショップにも掲載がない。仕方がないので、OGAWAのグラウンドシートを流用しているが、微妙にサイズが合わないので、できれば今後発売してほしいところ。この点、DODは抜かりなく、専用品を単品でも販売している。しかし生産調整が…。あとは、ペグを打つループが細いひも状でちょっと頼りないかんじなのと、FRPポールのジョイント部がスチールで重量があり、かついまどきのアルミポールに比べると「さくさく」つながらないというあたりが気にならなくもないが、それらはこの価格を考慮すれば酷な指摘というものだろう。▲内部はソロキャンパーには贅沢すぎる余裕のスペース。コット2台並列でもイケる▲前後2箇所がメッシュつきで大きく開く。左右にはベンチレータを装備▲合計5箇所にループが設置されている心配り設計もいいかんじだ…というわけで、過度に期待せずに導入した『VISIONPEAKS TC ルーテント』であったが、これはどうやら予想外に大満足、という結果と相成った。店主がキャンプデビューを果たした15余年前と比べると、ここ最近のキャンプギアの進化には目を見張るものがある。どうやら巷間キャンプブームが到来しているようで、これまでになかったような「機能的かつ簡易で軽量でさらにオシャレ」なグッズが次々と発売されているようだ。これらのグッズを使いたいがためにキャンプデビューする人も、今後急激に増えていくのかもしれない。こうして、いわゆる『ブーム』が訪れたときに懸念されるのが、キャンプ場利用者のマナーの悪化だ。▲キャンプ場での火の取り扱いには特に注意。地面を焦がすのはご法度だ本来、キャンプという遊興行為は性善説の上に成り立っている。就寝の際に自身と世間を隔絶してくれるのは、ファスナーで閉じられた薄い幕だけ。もちろん、施錠もできない。考えてみれば非常に物騒だ。つまり、キャンプを楽しむには、キャンプ場を共有するその他大勢の見知らぬ人々との間に、暗黙の予定調和が必須なのだ。それが、マナーだ。実際、店主がよく利用している静かなキャンプ場に、このところ違和感のあるタイプの方々が訪れるようになってきた。キャンプ場のオーナーによると、受付もせずに設営を開始したり、炭で地面を焦がしたり、中にはゴミを持ち帰らない輩も出没するようになったのだとか。困ったものである。せっかく穏やかな時間を野外で過ごそうとやってきたのに、そんなひと握りの輩によって気分が台無しになるなんて切なすぎる。近年のキャンプブームの背景に、ギアの進化が影響していることはまず間違いあるまい。そう考えると、ギアの進化によるキャンプの簡易化は、必ずしも歓迎すべきことではないのかもしれないなんて思ってしまう。…といいつつ、次はなにをダウンサイジングしようかと目論んでいるおっさんが、ここにいたりするのだが…。

  • 23May
    • オリーブの樹の話

      オリーブの樹を、店のシンボルツリーにしたいんですよ。オリーブの樹の話店には「シンボルツリーを置く」、と決めている。…そんなわけで、開店当初より、常になにかしらの巨大植物が店内の一角に鎮座しているのだが、窓があって日中は自然光が入る環境とはいえ、やはり、店内で常緑樹を健康的に育てるのはかなり難しいのであった。当店のシンボルツリーは、ただいまの現役で6代目だ。8年間で6本。初代 : 巨大オリーブの樹次代 : なんとかシルバー(詳細失念)3代 : アガベ4代 : オリーブの樹リベンジ5代 : シマトネリコ現役 : シマトネリコリベンジ好みで選ぶ樹が、そもそも屋内での生育に向いていないという致命的な件があるとはいうものの、ここまで、アガベ以外は1年ほどで衰弱してしまった。逆にアガベは巨大化しすぎて持て余し、かといって引き取り手も見つからず、やむなく廃棄したという苦い経験がある。▲現役シマトネリコは導入当初から虚弱体質で早くも風前の灯…特にオリーブの樹は大好きだったので、これを店内に飾るのはかねてからの念願であったのだが、地中海やアドリア海の陽光を好む陽気な樹を屋内で育てるのは、そもそも無理があったようだ。初代と4代目の樹は、残念ながらいずれも1年ほどで葉が丸まってしまうという、オリーブにありがちな衰弱症状を発症し、大木だった初代は知り合いの造園屋さんに引き取ってもらい、4代目は自宅に持ち帰り加療入院とあいなった。▲自宅に持ち帰ったばかりの4代目。丸坊主だ(2017年11月13日撮影)上図のように、4代目については、ヤケクソで枝を落としまくって植え替えてやったわけで、これはまあ、もうダメだとなかば諦めていたものである。ところが。同じ屋内でも自宅の環境はそれなりによいのか、丸坊主にしてからおよそ2ヶ月後の2018年1月22日、なんと、新芽が発芽したのだ! 真冬なのに。▲これぞまさに「生命の息吹」。感動のひとこと(2018年2月1日撮影)▲いったん芽吹くと堰を切ったように新芽たちが…(2018年2月14日撮影)▲まだちょいと寂しいがどうやら安定してきた頃(2018年5月12日撮影)かくかくしかじかで、瀕死の4代目オリーブの樹を自宅に持ち帰ってから約1年半の歳月が流れんとしている。やはり、同じ屋内でも、店と違って自宅の環境はさほど悪くないようだ。確かに、店は異常に乾燥している。これは、植物には致命傷だろう。で、いまいまの4代目オリーブの樹がどうなっているかというと…、…ここまで回復しました!(2019年5月23日撮影)今年の札幌は春が早く、5月の気温も平年より高めで、植物たちを早々にベランダに出してやったところ、日々、枝がぐんぐん成長している。もう大丈夫だろう。▲やっぱりこいつのおかげか。「芽根出ーる」?かくして、元シンボルツリーの4代目は奇跡の復活を遂げた。一方、現役シマトネリコは届いた時点でかなり衰弱しており、店で手厚く看病しつつ経過観察しているものの、どうにも精彩を欠いた状態だ。さらに、加療のために連れ帰った5代目シマトネリコは、これはいよいよ絶望的で、剪定の上植え替えた直後は「ぽつぽつ」と新芽が出たものの、回復の速度は極めて遅い…というか、ここにきて成長が静止したように見える。▲連れ帰った直後の瀕死の5代目シマトネリコ(2019年4月15日撮影)▲在りし日の5代目シマトネリコ。合掌…(2018年3月21日撮影)…というわけで、今回は店のシンボルツリーの話をしてみた。同じ空間でも、植物のあるなしでその雰囲気はずいぶんと変わる。意識せずとも、ヒトは植物に癒されているのだ。だから、なんとか店の環境に力強く耐えてくれるシンボルツリーを導入したいんですけどね。これがまた、なかなか見た目もよくて耐久性もあるヤツが見つからないんですよ、奥さん。これはいよいよ、当家で20年近く生息し続けるユッカの登場かなあ。なんか、ちょっと違う気もしなくもないが…。▲2年前に植え方たら爆発的に若返ってしまった20年もののユッカ

  • 15May
    • OSMO Dekorwachs オスモカラーウッドワックス

      カウンターはバーの顔なんである。OSMO Dekorwachs オスモカラーウッドワックス当店のカウンターは、無垢のカリン材一枚板である。寸法は幅460cm、奥行は70cmで両側に「耳」がある。すなわち、直径70cmのまっすぐな大木から切り出された希少な部材だ。目が細かく揃っていて、節もまったくない一枚板というのはかなり珍しいようで、専門知識をお持ちの方からは、まいど絶賛をいただいている。気づかないお客様のほうがダンゼン多いが…。とはいえ、世界的な需要増により、このような高級部材は価格が高騰しているというから、わりとリーズナブルに入手できたのは、実はたいへんラッキーなことだといえそうだ。▲施工時の様子。当時のお値段は…安くはないがびっくりするほど高くもなかったそんな当店自慢のカウンターも、施工から8年という歳月を経て、やや褪色が進んできた。そもそも、カリンの木にしては色が薄めなかんじだったのに加え、外光が当たる部分や水拭きがひんぱんな箇所については、明らかに白っぽくなってきてしまった。対策として、定期的に無色ワックスを塗布してメンテしてきてはいたのだが、これはそろそろ治療を施したほうがよさそうだ。…というわけで、いろいろと調べてみて選んだのが、『オスモカラーワックス』なのである。▲375cc缶で¥3,810! 1リットルあたり¥10,160! うひゃー『オスモ』とは、ドイツの老舗木材メーカーで、住居用フローリング材などを手がけている。グループ会社には、高級住宅建設業、そしてなんとワイナリー業も含まれているようだ。で、オスモカラーの特徴は…・天然素材(植物油)由来で安全・悪臭がない・木の呼吸を妨げない・塗りやすい…などなど。さすがなにかとこだわりの深いドイツ製だけあって、安全面には相当の配慮がなされいるらしく、「食品と同レベルの安全性」を担保している。▲仕上げた直後。色を塗ったという感覚はなく油分が「浸透した」イメージ「天然無垢材に色をつける」ということに抵抗感がなかったわけではない。しかし、勇気を振り絞って実際に塗布してみて、それは杞憂だったと断言できる。それくらい、自然な仕上がり、ということです。色味は、『オスモカラー』13色の中から、マホガニーを採用した。塗料をスプーンで適量すくって清潔なウェスに取り、部材表面に染み込ませるように薄く塗布していく。塗料の伸びがよいので、少量でもカウンター全体をカバーできる。初めての施術ということで、今回は塗布後、乾燥する前に別のウェスで拭きあげてみた。白っぽく褪色した箇所も落ち着いた色調を取り戻している。本来の姿を再現するには、あと2回ほど塗布したほうがよさそうだ。その際は、いちど完全乾燥させてから仕上げてみようかと思っている。▲気持ちいいぐらいてっかてか。このあと馴染んで自然な光沢を発する先日、宮部みゆきの直木賞受賞作『理由』を読んでいて気になったことがある。飲食業で成功している登場人物の一家言だ。曰く、「店の構えを欲張らないこと」「人件費をケチらないこと」「従業員に番頭を育てること」…。なるほど。一方、当店はというと、「店の構えを思い切り欲張って」「人を雇っていない」…。うーむ。これじゃ、成功するわけないか。まあ、わかっちゃいるけど、これはもう、意固地なおっさんの「こだわり自己表現」ですから、そこは、温かい目で見てやってくださいよ。…といいつつ、本年5月で『オ・グルニエ』も創業8周年!これからも引き続き、じたばたとあがいていきますよ。ふう。▲カウンターを25tクレーンで吊るし上げて搬入!(2011年3月撮影)8年前の当店カウンターにまつわる記事 ⇒ https://ameblo.jp/bistro-tati/entry-10831184190.html?frm=theme

  • 06May
    • シメの和え麺

      新メニュー登場!シメの和え麺店主は8年前、果敢にも「飲食業従事経験ゼロ」でワインバーを開業した。そもそも、ワイン同様に調理が好きだったので、開店当初からけっこうマジな料理をラインナップしており、初期は「もの珍しさ」もあってか、ちょくちょくフルコースのオーダーなんかもいただき、ワインバーでありながらちょっとしたビストロを気取っていたものである。しかしまあ、そもそも修業の経験もない素人の実力というのはたかが知れているもので、以降、札幌市内に次々と登場する新店の陰にかすみ、ここ数年は「本来の」ワインバーの姿にすっかり落ち着いている。▲サーモンとホタテとキャヴィアの魚介サラダ風…とはいいつつ、多くのお客様が、例えそれが居酒屋でなくてワインバーであっても、飲むと「アテ」を所望されるという事実がある。店主は、バーで飲んでいるときは「アテ」を必要としない旧態依然な体質なので、これは正直意外だった。個人的に、この傾向は札幌市民独自のカルチャーなんじゃないかと勝手に思っているのだが、いまや大東京でも同様に、バーの「アテ」は必須要件なのだろうか?…だとしたら、時代は変わったもんだなあ…(おっさんの時代回顧)。▲オリーブオイルで揚げた『いんかのめざめ』の厚めチップスそんなわけで、当店でもこのところ「アテ」の強化を試みている。もちろん、チーズやナッツなどの定番ものは常備しているが、それ以外の、ちょいとした小洒落たものどもを…。それらの仕込みには手間がかかるし、食材ロスのリスクも高まるわけだけれど、すすきの界隈で「流行っている」といわれる店は皆さん「アテ」が充実しているようなので、当店もその流れに喰い付いていかないと、このままでは忘れ去られた存在になってしまうに違いない。▲最近の黒板メニューはこんなかんじ(随時更新)今回のお題目の『シメの和え麺』は、そんな悪あがきの中から誕生した一品だ。麺料理なので、果たして「アテ」称してよいものか疑問も残るが、まあ、そこは、当店の型にはまらないスタイルを象徴する「アテ」…ということで。『シメの和え麺』のベースとなっているのは、市内の老舗ビアホール『米風亭』さんの看板メニュー『油そば』である。▲米風亭の油そば。登場以来20年を経ていまや札幌のB級グルメとして定着した『油そば』とは、いわゆるスープのないラーメンだ。『米風亭』さんのオーナーが、「スープを仕込まなくても店で簡単に提供できる麺料理」として考案したもので、ルーツは東京の武蔵境に実在する中華料理店『珍々亭』の同名メニューである。▲『珍々亭』バージョンを食べたことはないが、カップ麺にもなっているようだ『米風亭の油そば』は、当店のお客様にも広く浸透していて、しばしば当店でのお会計時に、「このあと油そばいこうぜー」なんて会話を耳にする。…という背景から、『シメの和え麺』を開発したわけだ。まあ、はっきりいって「パクリ」です、はい。『米風亭』さんに流れんとする売り上げを、少しでもこちらに引き寄せようという姑息な魂胆が丸見えだ。▲当店自家製の焼豚は、ここだけの話『米風亭』さんのよりおいしいと思うんだがなあ…もっとも、当たり前だが麺やタレ味の方向性は変えていて、『シメの和え麺』は太麺(藤原製麺製)を採用。タレも自分流に複数の調味料をアレンジしている。マストアイテムの焼豚も、もちろん自家製。稚拙ながらフレンチの技術を応用して、ふつーの焼豚とはひと味違う仕上がりを目指す。さらに、お客様のお好みで回しかけていただく酢には、ホワイトバルサミコ酢をご用意したりして。ホワイトバルサミコ酢は、一般の醸造酢に比べて、味の引き締まり方が違いますよー。▲当店では、バルセート社のホワイトバルサミコを常備…というわけで、今回は、当店の必殺「アテ」メニューをご紹介させていただいた。まだぜんぜん定着していないので、1週間で数食出るのみだが、どうやらおおむね好評みたいで「ほっと」胸をなで下ろしているところだ。例えそれが「パクリ」メニューであったとしても、お客様に喜んでいただけるというのは、この上なくうれしいものである。そんなこんなで、これからも、手段を選ばず手は抜かず、お客様満足度アップを目指して試行錯誤を重ねていきたい…、と心に念ずる次第だ。

  • 26Apr
    • Nums Trackpad for MacBook Pro

      すんげーやつがやってきた。Nums Trackpad for MacBook Proある日、テレビ東京系の経済番組『ガイアの夜明け』を録画視聴していたところ、このデバイスが「ちらり」と紹介されていたので、さっそく調べて購入した。MacBookのトラックパッドに貼り付けてアプリケーションをDLするだけで、トラックパッドがテンキーに早変わりするという。まじか。▲楽天市場で6,580円也。最新のMacBook版はなぜかほかより高いパッケージの仕様は、どことなくApple社製品をほうふつとさせるデザインで、妙に垢抜けている。それだけ手本となったAppleのセンスがよいということだが、それにしても品質レベルは存外に高い。▲製品マニュアルには中国語が併記されていて…事前にネットで調べていたので、このデバイスが中華ベンチャー製ということは知っていたが、実際に中国語の表記を目にすると、なぜか心が「ざわざわ」してしまう。…とはいえ、フォント使いも含め、なかなかいいデザインだ。▲なにが入っているのかなーと謎の箱を開けてみたら、ただの上げ底資材だった…このデバイスの製造元は『LuckeyTech』というらしい。デバイスには『GHC DESIGN』の印字あるが、これは同社のブランドなのだろうか。同社サイトをみても、よくわからない。当製品は、商品化にあたり、クラウド・ファウンディングを利用したという。ほんと、世の中、いろんなことが急進している。クラウド・ファウンディングは、いまやベンチャーだけでなく、大企業も採用しているそうだ。▲小さな包みにシリアルキーとクリーニング用のペーパーが入っているさて。実装はいたってカンタンである。まず、付属のクリーナーでMacBookのトラックパッドをクリーニングし、デバイス裏面の保護シールを剥がしてトラックパッドに貼る。そして指定のURLに接続し、スクラッチカードのシリアルキーを入力すれば、アプリケーションがDLされ、そのまま使用可能な状態になる。▲サイズはぴったりで違和感もないが、どうしても貼りムラは出るようださっそく使ってみる。詳しい使用方法はご自身でネットを調べていただくとして、まあ、よくこんなもの考えついたもんだな、という画期的なデバイスだ。まず、なにもしなければ、通常どおりのトラックパッドとして機能する。『Nums』の機能を利用する場合は、対角線状にスワイプするだけ。トラックパッドの中央をスワイプすると、自然にマウスモードに戻る。エクセルに数字を入力する際、テンキーを装備していないMacBookはいちいち入力モードを変更したり、最上列の数字キーを叩かなくてはならないなど、決して使い勝手がよいとは言い難かったが、『Nums』を利用することで、数字入力の操作がずいぶんとスマートになった。▲テンキーだけでなくランチャー機能も実装されている『Nums』には、標準ソフトの計算機の起動、テンキー入力モード変更のほか、アプリケーションやファイルのランチャー機能も実装されている。これが意外と便利で、しょっちゅう利用するアプリケーションはDockに登録しておけばいいが、たまーに使うファイルやユーティリティを『Nums』のランチャーに設定しておけば、いちいちフォルダまで探しにいく必要がなくなる。Mac OS 標準のLaunchpadより使える機能だ。▲この画像の中国人が開発者だろうか。サイトには名前の表記も見当たらない…とまあ、この『Nums』はまったくもってシンプルな製品なのだが、発想の勝利というか、実にイノベーショナルなデバイスだと思う。デザインも洗練されていて、6,000円なにがしという価格はやや微妙だが、少なくとも満足感はでかい。一方、昨今の日本は、イノベーションが生まれづらい環境にあるという。民族的に臨界に到達したのか、はたまたあまりの豊かさに、感覚が鈍くなってしまったのか。そのくせ、店主のように、いまだ中国語表記を製品にみると、なんだか心が「ざわざわ」してしまうという。こんな狭い了見でいたら、ほんと、世界のイノベーションの流れから取り残されてしまいそうですね。はい。以後、気をつけますです。

  • 14Apr
    • クラフティ Clafoutis

      こういうカンタンなデセールは好きですよ。クラフティ Clafoutisクラフティは、フランスのリムーザン(Limousin)地方の郷土菓子。製法が材料を混ぜてオーブンで焼くだけというシンプルさで、かつ一度に大量に用意できるから、パーティなどのデセールには最適だ。見た目もいい。…ということで、当店でもひんぱんに焼いている。▲リムーザン地方はこうしてみるとフランスのヘソだリムーザン地方の州都はリモージュ(Limoges)市だ。リモージュといえば古来より窯業が盛んで、絢爛な装飾を施した陶器が世界的なブランドになっている。日本でいえば、佐賀県の有田&伊万里というかんじ?リモージュ市の人口は約36万人というから、おおよそ旭川市くらいの規模である。なるほどね(北海道基準)。▲繊細で絢爛な装飾が施された陶器は使うのがもったいないリムーザン地方の料理は、リモージュの陶器の繊細さとはうらはらに、クラフティに代表されるように素朴なものが多い。豚肉やマスを焼いてキャベツと合わせたりとか、りんご、栗、さくらんぼ、ベリー類、さらにジビエなんかもよく食べられているようだ。ワイン用のぶとうを栽培しているかどうかはナゾ。少なくともまとまった産地はない。▲できるだけ常温に近くして提供したほうがおいしいと思う。紅茶のアイスを添えて<クラフティの作り方(10〜20人分)>材料:薄力粉60g、グラニュー糖108g、トレハロース12g、ベイキングパウダー4g、全卵4、溶かしバター72g、生クリーム200g、キルシュ、ベリー系フルーツ500g、粉糖・砂糖と卵を大きめのボウルでよく混ぜる・粉を投入してダマにならないようにさっくり混ぜる・溶かしバター、生クリーム、キルシュを加えて混ぜて濾す・バターを塗ったラザーニャ皿にアパレイユを注ぎ、水分を切ったベリーを均等に配置する・180℃に余熱したオーブンで30分ほど焼く・焼き上がりの熱いうちに粉糖をまぶして冷ます…まあ、なんてカンタンなんでしょう!作例のフルーツは、冷凍のブルーベリーとフランボワーズを使っている。基本的には、フルーツならなんでもいいと思うのだが、水分が多いものは仕上がりがぐちゃぐちゃになっちゃいそうだ。▲ダークチェリーのシロップ漬けなら2缶でかなり贅沢な仕上がりになるクラフティのルセット(レシピ)を教えてくださったのは、札幌の老舗グラン・メゾン『ル・ジャンティオム』の大川シェフだ。思えば当店開業時、シェフに提供料理についてアドバイスを乞いにうかがったところ、シェフ主催の料理教室に参加することを勧められ、都合、3年ほど月イチ皆勤賞で通ったものだ。あの場で得た経験と知識は、いまも大きな支えになっている。▲個人的には札幌で最高のフレンチと信じる『ル・ジャンティオム』料理に限らずなにごとも、上達の早道は真の実力者に手ほどきを受けることに尽きる。そういう意味でも、店主はここまで「周りにいる人」にすごく恵まれてきた。この「ツキ」が途切れないように、日々、自身の研鑽を怠ってはいけないのである。ああ、それなのに、それなのに…。

  • 27Mar
    • 犬ヶ島 Isle of Dogs

      ああ、早く犬と暮らしたい。犬ヶ島 Isle of Dogs2018年3月公開製作国:アメリカ / ドイツ原題:Isleof Dogs監督:ウェス・アンダーソン興行収入:約70億円(累計)公開から1年を待たずしてWOWOWにやってきたので、録画視聴した。そして…、ハマった。当作品は、第68回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞するなど、映画界ではそれなりな話題作だったのかもしれないが、例によって店主はそういった情報に極めて疎いので、その存在はもちろん、実際に観るまでこれがどんな作品なのかまったく知らなかった。たまたま、必ずチェックしているWOWOW日曜夜9時枠での放送だったからよかったが、そうでなかったらスルーしていたかもしれない。▲小山薫堂と信濃八太郎による力の抜けた解説が妙な『W座からの招待状』実際、なんの予備知識もなくこの作品の視聴を開始すると、冒頭はまったくもって「なんじゃこりゃ」である。展開がシュールすぎるのだ。ところが観終わってみると、これがまた、なんども観たくなる麻薬性を持っているところがニクい。▲鬼才ウェス・アンダーソンの頭の中はいったいどういう構造なのかこの作品の最大の魅力は、「全編ストップモーション」で製作されているということに尽きる。CG全盛の世の中、あえてそこに挑むがごとく、「CGは一切つかっていない」ということだ。登場キャラクターはすべてパペット(人形)で、背景や効果も合成ではなく、作り込まれたセットや、繊細な手作業で製作されているというから驚きだ。メイキング動画⇒ https://www.youtube.com/watch?v=W3TTh59-9_0▲実に楽しそうな仕事だが、人並み外れた根気がないと精神をヤラれそうだ実際のところ、そのストップモーションのデキがよすぎて、いわれなければ、わざとぎこちなく演出しているCGと誤認しそうだ。当店のスタッフ『ゆうこりん』はかなりの犬好き&映画好きだが、この作品の存在は知っていても、レンタルDVDのジャケットをみてCGアニメ作品と勘違いし、鑑賞をスルーしていたというから、プロモーションはより一層「全編ストップモーション」を強調したほうがよかったんじゃないかと、余計なお世話を焼きたくなってしまう。▲赤塚不二夫的ボカスカシーンは合成でなく、なんと綿で再現しているという…▲湾にうごめく渦巻きも、綿をそれっぽく動かして再現しているというマニアっぷりストーリーについては…、まだの方はいますぐ実際にご覧になってみてください。とにかく面白いです。声優陣もふるっていて、ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソンのほか、オノ・ヨーコ、渡辺謙、夏木マリなどそうそうたるビッグネームが参加している。ずいぶんと豪華なキャスティングだ。▲すごくいそうな下宿屋のおばさんの声はなんと夏木マリそれにしても、この映画がリリースされた当時、日本の映画評論家から以下のような批判があったという。「ステレオタイプである」、「ホワイト・ウォッシング」(犬を救おうと立ち上がるキャラクターが、交換留学生の女の子)、「日本への配慮が不足している」(原爆を想起させるキノコ雲が上がるシーンが存在する)、「英語至上主義」(日本犬が英語をしゃべる)(wikiより抜粋)…なにをいってやがる、だ。▲同監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』にも共通したモチーフがちらほら人の感性は十人十色だから、ひとつの映画を鑑賞しても様々な意見が出てくるのは当たり前だし、もちろん、それはリスペクトされるべきである。ただ、となりで一緒に鑑賞した友人なり恋人なりが、映画館のあとに立ち寄った居酒屋かなんかで前述のような批判を展開したら、たぶん、すごくヤな気持ちになると思うんですよ。そんな経験をお持ちのあなた。悪いことはいいません。その相手とは、はやいところ疎遠になるか別れるかしましょう。…どうせ、長続きはしないんだから。

  • 21Mar
    • Dyson Supersonic Ionic

      いまさら、ダイソンヘアドライヤーの話。Dyson Supersonic Ionic2016年4月に登場し、その常識を超えた超高価格で世間を「えええっ?」っといわせたダイソンのヘアドライヤー。店主は「たかがドライヤーに5万円の出費なんてあほらし」と完全否定していたが、2019年1月、それは宅配便に載ってわが家に届いたのであった。▲3種類のノズルと専用スタンド、意味不明な収納ケース付属で48,600円(税込)なり現行モデルは、2017年5月に改良が加えられた仕様だ。初期モデルからの変更点は大雑把に…・弱風の風量がさらにマイルドになった・最大熱量が100℃に上がった(旧78℃)…ということだそうだ。ダイソンによると、日本人マーケットの繊細な要望に応え、速乾だけでなく、より頭皮と毛髪にやさしく、それでいてスタイリングを容易にするための仕様変更とのこと。さらに、2018年12月には、仕様変更なしに製品名に『Ionic』が付加され、「ちゃんとマイナスイオン出てますよ」というアッピールが反映された。▲わが家の場合、無用の長物でしかない専用スタンドは早晩葬られそうだ毛髪は表面温度が150℃になるとダメージが拡大するそうなのだが、スーパーソニックには毎秒20回温度を測定するセンサーが備えられ、温度管理に細心の注意が払われているという。仕様を決定するにあたり、毛髪の束を日本列島の長さ分使ってテストした、なんて情報もある。▲ノズルを装着しないで最強にすると暴力的な風圧で鼓膜が傷みそうだ使用感についてのレビューは、専門的な記事がネットにわんさと溢れているから、ここでは最低限に…・とにかく風量が暴力的にすごい・重心がグリップエンドにあるので軽く感じる・思いのほか収納にかさばらない・髪質が改善したかは実感値なし…という程度でしょうか。最大の関心事である髪質の改善については、正直、店主の毛髪量と髪型の場合、ダイソン以前に愛用していた安物ドライヤー代表のテスコムと、大差ないような…、あるような…?▲業務用でもおなじみのテスコムTID135-Sは最安値で3,000円を切る<まとめとして>毛髪量の多いロングヘアの方にとっては、速乾性という観点から、きっと有益なマシンかと思われます。…というわけで、実際、54歳のおっさんには宝の持ち腐れ以外のなにものでもない超高級ドライヤーである、という結論だ。では、なぜそんなばかげた超高級ドライヤーを購入したかというと、これは妻への誕生日プレゼントだったのだ。プレゼントにしてはかなり張り込んだものだが、まあ、妻もこのところいろいろあったし、以前からダイソンドライヤーに興味あるようなことをささやいていたから、ここは一念発起で「やさしい旦那」を演じてみようと思ったわけだ。ところが。誕生日(1月6日)に、誇らしげにプレゼントを手渡したときの彼女の第一声は…「なんでこんな高いもの買ったの?」…であった…。まあ、そうですよね。たしかに、わが家の経済状態で5万円のドライヤーは分不相応ですよね。そのとおりですとも。わたしが悪うございましたですよ。…とまあ、そんな苦々しいできごとを思い出しながら、あらためて「これからも身の丈で生きていこう」と心に念じる、2019年の春分の日なのであった。

  • 15Mar
    • どうする日本・国防編

      <前置きとして>*重たくデリケートな話題なのでいやな予感がする方はスルーしてください*店主(筆者)はただのバーのオヤジでジャーナリストでも思想家でもありません*文中で表記する数字は店主が調べた範囲のもので正確性に欠く場合があります*記事中で引用している画像はすべてネットから無断で借用したものです(問題がある場合はコメントにてご指摘ください)どうする日本・国防編中国を中心とするアジア情勢が、このところますますキナ臭い。東西冷戦終結以降アメリカ1強だったパワーバランスは中国の台頭によりもろくも崩れ、日本は否応なく『アジア再編』の波に巻き込まれている。▲トランプさんはでかいが習近平さんも負けじとでかい…ているんだが、どうもわが国の国民はのんきというか、平和ボケしているというか、あるいは危機感を抱きつつもそれを内包しているのか…、迫り来る恐怖に対してとにかく総じて「対岸の火事」的な空気に浸っているような気がしてならない。マスメディアも、このテの話題では視聴率(部数)が取れないからか、大々的にキャンペーンを張るといったことがないし、たとえ一部の特殊な番組(あるいは記事)で取り上げたとしても、なんだか怪しい専門家や政治家たちが自らの分析や主張を展開しているだけで、自分のような一般市民は事態を俯瞰して観察することができず、いつまでたっても全体像がつかめずにいる、というわけだ。▲結局最後はなんだかよくわからなくなる田原総一朗討論会そこで、自分の考えをまとめるためにも、ネットに散らばる情報をあれこれと引っ掻き集めて切り貼りし、ターゲットを日本とアメリカと中国の相関性に絞って、状況の整理に挑戦することにした。あくまでも個人的な観察とそのまとめなので、どうぞ意地悪なツッコミの類はご遠慮ください。<シナ海を席巻する中国>2014年初頭、中国が南沙諸島の環礁を埋め立てて、人工島を建設していることが確認された。もちろん、誰に了承を得るわけでもなく。▲北村淳さん(軍事社会学者)の記事より抜粋。黄色いのが中華製人工島南沙諸島は太平洋戦争終結後、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、マレーシアがそれぞれ領有を主張しているやっかいなエリアで、各国とも身近なやつをちょいちょい実効支配して火花を散らしていたわけだが、ここにきて、大国となった中国は、カネにモノをいわせて本格的な埋め立て事業に乗り出し、あれよあれよという間に7つの人工島を完成させてしまった。▲人工島には滑走路、レーダー、防空兵器、居住区などが完備されている7つの人工島のうち3島には大型旅客機が離発着可能な3,000m級の滑走路が備わっており、これはもはや巨大な航空母艦が南シナ海に「どかん」と浮かんでいるようなものだ。もちろん動かないが。南沙諸島を拠点にすると、中国人民解放軍の主力戦闘機J-20の場合、フィリピン全土と北は沖縄本島、南はインドネシア全土までがカバーされてしまう。事実上、他国によるこの海域の作戦行動は、重大な脅威に晒されることになる。▲最新鋭の第五世代単座ジェット戦闘機J-20はやたらと巨大こうなってくると心配なのが尖閣諸島で、現在は日本が実効支配しているとはいうものの、そこに自衛隊が常駐して護っているわけでもなく、中国がいつ、実力行使に出てくるかわかったものではない。尖閣諸島に3,000m級の滑走路をつくられたら、それこそ沖縄の喉元に刃を突きつけられたも同然だ。おっかない。幸い、尖閣諸島はいまのところ「日中のにらみ合い」で済んでいる。頼みの綱のアメリカは「尖閣諸島は1972年の沖縄返還以来日本の施政下にある」としつつも、「領有権について最終的に判断する立場にない」と中立の姿勢だ。いよいよ中国が本気で尖閣確保に乗り出したとして、果たしてそのときアメリカは、日米安全保障条約第5条に則った行動に出てくれるのだろうか?▲水産資源の利権保全という意味からも重要な尖閣諸島は同時に美しくもある<どうするの台湾?>『親日派』が多いとされ、日本人も好意的に捉えている台湾(中華民国)。しかし、ご存知のとおり国情は複雑で、中華人民共和国建国以来、両国間で主権にまつわる駆け引きが続いている。▲台湾人の大多数は融和も独立も求めない中立派なんだって現在の総統である、蔡英文(さいえいぶん)さんは非親中派ということになってはいるが、「中国の圧力には屈しないが強硬な独立も目指さない」というやんわりな方針をとっている。その一方で、高まる人民解放軍の脅威に対抗すべく、日本に対して安全保障協力の可能性を打診してきたりもしている(2019年3月2日)。本当のところは、どうしたいのだろうか。▲台湾初の女性リーダーは法学博士の秀才蔡英文さんの前の総統だった馬英九(ばえいきゅう)さん(2008-2016在任)は、明らかに親中派で、過去の禍根を棚上げして中国に急速に歩み寄り、台湾に大きな経済発展をもたらした。が、任期満了に伴う2016年の総統選挙で親中派の国民党は敗北した、というわけだ。台湾の民意は、「融和も独立も望まない中立」が優勢だという。中国に対して、経済は求めるが主権は渡さないということだ。太平洋戦争後、日本に代わって統治に入った中国政府による圧政を経験し、大量虐殺(二・二八事件)にまでおよんだ歴史的トラウマもあるのだろうか。▲17世紀まで台湾は先住民族のものだった2019年3月に開催された中国の全人代(全国人民代表大会)で、習近平さんは、あらためて『台湾統一戦略』を発表した。これは、統一後も台湾に高度な自治を保証する『一国二制度』を柱としたもので、中国は香港に続き、台湾も手中に収めるべく本気で動き出したということだろう。実際、ここ数年、大陸から大量の人的流入が続いており、台湾の『漢化』が加速しているという情報もある(でも台湾人の約80%は東南アジア系DNAとのこと)。『一国二制度』に対して、蔡英文さんはすぐに声明を発表して中国に強く抗議。結果、国民の支持率は上昇したと報道された。▲資本主義社会ではまず見ることのない統制された雰囲気に圧倒されるもし、台湾が中国との統一に合意したら…。それこそ、台湾は「航空母艦10隻分に相当する」戦略的パフォーマンスを持っているといわれ、シナ海全体が中国の制空権内に収まることになる。これに対抗するアメリカ海軍第7艦隊の航空母艦は、『ロナルド・レーガン』1隻のみ。もし台湾が正式に中国の領土になったら、アメリカは太平洋艦隊の編成見直しを迫られると同時に、この脅威を避けて、グアムまで撤退せざるを得ないのではないだろうか。台湾にはなんとかこらえてもらわないと、えらいことになりそうだ。▲アメリカ海軍の原子力空母ロナルド・レーガン。超強力だが名前はイマイチ…<在韓米軍が撤退する?>2018年6月の『歴史的米朝首脳会談』直後、暴君トランプ大統領が公の場で「在韓米軍撤退」をのほめかした。▲両者の顔の大きさを比較すると遠近感が狂うそもそも、トランプさんは「自分の国は自分で守れ」がモットーなので、在韓米軍撤退は選挙公約を意識した発言と思われるが、実際のところ、在韓米軍が撤退したらどういうことが起こりうるのだろうか?・中国が北朝鮮と協調して韓国に侵攻し、金正恩傀儡政権を打ち立てる・その上で竹島を正式に領有化する・竹島に3,000m級の滑走路ができあがり日本海の制空権が脅かされる▲韓国に事実上実効支配されている竹島。日本は「オトナの静観」もっとも、韓国には徴兵制があって兵士の士気はかなり高そうだし、実は国防予算を年間約4兆円(GDP比2.7)も持っているから兵力もそこそこだ。実際、三軍合わせて64万人もいる。大軍だ(自衛隊は25万人)。もちろんアメリカ不在だと『核』はないから、最終的な脅威には屈してしまうだろうが、通常兵器でやりあう限り、韓国が本気で反撃してきたら中国とてタダでは済まないだろう。問題は、そこまでして中国が韓国を欲するか、ということのような気がするが、実際はどうなんだろうか。…たぶん、欲するんだろうな。▲韓国陸軍の訓練。国情を反映してか、いかにも士気が高そうだ韓国には、現在、約2.5万の米軍が駐留しており、これらに対して韓国政府が負担している駐留経費は約950億円。トランプさんと米国防省はその大幅増額を迫った結果、2019年2月、約8%増の約1,010億円で妥結したという報道があった。この金額は、同国の国家予算の3%程度に相当する。つまり、トランプさんの主張は、「もっと金を出すんなら居てやってもいいぞ」ということだ。そもそも、アメリカは本気で韓国から撤退するつもりなのか。それとも、ただ金を引き出すための脅しなのか。韓国世論には「アメリカ軍を撤退させ、負担金を自国の国防費に回して軍を強化すべきだ」という意見も出ているという。<アメリカはほんとうに日本を護る気があるのか?>▲毎年開催される『横田基地友好祭』での買い物はドルのほうが割安みたいだ現在、日本には、約4.5万もの米兵が駐留している。この数字は単一国に対する規模としては世界最多で、ドイツの3.5万、韓国の2.5万と比べてもはるかに多い。それだけアメリカにとって日本は地政学的にも重要なのだろうが、彼らが多大なコストを払ってでも極東の小さな島国に居座り続けるのはなぜだろうか。大切な同盟国である日本を護るため?▲安倍晋三さんは、歴代総理の中では比較的背が高い方だが…トランプさんは、韓国やドイツと同様、日本にも駐留軍の経費負担増額要求を公言している。在日米軍駐留費の総額はよくわからないのだが、現在日本が負担している駐留経費の総額は、およそ6,700億円で、負担の比率は8割くらいらしい。額的にも、負担比率的にも同盟国中ナンバーワンである。ちなみに、国会中継やNHKニュースなどでよく耳にする『思いやり予算』とは、上記総額のうち、「在日米軍基地邦人職員の労務費、基地内の光熱費・水道費、訓練移転費、施設建設費(wikiより)」などの小計で、総額はおよそ2,000億円だ。トランプさんのリクエストに従って、日本政府が駐留費を全額負担するとなると、年間8,300億円ほど支出する計算になる。トランプさんは、さらに経費全額に加えて米兵の人件費も出せという勢いで、こうなると1兆円はくだらないだろう。トランプさんのむちゃくちゃな要求を安倍晋三さんが拒否したら、アメリカ軍はほんとに日本から撤退するのだろうか。▲安保法案で荒れる参院。ヒゲ隊長こと佐藤正久議員の右ストレート炸裂!(2015.9.18)では、アメリカ軍が日本から撤退したら、どんなことがおこるのだろうか?・中国が尖閣諸島を領有化する・中国が沖縄を侵略する・ロシアが北海道を侵略する…こういうことを書くと、「この現代世界に侵略なんて」と思われるかもしれないが、ロシアのクリミア併合なんかは侵略同然だ。バルト海周辺国も非常にキナ臭く、エストニアでは徴兵制があり、女性も訓練への参加義務があるという。スウェーデンは、2018年に徴兵制を復活させている。彼らにとっては、脅威が日常的かつ現実的なのだ。ロシアでさえ国際世論から激しい非難を浴びても一向にひるまないのだから、中国に至っては、なにをいわれようとビクともしないかもしれない。大国によるヘゲモニー(覇権)とはそういうもので、その象徴がパワー、すなわち強大な軍事力という虚しい現実がそこにある。▲エストニアの首都タリンはおとぎの国みたい。いったことないけど<まとめとして>キリがないのでまとめることにする。・日本には4.5万の米兵が駐留しており、政府は年間経費6,700億円を負担・トランプは駐留経費の全額負担を望んでいる・トランプは同盟各国の駐留軍引き上げをほのめかしている・アメリカからの武器輸入は年間約5,000億円(2016年度)と増額中・中国の国防費は経年増加しており19年度は20兆円(日本は5兆円)・中国は南シナ海を事実上支配している・中国は台湾の統一戦略を全人代で発表した・アメリカは有事に流血してまでも日本を護るか疑問・大国による侵略は現実におこっている(ロシアのクリミア併合)・日本人にどこまで危機意識があるのか不透明▲同盟国中最多の147機導入が決定したF-35戦闘機。一機147億円なりもうすぐ平成が終わる。天皇陛下が御即位30周年の記念式典で「平成は唯一戦争のない時代」と述べられた。たしかに日本は幸いにして平和だったが、その実、地球の裏側では紛争や戦争に明け暮れていたのである。店主は、日本の民主主義を支持する一般市民なので、あえて持論を遠吠えするような愚行は控えたい。ちゃんと投票も参加して民意を主張してるし。逃げてるわけじゃないですよ。▲いよいよ平成も終わり。明治生まれの方々の気持ちになったみたいだただ、若い人たちの間で、こういうややこしい話題がなされていないように見えるのが気になる。口を開けば、仕事かゲームかTVドラマかファーストフードのことばかりだ。もちろん、バーで小難しい話をしてもつまらないし危険だというのはよくわかるのだが、日本の未来についてもっと関心を持ってほしいな、とは思う。それくらい、日本を取り巻く大国の駆け引きは、のっぴきならない状況だ、ということだ。まあ、こんなことを憂いだりするということは、それだけ店主も歳をとり、だんだん「昭和のケムたいおっさん」になりつつある、ということかもしれないが…。…あ、とっくに「ケムたいおっさん」でしたかね。それは失礼しましたね。

  • 05Mar
    • メルバトースト

      つくりおきしておくと便利な一品。メルバトーストなんということはない、バゲットのトーストで、薄切りしたバゲットをクランチーに焼き上げたものだ。冒頭の作例のように、豚肉やスモークサーモンのリエットと組み合わせたり、白カビやウオッシュ系のチーズをカナぺ風にしたり、粗みじん切りのトマトとオリーブをヴィネグレットで和えてトッピングしたり、そのままかじったり…、とまあ、ちょっとしたワインの『アテ』としてすぐにでもどうにでも使えて、さらに長期間ストックも効くという、とにかくたいへん便利で重宝するヤツなのである。…というわけで、当店でも切らさないように仕込んでいる。作り方は…「作り方」というまでもなくシンプルだ。▲TOSHIBA製ビストロオーブンで一度に焼けるのは42枚までー<メルバトーストの作り方>・バゲットを3〜4mm程度にできるだけ均等にスライスする・シルパンをしいた天板にバゲットを並べて100℃のオーブンで表面を乾燥させる(片面5分くらい?)・表面が乾いたら180℃に上げて様子を観察しながら両面が色づくまで本焼きする(片面5分くらい?)*オーブンの性能によって温度や時間はぜんぜん違うので各自試してくださいなぜ一気に高温でトーストにしないかというと、面倒でもいちど乾燥させたほうが、全体にムラなく焼き色がつくからである。一般的には、スライスしたパンを室温でしばらく放置して乾燥させるようだが、例によって店主は時間短縮に命をかけているので、乾燥にもオーブンの力を借りて手早く済ませている。天板にしく『シルパン』とは、プロ御用達のシリコン製ベーキングマットのこと。当店では通常のマットと、表面がメッシュ状に加工されたマットを、焼くものに合わせて使い分けている。メルバトーストを焼く場合はメッシュのものを使う。▲高価だが焼き上がりに差が出るシルパン。ドゥマールやマトファ製がポピュラーところで、メルバトーストの素となるパンは、本来、バゲットでなく、角食を用いるらしい。もちろん、パンなら角食でもバゲットでもなんでもいいはずなんだが、角食を3mmで均等にスライスするのはけっこう難易度が高いので、店主と同じくウデに自信のない人はバゲットに逃げよう。当店では業務用の冷凍バゲット、『ソフトフランス』を愛用している。この業務用『ソフトフランス』は、バゲットにしては気泡が少なく目が詰まっているので、トマトのブルスケッタなど、流動性のあるトッピングものせやすい。一般に売ってるのかな?よくスーパーで見かける『フランスパンモドキ』みたいのでもよいかも。ところで。メルバトーストの『メルバ』ってなんだ? ということで調べてみました。『メルバ』とは、ヴィクトリア朝後期から20世紀初頭にかけて活躍したオーストラリア人の超有名人気オペラ歌手、ネリー・メルバさん(本名:ヘレン・ポーター・ミッチェル)のお名前だということであった。▲現代でいえばマライア・キャリーかマドンナかレディガガ級有名歌手?曰く、メルバさんが体調を崩した時、投宿先のホテルのシェフ(メルバさんの大ファン)が用意した超薄切りのトーストだけを口にした、ということから、『メルバトースト』という名称が一般化したんだそうだ。そうだったんだ…。ふだん、何気なく口にしている料理用語も、こうして背景を知ることで、より「いとおしく」なるような気がするから面白い。やはり、それがたとえ日常のルーティンであったとしても、なにごとも考えながら実践することが大切、ということなんですね。はい、今回も、勉強になりました。

  • 21Feb
    • クレームダンジュ

      デセールは苦手。クレームダンジュ(Crémet d'Anjou)クレームダンジュ(正確にはクレメ・ダンジュ)は、フランス、ロワール地方、アンジュ地域の郷土料理である。製法は実にシンプル。フロマージュ・ブランとホイップした生クリーム、砂糖、レモン汁を合わせてガーゼで包んでひと晩ほど水分を抜き、フルーツまたはそのソースを添えていただく。都会的でない、質素で素朴なデザートだ。▲ロワール河中流域、アンジェ市(Angers)あたりがアンジュ地域材料の『フロマージュ・ブラン』とは、凝固した乳脂肪分をざるにあげて、水分(ホエー)を切ったもの。ナチュラルチーズ製造行程の初期にできる『カード』そのものだ。なにも手を加えていないフレッシュな味わいだから、お菓子の原料はもちろん、そんままジャムをのせたり、またはオリーブオイルと塩こしょうをふりかけて食べても、実においしい。しかし、残念ながら、『フロマージュ・ブラン』は札幌市内ではおいそれと手に入るシロモノではないので、いざクレームダンジュをつくるとなると、おのずと別の材料で代用することになる。ネット上にひしめくクレームダンジュのレシピを見る限り、みなさん『水切りヨーグルト』を代役にしていた。プレーンヨーグルトをガーゼなどでひと晩水切りして、約半分の質量にして使うようだ。抽出したホエーは捨てずに、ほかの料理に活用する方法も紹介されている。https://macaro-ni.jp/13715…が、店主はものぐさなので、ヨーグルトの水切り行程を省くために、『マスカルポーネ』と『サワークリーム』を使用している。▲雪印 北海道マスカルポーネ 114g▲タカナシ 北海道サワークリーム100g別にメーカーに選り好みはなくて、たまたますすきののイトーヨカドーで入手できるからこれらを採用しているだけ。お近くのスーパーで手に入るものでも変わりないと思います。ところで、少なくとも札幌において、サワークリームはあまり需要がないのではと思ってしまう。たまたまイトーヨカドーすすきの店では販売しているが、CGCグループの東光ストアでは取り扱いがないようだし、その他のチェーンも同様だ。札幌の一般市民は、サワークリームを愛していないに違いない。店主はこのサワークリームを重用しているので、意外と入手しづらいのには閉口する。もっとも、大手スーパーグループも出店エリアによって品揃えを積極的に調整しているから、たまたま店主の活動エリアで入手困難なだけで、あなたのご近所ではふつうに販売しているかもしれませんね。▲すすきのの交差点にどんと構えるイトーヨカドーすすきの店のビル話はそれるが、飲食店が多いすすきのという立地ゆえ、イトーヨカドーすすきの店にはそれを意識したとしか思えない食材の取り扱いがあって楽しい。その代表格が、わさびの根茎。小さなお寿司やさんやそば屋さんで、「あ、わさび仕入れるの忘れた!」となっても、イトーヨカドーまで小僧を走らせればなんとかなる。夜9時までやってるし。ほかにも、サンショの葉だとか、食用キクだとか…。まあ、いろいろあります。…で、クレームダンジュ。クレームダンジュのできばえを大きく左右するのが、添え物のソースだ。いや、ソースは添え物というよりは、これはソースのほうが主役のデザートかもしれない。店主はハスカップが大好きなので、今回はハスカップでソースをこしらえた。…というか、ハスカップの実が大量に手に入ったので、それを使いたいゆえデセールをクレームダンジュ にした、という順番が正解だ。▲アイヌの人々に『不老長寿の実』として珍重されたハスカップせっかくなので、レシピを紹介しておこう。<ハスカップソースの作り方>・ハスカップとその40〜50%量のグラニュー糖を鍋に投じて中火にかける・キルシュを好みで加える・焦がさないように火を加減しながら好みの粘度に詰める*ゆるいソースにしたいなら30分くらい火にかけたあと裏ごしして、再度火にかけて粘度を調節*ハスカップ300gでクレームダンジュ30食分以上はかるくまかなえるプリザーブドジャムのように、果実が残った状態でもオシャレと思うが、店主は今回はソースとして使いたかったので裏ごしをかけた。…とはいっても、必殺『パコジェット』の力を拝借して、本人はラクを決め込んだのだが。▲冷凍粉砕調理器『パコジェット』。開業時の補助金でつい買ってしまった…<クレームダンジュの作り方(約8〜10人分)>・マスカルポーネ114g、サワークリーム100gをボウルで混ぜ合わせる・粉糖20gを加えた生クリーム200gを6〜8分に立てて、上記と少しずつ混ぜ合わせる・さらしでロール状に2本分に分けて巻いて、網の上などに載せてひと晩水分を切る*クリームを立てるほど重たい仕上がりになる本来、クレームダンジュは一個ずつガーゼで茶巾のように包んで水分を抜くのだが、10名様コース料理のデセールとなるとそれでは効率が悪すぎるので、今回はさらしで海苔巻き状に巻いて両端を絞り、棒状になったものを温めたナイフで切って盛り付けした。まあ、このあたりはやりやすいように、ということで。…ところで。例によって、記事を書くにあたりフランス語版wikiをチェックしてみたところ、クレームダンジュのオリジナルのレシピは、「ホイップした生クリームと卵白を合わせる」とあった。え、そうだったの?さらに読み進めると、クレームダンジュのバリエーションのひとつに『クレメ・ダンジェ(Crémet d'Angers)』というものがあり、こちらがまさに、『フロマージュ・ブラン』を使用したレシピになっていた。実にまぎらわしいが、『アンジュ(Anjou)』はかつて存在したローワル地方の州の名称で、『アンジェ(Angers)』はその州都であった。つまり、どうやら、アンジュ州の伝統菓子の中でも、州都アンジェの周辺ではそれがアレンジされ、こちらが日本にスタンダードとして伝わったようだ。つまり、わたしたちがクレームダンジュをオン・メニューする場合、『クレメ・ダンジェ』と表記するのが正解、ということになる。…なんて偉そうに書いたけど、これってもしかしてジョーシキでしたか?▲アンジェの街。ロワール河中流域はこのような城壁都市が特徴だやや久しぶりに、本業をテーマに記事を書いた。ここ1年ほどはプライベートでいろいろと壁にぶち当たり続け、それを言い訳に、仕込みなどをやや手抜きでこなしてきたのは事実だ。最近はその反省も含め、ちょいちょいと小品を仕込んでは、その夜にお越しいただいたお客様にご提供したりしている。思うところもまだ多いが、初心に戻ってできることから復活していきたいと思う、急に暖かくなってきた2月の午後なのであった。

  • 06Feb
    • MacBook Pro を保護するアイテム

      柄にもなく、MacBook Pro を保護するアイテムを買った。TwoL 超薄型クリスタルハードケースAmazon ¥1,599MacBook を毎日カバンに突っ込んで店と自宅を行き来するため、コンピュータ外殻には自然と傷がつく。どちらかというと、そういうことには無頓着なほうなのだが、せっかくコンピュータを新調したばかりなので、勢いで買ってみた。それにしても、『クリスタル』とはまたずいぶんと大げさなことをいう。素材は光沢のあるポリカーボネイト製。店主が購入した『クリア』は透明度も申し分なく、表面は恥ずかしいほどぴかぴかしている。強度的にも問題なさそうだ。『クリア』以外にも、かなり豊富なカラーバリエーションが揃っているらしい。取り付けは実にかんたんで、単純にツメで固定するだけ。「超薄型」とはいえ素材の厚みは1mmほどあって、装着後はオリジナルのシャープさが多少スポイルされるが、まあ、許容範囲だろう。背面には大きめのゴム足が装備されている。オリジナルのゴム足が薄っぺらすぎて、少し歪んだテーブルの上では不安定でしっくりこなかったものが、これで解消された。これはうれしい。製品には、ディスプレイの保護フィルムが付属する。試しに貼ってみたところ、あちこちに小さな気泡が侵入し、速攻で剥がして捨ててしまった。このテの保護フィルムは、スマートフォンの画面に美しく貼るのですら困難なのに、13inもあるディスプレイに気泡なく貼るのは、相当難易度が高いと思う。店主がヘタクソなだけかもしれないが、ハナからなくてもよい付属物だ。また、同製品の¥2,099バージョンには、上記に加えてキーボードカバーが付属する。実は、店主は知らずにこちらのバージョンを購入してしまったのだが、このキーボードカバーは素材感こそよさそうだったものの、キーボードのバックライトを透過しない仕様なので、これでは使えないと思う。ご購入の際は、間違えないようにご注意ください。moshi Clearguard キーボードカバーAmazon ¥3,024極薄0.1mmのシリコンシートを採用したキーボードカバー。ネット上での評価もプライスもどっちも高い。3,000円以上とは、もはやキーボードカバーとは思えないが、MacBook Pro のキーボード脆弱問題を念頭に導入を決めた。装着方法はシンプルで、2本のライン状の細い粘着テープでキーボードに固定するだけ。見た目もよく、キーボードバックライトもちゃんと機能する。Amazonのレビューでは、「端がめくれる」「サイズがぴったり合わない」といった意見が複数見受けられたが、店主の場合は特に問題なく落ち着いている。これらの不具合は、製品の個体差だろうか??ただ、ひと月ほど使用しただけで、よく叩くキーの上が白く汚れてくる。一応、「洗浄可能」ということになっているが、ヘタに洗ってフィッティングが悪くなったらイヤなので、いまのところそのままだ。ちなみに、濡らしたティッシュで表面を拭った程度ではきれいにならない。また、これは店主のタイピングのクセに起因することかもしれないが、シリコンの摩擦により指がキーの上を滑らないため、高速タイプではいちいち引っかかってミスタイプすることが多い。白濁して結果的に見た目も悪く、なくて済むならないほうがいいアイテムだが、キーボードがぶっ壊れるのも困るので、「保険」として割り切ろうかと思っている。以上、MacBook を保護するアイテム2点をレビューした。少しでも参考になりましたでしょうか?<追記:2019年6月18日>上記2アイテム導入後、4ヶ月強が経過したので、その後をレポート。TwoL 超薄型クリスタルハードケース …のその後上部のカバーは問題なくMacBookを保護してくれているものの、下部カバーは外れやすくなり、「ぱかぱか」いうようになった。そもそも下部カバーはツメもなく、サイズのフィット感だけで固定するかんじだったので、これはまあ、構造的に当然の成り行きのような気がする。また、滑り止めのゴムが本来の場所からずれ始め、画像のように劣化。とはいえ、いずれも実用上の不具合はいまのところなく、愛用している。価格を考えれば、アリ、なんじゃないだろうか。moshi Clearguard キーボードカバー …のその後画像はありません。なぜなら…1ヶ月以上前に廃棄したからです!店主の指が不潔だからいけないのかもしれないが、導入直後のレポートでも案内したとおり、カバー表面がすぐに白濁してきて、洗ってもクリアにならなかった。なんだか見た目がすごーくわびいしくなってきたから、あっさり捨ててしまった。現在は、カバーなしで使用。キーボードが壊れないことを祈る。以上、参考になりましたでしょうか????

  • 03Feb
    • 破門

      小説ベースの映画やドラマのキャスティングに、違和感を覚えることしばしばである。店主は習慣として、毎月2〜3冊程度の文庫本を読む。補充のため、深く考えずに『Book Off』を訪問すると、どうしても好きな作家の作品ばかりを手にとってしまうので、ここ数ヶ月は主に『直木賞』の過去受賞作品にフォーカスして、年代別に手当たり次第仕入れることにしている。そんな中出会った『破門(はもん)』は、2014年・第151回直木賞受賞作品である。著者は、ミステリーとハードボイルド系作家の黒川博行(くろかわ ひろゆき)氏。同氏の著書で知名度が高いのは、もしかしたらこちらの受賞作よりも、大竹しのぶ&豊川悦司W主演で映画化された、『後妻業』(映画タイトルは『後妻業の女』)のほうかもしれない。▲大竹しのぶさんはまあまあとして、豊川悦司さんはハマリ役だと思う例によって後から知ったのだが、『破門』は『疫病神シリーズ』という一冊完結型のシリーズもので、中心人物ふたりが大阪を中心に騒動をくりひろげる、極道系ハードボイルドの一編であった。『破門』は同シリーズの5作品目でありながら、店主のように、このシリーズを初めて手にする読者にも、違和感なく入り込めるような間口の広さを持っている。著者の黒川氏は、この『疫病神シリーズ』の作品を中心にたびたび直木賞候補として最終選考まで残るものの、毎度僅差で落選。『破門』は、苦節18年、6回目のノミネートにしてようやく受賞した、入魂の作品ということだ。▲極道ものが苦手な人でもすんなり読める…と思うがどうかそれにしても、シリーズもののハードボイルドでも直木賞の対象になるんだな、というのが正直な感想だったりする。黒川氏の作品は、『破門』以外は『後妻業』しか読んだことはないが、いずれもこってこての大阪弁が貫かれていて、登場人物たちの会話のテンポがユーモラスかつ独特だ。『破門』の受賞理由も、このあたりの味付けの妙に起因したものらしい。…で、映画の話である。▲もはやジャケットからしてコメディ路線を醸し出している映画版 破門2017年1月公開主演: 佐々木蔵之介 & 横山 裕(関ジャニ♾)興行収入:5億2,600万円興行収入5億2,600万円…。まあ、そんなもんだろう。ちなみに、同年度でもっとも稼いだ邦画は『名探偵コナン』の68.9億円。実写版は小栗旬主演の『銀魂』の38.4億円だ。アニメは強い。映画版『破門』は成績こそぱっとしないものの、「大赤字」というほどでもないのでは。「映画の制作費は興行収入の3割程度」というのが採算ラインと聞いたことがあるが、この映画の制作費が1億3,000万円もかかっているとは思えない(一説によると邦画の平均制作費はおおよそ5,000万円)。ただ、配役はけっこう豪華で、人気俳優の佐々木蔵之介さんだけで2,000万円は使っているかもしれず、制作費に占めるギャラのシェアは高そうだ。脚本はそれなり原作に則していて、マカオでの海外ロケもある。…とはいえ、主役の愛車BMW740iが突入するシーンは相手が発泡スチロールの山だからリース車両を壊すこともなく、たぶん、こうした要所要所のコストカットを惜しまずに制作費を抑え、その分をキャストのギャラに充てているのかもしれない…なんて余計なかんぐりをしてしまう。▲BSスカパー!で放映されたTVドラマ版の『破門』TVドラマ版 破門2015年1月〜3月 BSスカパー!(全8話)主演: 北村一輝 & 濱田 岳今回、この記事を書くためだけに映画版とTVドラマ版のDVD計5本をTSUTAYAでレンタルし、Yシャツのアイロンがけなどの家事をこなしながらまとめて観賞した次第である。TVドラマ版の全8話のうち、『破門』を原作としているのは6〜8話で、1〜5話は同シリーズ処女作の『疫病神』が脚本のベースとなっている。それにしても、TVドラマ版の制作費はいかほどなのか想像もつかないが、これがなかなかにして面白い秀作であった。▲10数年ぶりに訪れたTSUTAYAのセルフレジの前でしばらくフリーズするという一方の映画版はというと…。うむー。この両作品は原作をともにはしてはいるが、ある意味、別のジャンルの作品と心して観た方がよいように思われる。ほかのあまたあるDVD作品がそうであるように、『破門』にも数多くのレビューが寄せられている。印象としては、それこそ「玉石混交」で、評価の良し悪しが面白いほど二分しているのが興味深い。店主としては、すでに映画やTVドラマをご覧になった方も、その印象はさておき、ぜひ原作を読んでみていただきたいと思う。それくらい、原作は優秀な作品です。▲小沢仁志主演の『破門』は同姓同名の別人でマジな任侠映画です!…で、本題の「小説ベースの映画やドラマのキャスティング」についてである。冒頭で「違和感がある」と指摘したのはいったん置いておいて、以下、『破門』に登場する主要な登場人物を、映画版とTVドラマ版で比較してみる。● 桑原保彦(主役・二蝶会組員・41歳)絵に描いたようなイケイケヤクザ。単身、抗争相手の事務所にダンプで突っ込み、6年服役して名を挙げる。少年時代から鑑別所と少年院を渡り歩く札付きのワル。顔面に抗争で負った傷があり、人相が悪い。縁なしメガネと高級スーツ、シルバーのBMW740iとオシャレには気を遣っている模様。シノギはカラオケボックスの経営。*映画版 佐々木蔵之介(京都市出身・50歳)*TVドラマ版 北村一輝(大阪市出身・49歳)● 二宮啓介(主役・建設コンサルタント・39歳)亡父は二蝶会の元幹部。単身で建設コンサルタントを名乗り、現場のトラブル収拾を生業とすることから、ヤクザの桑原と関わりをもつ。ギャンブル好きだが博才に乏しい。容姿は平凡で独身カノジョなし。いつも借金だらけで、母親にたびたび無心するヘタレ。ある日事務所に迷い込んだオカメインコを大切に飼っている。*映画版 横山 裕(関ジャニ♾・大阪市出身・37歳)*TVドラマ版 濱田 岳(東京都出身・30歳)● 渡辺悠紀(二宮の従妹・ダンスインストラクター・27歳)二宮啓介の従妹。容姿端麗で気が強い。ヘタレの啓介を心配して面倒をみる。特定の交際相手はいないようである。*映画版 北川景子(神戸市出身・32歳)*TVドラマ版 山下リオ(徳島市出身・26歳)● 嶋田(二蝶会若頭・52歳)二宮啓介の亡父の元舎弟。嶋田組組長。恩義から啓介のことを気にかけ、いろいろと世話を焼く。おだやかな性格で、突っ走る桑原のブレーキ役でもある。*映画版 國村 隼(大阪市出身・63歳)*TVドラマ版 鶴見辰吾(東京都出身・54歳)● セツオ(二蝶会組員・桑原の舎弟)桑原の舎弟。シノギは裏ビデオのダビング販売。見た目はゴロツキだが喧嘩は強くない。スタジャンとキャップがトレードマーク。*映画版 矢本悠馬(京都府出身・28歳)*TVドラマ版 牧田哲也(愛知県出身・34歳)● 木下(ケン)(二蝶会組員・嶋田のガード)「本家の部屋住み」も務めた将来の幹部候補。全身に龍虎の彫り物がある。印象はおだやかだが、手を出すと「やりすぎる(373P)」。モデルガンが趣味。*映画版 濵田崇裕(ジャニーズWEST・兵庫県出身・30歳)*TVドラマ版 佐野和真(神奈川県出身・29歳)…とまあ、こんなかんじである。これ以降は、当ブログ責任者の主観による感想になるから、特定の役者さんのファンであるとか、なんだかんだツッコミを入れるのが趣味の方は、ここからでも遅くないので、どうぞ退去してください。小説『破門』の語り部は、カタギの建設コンサルタント・二宮啓介ということになっているが、事実上、作家がもっとも描きたいのは、極道の桑原保彦であることはまず間違いあるまい。桑原は、いわゆるイケイケヤクザである。桑原が「前を歩くと、ひとが避けて通る(432P)」というくらい見た目の威圧感があり、暴力的で、やたらと喧嘩が強く、博才もあって、さらに金目の案件について勘所が鋭く、頭が切れるという設定だ。「怖いものはなにもなく、いったん金の匂いを嗅ぎつけたら、なにがあろうと食らいついて離さない(96P)」。いつも仕立てのよいスーツを着て、髪はぴっちりとしたオールバック、縁なし眼鏡をかけ、スモークガラスに覆われたシルバーのBMW740iを転がす。▲BMW740i(E65)。鬼才クリス・バングルの特異なデザインが世間を騒がせたこの設定で佐々木蔵之介かー。うーん。なんかぜんぜん違うような。どう凄んでもインテリヤクザにしかみえないような。蔵之介さんが、役幅の広い素晴らしい役者さんであることは疑う余地なしなんだが、やっぱりイケイケの桑原保彦にはふさわしくないような。一方、TVドラマ版の北村一輝さんは、蔵之介さんよりは雰囲気が出ているんだが、やはり、ちょっとスマートでかっこ良すぎるというのが事前の印象であった。では、店主が『破門』を読み進めつつ想像で描いていた『桑原像』はというと…竹内力さん…でしたwww! わかりやすい?しかし、竹内力さんも、もう55歳なんだなー。桑原保彦が41歳の設定だから、見た目的にもちょっと無理があるか…。なんていってるうちに、実は、TVドラマ版を全編最後まで観賞して、北村一輝さんのセリフ回しがなかなか作品にマッチしているということに気づく。北村一輝さんは大阪出身。いわゆるネイティブ大阪弁スピーカーで、脚本に自然に溶け込んでいるような、一種の調和があるのだ。というわけで、「北村一輝さんはもしかしてハマり役?」なんて考え直したりもしている。▲北村一輝さんは見た目がスマートでかっこ良すぎるが、セリフはハマっている一方、もうひとりの主役、二宮啓介役はどうか。二宮啓介のキャラクター設定は「ヘタレ」である。39歳、独身カノジョなし、平凡な容姿、喧嘩は苦手、負けは混むが博打好き、借金持ち、飲むと酩酊する…という、およそ「いいところのない男」だが、弁が立つのが取り柄だ。▲二宮啓介の愛車は、真紅のアルファ・ロメオ156で意外と意識高いこの「ヘタレ感」の頃合いが難しい。桑原とのキャラの対比も重要だ。「大阪弁使い」という観点で査定すれば大阪市出身の横山くんが適役といえるが、演技力では濱田岳のほうがはるかに上で、これはまったく勝負になっていない(脚本と尺の違いは考慮せずに)。…が、両者ともなにかしら「もの足りなさ」を感じてしまう。『破門』の受賞理由のひとつが「桑原と二宮の大阪弁による掛け合い」にあるとすれば、そのあたりにフォーカスしたキャスティングのほうが面白い作品に仕上がるのではないだろうか。▲二宮啓介は吉本の若手芸人さんを起用してもいいのではないか?…というわけで、せっかくだから、店主なりに『破門』のキャスティングをしてみることにした。できあがった作品にちゃちゃを入れるのはカンタンだし、第一、そんなに俳優さんに詳しいわけでもないから、結果がアバウトなのは承知の上である。桑原保彦 = 北村一輝(大阪市出身・49歳)やはり、ネイティブ大阪弁を操れるのが決定的だ。この際、あまり極道っぽすぎると、ほんとにヤクザ系Vシネマになっちゃいそうなので、このくらいのキャラ濃度が適役なのかもしれない。二宮啓介 = 川西賢志郎(和牛・大阪府出身・35歳)店主はほとんどTVのお笑いものを観ないので、この方がどんなキャラなのか知らないが、Googleで画像検索してもっともイメージが合ったのが川西さんだった。売れっ子芸人みたいだから演技も問題ないんじゃないか、ということで。渡辺悠紀 = 中条あやみ(大阪市出身・21歳)この方も存じ上げないのだが、同じくGoogle画像検索のイメージでピックアップした。悠紀は「男がみんなふりかえる(38P)」くらいの美形だが、北川景子さんはキツすぎるし、山下リオさんはロリコン趣味だ。嶋田 = 國村 隼(大阪市出身・63歳)もう、これ以上の適役はいまい。TVドラマ版の鶴見辰吾さんも決して悪いわけでなはいが、やっぱり、國村さんくらいの「静かな迫力」がほしいところだ。セツオ = 矢本悠馬(京都府出身・28歳)矢本悠馬さんのセツオ役は、実に自然だった。京都ご出身の方ということで、リアルな方言はどうなのか実際のところは不明だが、少なくとも牧田哲也さんじゃ、かっこ良すぎるのである。木下 = 市原隼人(川崎市出身・31歳) 原作でもなかなか気になる存在の木下。残念ながら、映画版、TVドラマ版ともイメージはまったく違う(映画はまだマシ)。市原さんは神奈川ご出身ということで大阪弁がどうなるか気になるが、そもそもあまりセリフがないので大丈夫だろう。…いかがでしょう?原作が直木賞を受賞した話題作というだけあって、映画版、TVドラマ版を鑑賞した方の多くが原作も読んでいるのではないかと思われ、店主と同様、キャスティングに違和感をおぼえた方も多数いらっしゃるのではないだろうか。…とはいえ、実際はギャラの制約、タレント事務所とのお付き合い、出資者の意向などなど、役者さんの適不適以外のさまざまな事情を乗り越えて最終的にキャストが決定されているわけだから、それも踏まえて好意的に鑑賞するのが大人というものである。▲視聴率がよかったのか、2016年2月には同シリーズの別編がTVドラマ化されたなんだかんだと、また長々とくだらない話題を書き綴ってしまった。こういうまったく建設的でない作業は、つい楽しくなってしまっていけない。…というわけで、また次回、好みの原作と出会えたら、実写版についてあれこれ「ちゃちゃ」を入れてみたいと思う。

  • 23Jan
    • シングルバックハンド復興の兆し?

      店主が、父からテニスの手ほどきを受けた1970年代、ラケットは木製が主流だった。当時『トップスピン』という言葉はまだ一般的でなく(ドライブといっていた)、フォームも現在と比べるとずっとおとなしかったものである。特にバックハンドについては『片手打ち』がスタンダードだった。プロの世界でも、男女ともに『両手打ち』のプレイヤーは少数派だったといえる。▲『アイスドール』と呼ばれたクリス・エヴァート。ジミー・コナーズと付き合ってたが破局その後、時代の変遷とともにテニスのプレイスタイルは大きく変化する。ラケットの素材の進化にあわせてパワーテニスが台頭し、いつの間にかバックハンドは『両手打ち』が当たり前になっていった。テニスのバックハンドは筋肉の使い方が特殊で、フォアハンドと違いスイングに力が入りにくい。プロのプレイヤーになると、ラリーのボールスピードは軽く100km/hを超える。もちろん、スイングスピードも速い。仮に、100km/hで飛来した約60gのボールを、同じスピードのスイングで打ち返した場合、相対速度は200km/hとなり、瞬間的にラケットにかかる荷重は、計算上2.4t にもなる(単純計算です)。この荷重を制してバックハンドで力強いボールを打つには、『両手打ち』が必須というわけだ。▲1970年代は女子もシングルバックハンドが一般的だった(ナヴラチロワ)いまどきは、トーナメントをTV観戦していても、女子はもちろん、男子においてもシングルバックハンド・プレイヤーを見つける方が困難だ。しかしここにきて、男子の若手プレイヤーの間で、静かにシングルバックハンドが復興してきているような気がする。…気のせいか、あるいはたまたま的偶然かもしれないが、興味深いので、この際だから記事にまとめてみることにする。▲少数派片手バックの現役女子トッププレイヤー、ナヴァロは現時点でWTA23位サンプルは、ATP(男子プロテニス協会)シーズン終了時点のトップテン。1980年から10年ごとに、1990年、2000年、2010年、そして最新ランキングを収集。このうち、どれくらいのシェアを『シングルバックハンド』が占めているのかを考察してみる。「そんな時間があったら仕込みに精出せよ」という自分ツッコミは、この際無視だ。まずは、テニス現代化の幕開けとなった1980年。トップテンランキングは、以下のとおりである(★はシングルバックハンド・プレイヤー)。1. ビョルン・ボルグ(スウェーデン)2. ジョン・マッケンロー(アメリカ) ★3. ジミー・コナーズ(アメリカ)4. ギレルモ・ヴィラス(アルゼンチン) ★5. ジーン・メイヤー(アメリカ)6. イワン・レンドル(チェコスロヴァキア) ★7. ハロルド・ソロモン(アメリカ)8. ホセ・ルイス・クラーク(アルゼンチン) ★9. ヴィタス・ゲルレイティス(アメリカ) ★10. エリオット・テルシャー(アメリカ) ★な…懐かしい…。1980年当時においても、ラケットはほぼ木製で占められている。そんな中、ジミー・コナーズが使用していたWILSON T2000はスチール製で、あの時代、新素材ラケットを操るトップランカーは彼だけだったのではなかろうか。店主も子供の頃、このT2000を買い与えられたが、重いわ球離れは早いわやたらと飛ぶわで制御が難しく、すぐに手慣れた木製ラケットに戻したものである。▲新素材ラケットの「ハシリ」となったT2000。Amazon中古で3万円以上!…で、こうしてみると、1980年のトップテンのうち6名がシングルバックハンド・プレイヤーである。ただ、王者・ボルグは強力なダブルバックハンドでめっぽう強かったこともあり、後進たちに大きな影響を与えたものと思われる。このあたりから、ダブルバックハンド・プレイヤーは漸次増加していく。ちなみに、5位にランクインしているジーン・メイヤーは、フォア、バックとも両手打ちという、かなりユニークな選手だった。…では、それから10年後はどんなことになっただろうか。1990年シーズン終了時のランキングを見てみよう。1. ステファン・エドバーグ(スウェーデン)★2. ボリス・ベッカー(ドイツ)★3. イワン・レンドル(チェコスロヴァキア)★4. アンドレ・アガシ(アメリカ)5. ピート・サンプラス(アメリカ)★6. アンドレ・ゴメス(エクアドル)★7. トーマス・ムスター(オーストリア)★8. エミリオ・サンチェス(スペイン)★9. ゴラン・イヴァニセヴィッチ(ユーゴスラヴィア)10. ブラッド・ギルバート(アメリカ)★…あれれれ??シングルバックハンド比率が80年より上昇して8割になっちゃったよ??気分的には、すでにダブルバックハンドがマジョリティを得てるはずだったんだが…。そにしても、1980年には10人中6人がアメリカ人だったのに、10年後には半減。逆にヨーロッパ勢が強くなってきたのがわかる。それともアメリカが弱くなったのか。この面々の中で思い出深いのは、やはりエドバーグだ。テニスが美しい。レンドルが登場したあたりから、男子テニスはパワーが重視されるようになる中、流れるようなサーヴ&ヴォレーで魅了してくれた。エドバーグはその後フェデラーのコーチを務め、彼のプレイスタイルにも影響を与える。…気を取り直して、さらに10年分時計の針を進め、2000年シーズン終了時のランキングを見てみる。1. グスタボ・クエルテン(ブラジル)★2. マラト・サフィン(ロシア)3. ピート・サンプラス(アメリカ)★4. マグナス・ノーマン(スウェーデン)★5. エフゲニー・カフェルニコフ(ロシア)6. アンドレ・アガシ(アメリカ)7. レイトン・ヒューイット(オーストラリア)8. アレックス・コレチャ(スペイン)★9. トーマス・エンクヴィスト(スウェーデン)10. ティム・ヘンマン(イギリス)★おっと。ようやくシングルバックハンドが半数に減ったぞ。あらためてランキングを見てみると、もう記憶にない選手もいる。店主はすでに北海道に移住しており、2000年はちょうど子供が生まれた年だ。会社でも立場が上がり忙しく、生活に追われてテニスにマインドシェアがさけなかったのだろう。90年代のトピックとしては、ロシア勢が強くなってきたことか。ソビエト崩壊、バブル崩壊などなど、なにかと崩壊する激動の時代である。それでは、さらに10年後の2010年にはどうなっているかというと…1. ラファエル・ナダル(スペイン)2. ロジャー・フェデラー(スイス)★3. ノヴァク・ジョコビッチ(セルビア)4. アンディ・マレー(イギリス)5. ロビン・セーデリング(スウェーデン)6. トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)7. ダヴィド・フェレール(スペイン)8. アンディ・ロディック(アメリカ)9. フェルナンド・ヴェルダスコ(スペイン)10. ミハイル・ユーズニー(ロシア)★…そうそう。そういうことですよ。シングルバックハンドはわずか2名。アメリカ人もたったひとり。それにしても、この時点ですでに『四強』が形成されていたのだなあ。彼らは前後10年間以上にわたって首位の座を争ってるんだから、これはすごいことだ(マレーは2019年シーズンをもって引退を表明)。…で、ようやく最新の(2018年末)ランキングに到達。1. ノヴァク・ジョコビッチ(セルビア)2. ロジャー・フェデラー(スイス)★3. ラファエル・ナダル(スペイン)4. アレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)5. ファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)6. ケビン・アンダーソン(南アフリカ)7. マリン・チリッチ(クロアチア)8. ドミニク・ティーム(オーストリア)★9. 錦織圭(日本)10. ジョン・イズナー(アメリカ)…これが、現代テニスにおけるトッププレイヤーの、バックハンドのトレンドである。つまり、大多数がダブルバックハンド・プレイヤーである、ということだ。▲4位のズべレフはまだ21歳。少なくともあと10年はトップ争いに絡めるもちろん、このたびの即席調査は、ランキングを10年単位で大雑把に切っているだけだから、紹介していない年度にトップテン入りしているシングルバックハンド・プレイヤーも多数存在する。スタン・ワウリンカ(スイス)しかり、リシャール・ガスケ(フランス)しかり、ダヴィド・ゴファン(ベルギー)しかり…であるが、少なくともここ10年は、トップテン内に半数以上のシングルバックハンド・プレイヤーがランクインすることはなかったはずだ。念のため、調べてみる。2017年:5名2016年:1名2015年:3名2014年:2名2013年:3名2012年:2名2011年:2名…あれれれ? 2017年に、5名もシングルバックハンドのトップテンプレイヤーがいた!?ちなみに、その5人とは、フェデラー、ディミトロフ、ティーム、ゴファン、ワウリンカである。…まあ、たまにそういう年もありますよ。2017年シーズンは、ジョコビッチ、マレー、錦織らダブルバックハンドのトッププレイヤーが故障でランク落ちしていたのも大きいと思われる。▲ワウリンカも33歳かー。熱いプレーは健在だが最近故障が多いさて。ここまで調べてきたとおり、現在の男子プロテニス界では、バックハンドは『両手』というのが一般的である。ただ、最近、若手のシングルバックハンド・プレイヤーが活躍しているのを見るにつけ「これは、なんか片手打ちが復興してきてるんじゃないか」と感じることしばしばだったのである。そこで、検証してみることにする。『若手』といえば、やはり注目株は『NEXT GEN(ネクスト・ジェン)』だ。▲NEXT GEN ATP FINALS 2018。小さく見える黒人のティアフォーが188cm。スケール感狂うなあ『NEXT GEN』とは、21歳以下の男子プレイヤーで、ATPランキング上位7名プラス大会主催者推薦のワイルドカード1名の総当たりで争う、いわゆる若手年間王者決定戦みたいなもので、2017年に新設された。この大会に選ばれた若者こそ、次世代の男子プロテニス界を牽引する使命を担っているわけだ。つまり、この8名のプレイヤーの中にシングルバックハンドがどれだけいるかで、シングルバックハンド復興の状態がわかる、という寸法だ。…で、2018年の『NEXT GEN』はどうだったかというと…なんと、ステファノス・チチパス(ギリシャ)ただひとりでした…。▲ステファノス・チチパス。1998年生まれの20歳。コート外ではけっこう美男子…というわけで、なんとなく「シングルバックハンドが復興してんじゃないか?」なんて感覚的な発想から実態を調べてみたら、実はぜんぜんダブルバックハンドのほうが優勢で、これは今後も続いていくトレンドなんだろうな、という結果になった。仮説を立てたはいいが、調べながら記事を書くからこういうオチのつかないことになる。我ながら、行き当たりばったりで情けない。店主のテニスキャリアはもう45年くらいになるのだが、ぜんぜん真面目に向き合ってこなかったから、無駄に長いキャリアのわりには、実力的にはアヴェレージ以下のプレイヤーである。バックハンドについては、高校時代までは筋力不足からダブルハンドだったものの、大人になってからシングルにスイッチしたクチだ。なんでスイッチしたのか記憶にないが、たぶん、「そっちのほうがかっこいい」と思ったんだろう。▲カナダのデニス・シャポバロフはまだ19歳。今後が楽しみなシングルバックハンド・プレイヤー…さて。オチが宙ぶらりんなのはしょうがないとして、こうしてあらためてテニス史を振り返ってみると、同一種目であっても、時代の流れによってそのスタイルは随分と変化しているものなんだな、と再認識する。フィジカルが科学され、プレイヤーの肉体的なレベルが向上したこともあるが、なにより一番大きいのは、ラケット素材の飛躍的な進化だろう。かつて、200km/hを超えるサービスを打てるのは、ごく限られた『ビッグ・サーバー』だけだったが、いまや200km/h超えは当たり前。ストロークで150km/hを超えるボールを打ち出すプレイヤーまで存在する。今後、より進化した素材が開発され、テニスはさらにスピードを増していくのかもしれない。▲われらが錦織くんももう29歳。NEXT GENの足音が怖くなってくるお年頃だなんだか、こうしてテニスについて思いつきで記事を書いていて、なんとなく自身で面白くなってきた。次回はラケットの進化にスポットを当ててみようかしらん。睡眠時間を削ってまで取り組むようなことではないけれど、まあ、これもウンチクの蓄積と作文の練習の一環ということで…。

  • 14Jan
    • HONDA SHUTTLE その後 <2年経過>

      HONDA SHUTTLE Hybrid Z 4WD が、2016年10月末の納車より2年ちょい経過したので、その後のようすをまとめてみる。HONDA SHUTTLE その後 <2年経過>初回の記事 ⇒https://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12227409086.html2回目の記事 ⇒https://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12250227315.html3回目の記事 ⇒https://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12337546250.htmlシャトルでキャンプ ⇒https://ameblo.jp/bistro-tati/entry-12381725939.html<気に入っている点>特に目新しい発見はなし<気になる点>これまでに加え…・空調フィルターの交換時期がきた・冬場は燃費が落ちる・ドライバー側のウィンドウを上げ下げ時に「ごごご」と音が出るときがある・後席から「かたかた」と音が出る・波状路を走るとスカットル全体からビビり音がする・同じ色のシャトルと並ぶと気恥ずかしい<空調フィルター交換>ディーラーの点検プログラムにのっとり、まる2年経過したところで定期点検を受けたところ、空調フィルターの交換を勧められた。▲交換した空調フィルター。たしかに汚れているフィルターは、おおよそ15,000kmを目安に交換時期がくるという。GD-4 FIT には空調フィルターなんてものはなかった。いまどきのクルマは、こういうところにもコストがかかるようにできているようだ。部品代は900円そこそこのクセに、工賃が5,000円近いというアンバランス。調べてみると、フィルターのカートリッジはどうやらグローブボックスの奥にあって、わりと簡単に交換できそうな雰囲気なので、次回はDIYしてみようかと思う。<冬季の燃費悪化について>燃費は12km/L台と低迷(ハイシーズンは約18km/L)。もっとも、冬場はほとんど遠乗りしない上、四輪駆動になる路面状況も多く、さらにヒーターを多用するので、これは必然的な結果ともいえる。また、厳寒期はバッテリーのロスが多いようで、動力をエンジンに依存する時間が長く感じられることも影響しているだろう。バッテリーとモーターだけで走るEV車は、北海道の厳寒期でもパフォーマンスを維持できるのだろうか?▲2017年のフランクフルトショーでお披露目されたホンダの『アーバンEVコンセプト』<異音について>パワーウィンドウの「ごごご」はなんだろう?連続して発生したと思ったら、翌日からは何事もなかったかのように正常だ。意味不明なので、しばらく放置。後席の「かたかた」は、たぶん、左側背もたれの固定フックあたりから出ているものと思われる。これも再現が微妙で、気になるのは、経験上クルマの異音に対して神経過敏だからかもしれない。スカットルのビビリ音については…、これはまあ、このクラスのクルマでは「致し方なし」というところだろうか。北海道の冬は、凍結路面が解けたり固まったりを繰り返して、ひどい波状路状態になる場合が多い。もちろんメーカーもあるていどは対策しているはずだが、キャパオーバーか。これがベントレーだったらディーラーにクレームするところだが…。▲ベントレーコンチネンタルクーペ。これ1台でSHUTTLEが軽く10台以上買えるぞ!さらに、以前から右ドアミラー格納時に「ばきっ!」と鳴るという件があるが、これも常時発生しているものではない。冬場、ミラーの可動部に氷が詰まると「ばきっ!」とくるようだ。いずれにせよ、再現があったりなかったりという不安定さが悩ましい。一応、保証期間があと1年あるので、その間に再発したらディーラーに対策を依頼しよう。<使いづらいセンターコンソールのドリンクホルダー>しょーもなく深すぎて、やたら使いづらいセンターコンソールのドリンクホルダーは、2017年秋のモデルから改良が施され、深さを調整できるようになったらしい。これは悔しい。ディーラーに問い合わせたところ、純正部品は3,500円。ただし、交換工賃が7,500円もすることがわかった。あほらし。『みんから』で、交換をDIYした方のレポートを読んだところ、センターコンソールをまるごと外して裏側のビスを緩めるとある。ツメではめ込んだだけじゃないんだ…。DIYはあきらめよう。みんから『りくお』さんのページ ⇒ https://minkara.carview.co.jp/userid/2549666/car/2176945/4463844/note.aspx▲改良されたドリンクホルダー。最初からこうしろよ<ハイブリッド車のメリットを再考>ところで、このところガソリン価格が高止まりである。シャトルを購入した2016年10月時点の、北海道におけるレギュラーガソリン平均価格は、およそ120円前後であった。この記事を書いている2018年12月現在は、同140円強だ。16%も値上がりしている。先日、OPECが減産維持を決定したので、しばらくはこのトレンドが続くと思われる。▲OPECのロゴがやたらとレトロチックだったという件こういう世相を背景にすると、初回の記事で論じた「ガソリン車とハイブリッド車の経済的比較」も、状況がちょっと変わってくる。・年間走行1万km・ハイブリッドの燃費効果+50%・ハイブリッド車による価格増+23万円…という条件設定として、ガソリン車とハイブリッド車の価格差を相殺するための期間は、2016年時点では5.75年を要するシミュレーションであったが、当世のガソリン価格で再計算すると、4.89年にまで短縮されることになる。こうなってくると、多くのユーザーが、ハイブリッドのメリットを享受できるようになるかもしれない。<同じ色のシャトルが並ぶと気恥ずかしい>これはまあ、どんなクルマに乗っていてもありうることで、いわゆる「カブる」という状況だ。商用と異なり、自家用車は趣味性も重視されるので、メーカーはターゲットに刺さるクルマづくりをしてくる。つまり、同じ車種を選択するユーザーは、おのずと「似た者同士」になる確率が高いのだ。横に並んだSHUTTLEのオーナーさんを「ちらみ」すると、たいてい中高年。若者が運転しているのをみたことがない。しかも、男性が圧倒的に多い。その現象じたい、別になにがイケナイということではないんだが、「ああ自分もメーカーのマーケティングに絡め取られているなあ」と感じて、なんとなく気恥ずかしいという件だ。それだけだ。▲某所でキャンプした際、参加者のおひとりがまったく同じSHUTTLEだった……というわけで、SHUTTLE購入から2年が経過したということで、記事にしてみた。ハナから長く乗るつもりで導入しており、今後も、よっぽどのことがないかぎり耐用年数近くまでは愛用するつもりである。今年の10月には初の車検を迎える。これから5年、10年と経過していく過程を、また折をみてちょいちょい記事にしていきたいと思っている。

  • 11Jan
    • <店ではできない話> 入れ墨

      またまたきわどい話題である。店主は風呂好きで、自宅の風呂に入らずに公衆浴場を利用することが多い。たいていの施設には、入り口や脱衣所などに「入れ墨・タトゥお断り」の注意書きが張られていて、これにはいかほどの効果があるのだろうかと、常日頃疑問に思っていたところである。実際、たまに、ばっちりタトゥでキメた兄さんが堂々と洗い場で泡だらけになっているのを見かけたりする。地方の温泉で、親子三代の紋紋ヤクザ一家と湯船につかったこともある。一方で、いつだったか、自宅近所の『極楽湯』で服を脱いだ兄さんがタトゥーもちで、誰が通報したものかスタッフのおばちゃんがすっ飛んできて退去を促していたこともあった。そんなこんなで、「これはたぶん、なにかしらのゆるい法律または条例のようなものがあるんだな」と、なんとなく理解していたわけなのだが、数日前、お気に入りの小金湯温泉『まつの湯』に赴いた際、丸坊主の兄さんがかなりゴージャスなタトゥではばかることなく入浴しているのに遭遇し、「実際のところ、わが国では入れ墨やタトゥもちの公衆浴場利用はほんとうに禁止なのか?」と思うに至り、さっそく調べてみた次第である。▲太ももの内側にバラのタトゥを入れているお姉さんを知ってます…で、結論からいえば、入れ墨やタトゥをともなって公衆浴場で入浴する行為じたいに違法性はないようだ。違法性を問うとすれば、『公衆浴場法』第四条と第五条が持ち出されそうだ。第四条:「営業者は伝染性の疾病にかかつている者と認められる者に対しては、その入浴を拒まなければならない。但し、省令の定めるところにより、療養のために利用される公衆浴場で、都道府県知事の許可を受けたものについては、この限りでない」(昭六二法九八・一部改正)第五条:「入浴者は、公衆浴場において、浴そう内を著しく不潔にし、その他公衆衛生に害を及ぼす虞のある行為をしてはならない」…にしても、『公衆浴場法』ってwww。当法律は昭和23年7月12日公布ということで、当時はまだ衛生環境がよろしくなく、皮膚に感染症を抱えた人が多かったことから、この法律の必然性があったんだろうな、たぶん。また、公衆浴場における入れ墨・タトゥの可否については、国会でも質問されていることがわかった。『入れ墨がある人の公衆浴場での入浴に関する質問主意書』(平成29年2月13日 民進党・無所属クラブ 初鹿明博氏の質問)これに対する政府の答弁は「入れ墨があることのみをもって、対象者がり患者に該当し、又は当該入浴が当該行為に該当すると解することは困難である」としており、入れ墨での入浴に違法性はないとしている。▲適当な画像を探していたら鳩山さんでてきた。おさわがせ度歴代ナンバーワン!それでは、なぜ、多くの公衆浴場で「入れ墨・タトゥお断り」なのだろうか。違法ではないという前提で考えると、答えはおそらく、利用者のマナー喚起というよりは施設の暴力団対策ということになるのだろう。紋紋の入れ墨を禁止して、タトゥはOKにすると境界線があいまいになるから、ひとからげに「彫り物禁止」としているに違いないとみた。実際のところ、日本人の入れ墨に対する嫌悪感は、国際的にみても強い。世界中の多くの民族は、宗教や儀礼として日常的にカラダに彫り物を施しており、なかばそれが習慣化して現代に受け継がれている。日本でも、縄文から弥生時代にかけては、入れ墨が社会的な位置付けを示すシンボルとして使われていたようだ。▲こういう人、実際にいそうだ同じ日本でも独自の文化をもつアイヌ民族は、和人に影響されるまでは入れ墨を広く生活に取り入れていた。特に女性は幼少時から顔面に彫り物を施すのが慣例で、神を象徴する神聖なものであったというが、江戸幕府や明治政府から禁令が出て、やがて衰退してしまう。他人のヤサに勝手に上がり込んで自らの価値観を押し付けるという傍若無人な行いは、洋の東西を問わず歴史に暗い影を落とす 。▲幼児が顔面に入れ墨とは相当痛そうだが…日本でなぜ入れ墨が「ある特殊な人たちの文化」になっていったのか、ちょいと調べたくらいでは確証のある答えは見出せなかったが、wikiによると、『日本書紀』には「罪人に対して懲罰として入れ墨を施した」旨の記述があり、少なくとも奈良時代以降の日本においては、入れ墨は罪人を識別するためのシンボルとなっていったようだ。江戸時代に入ると、粋文化の開花とともに入れ墨は装飾的意味合いを持つようになる。幕府はなんども禁令を発布したようだが効果はうすく、入れ墨は威勢のいい「いなせな人たち」の間で広まっていった。これが、ヤクザさんたちの彫り物のルーツだ。ところが、明治に入ると、新政府は懲罰目的を含め、入れ墨そのものを完全に禁止してしまう。そして、それは1948年の法改正まで続いたのだ。…つまり、日本人の意識には「入れ墨はよくないことである」という既成概念が、奈良時代から脈々と彫り込まれてきたに違いない。▲5300年前のミイラ『アイスマン』は身体中に入れ墨が彫られてたってね先ほど、「入れ墨での公衆浴場入浴に違法性はない」と紹介したが、実際のところは、有罪判決が出た例もあるようだ。「2010年1月、入れ墨お断りの看板を無視して入浴施設に入ったとして建造物侵入罪に問われた裁判で、被告に懲役7ヶ月の実刑判決(求刑・懲役1年)が言い渡された」(wikiより)実刑とはこれまたずいぶんと大げさなことになってしまったものだが、利用者と施設側で感情的にモメてしまったんだろうか。もっとも、被告は山口組系暴力団の組長だったようなので、これは単に入れ墨だけの問題ではないような気もするが…。ぜんぜん別のケースだが、「飲食店で長時間の勉強は違法か」という記事があった。これによると、民事上は「張り紙だけでなく口頭で趣旨を事前通達して利用者の同意を得ることが必要」とされているようだ。公衆浴場の「入れ墨・タトゥお断り」の張り紙も、解釈としてはこれと同じように思えなくもない。世の中、複雑である。参照:「長時間の在席お断り」「勉強お断り」の店に”長居”する行為、法的問題は?▲タイソンの顔面タトゥ。こうしてみみると、意外とファニー?店主は、はっきりいって入れ墨やタトゥにはなんの感情もない。もちろん、自分のカラダに施すつもりも予定もない。だから、風呂場に紋紋がいようがタトゥ兄さんがいようが、入れ墨があるというだけで嫌悪を覚えることもない。それよりも、入浴マナーを守らない高齢者のほうがよっぽとタチが悪い。日本も遅ればせながら観光立国としてインバウンドが増え、さらに来年は東京オリンピックも控えている。外国人旅行者の中にはタトゥもちも多数いるわけで、今後、日本の公衆浴場はどのような対策を講じていくのだろうか。なかなか興味深い事案なので、引き続きじっくりウオッチしていきたいものだ。

  • 06Jan
    • MacBook Pro 13in 2018

      新年早々、約8年ぶりにコンピュータを買い替えた。MacBook Pro 13in 20182011年3月、店の開業と同時期に導入したMacBook Air 2010 モデル。毎日かばんに突っ込んで店と自宅とを行き来し、ここ数年は昼も含めてたいていの仕事をこれ一台でカバーしてきた働き者であったが、昨年はじめあたりからたまに不安定な挙動をみせはじめ、「8歳にしてそろそろお迎えがきたか」と覚悟を決めていた。まだまだ使えそうな気がするが、こればかりはぶっこわれてからでは遅いのだ。では、いつ買い替えるか。それを決めかねているうち、2018年10月にMacBook Air が3年ぶりに刷新されて新世代モデルとして登場し、さらには『PayPay100億あげちゃう』キャンペーンが巷間を賑わせるに至り、まさに、気分的には「これぞ買い時」となったのである。ところが、ボヤボヤしているうちに『PayPayキャンペーン』が瞬殺終了してしまい、買う気満々だったはずがどうにもハシゴを外されて、気持ちが宙ぶらりんになっていたものだ。▲絶大な広告効果があったと思われるPayPayの『100億あげちゃうキャンペーン』そんなこんなで、年末の多忙もありいったんは機種入れ替え問題を失念していたところ、ほっとひと息ついた新年早々の1月2日、当日のみ限定でAppleが仕掛けた『初売りキャンペーン』にまんまとハマって、MacBook を新調してしまったという顛末である。我ながらあおりに弱い。▲知らなかったが、どうやら毎年恒例らしいAppleの初売りキャンペーン一度は萎えた気持ちであったが、Airの新型も出たばかりだし、キャンペーンでAppleギフトが24,000円分還元になるし、これはまあ、「買うんだ!」と背中を押されているということだなと理解して、Apple公式サイトでカートに入れようと勇んでキーを叩いたところ、ここにきてMacBook Air 2018 と、MacBook Pro 2017(現行機種) の価格差がわずか8,000円しかないことを知ってアセった。重量はAirのほうが100g強軽いとはいえ、両機の大きさはほぼ変わらず、性能はあきらかにProに軍配が上がる。はたして、最新のAirに固執する必要があるのだろうか…?これは、困った。困ったぞ!▲2018年10月登場のMacBook Air 2018。実はProのほうがわずかに薄いというこういうときは、ネットで情報収集である。便利な時代になったものよ。さっくり検索すると、出てくる出てくる。「AirかProか」について専門家やら同様の迷いを経験した先輩諸兄やらの記事で溢れていた。それくらい、悩ましい選択肢ということなんだろう。…で、調べれば調べるほどわかったことは、最新Airと現行Proとのメリットの差が「価格とシンクロしていないのでは?」…ということだった。ストレージを256GBに設定すると、Airとはいえ価格は169,800円(税込)もする。これ、なんか中途半端に高くないか?そう理解してしまうと、この先また同じコンピュータを7〜8年使う前提として、ここはもうちょっと出資してひとクラス上のラップトップを狙うほうが得策ではなかろうかと思うに至り、結果的にはMacBook Pro の導入が実利的と納得した。…と、納得したはよいが、それはそれで悩ましいのが、比較的廉価な2017モデルにするか、最新機能を備えた2018モデルにするかの選択である。いまさらだがProの2017と2018モデルの機能的な違いとまとめると(シンプルに)…・CPUの世代が違う・Touch Bar + Touch ID のあるなし・キーボードの世代が違う・ディスプレイの仕様がじゃっかん違う…くらいなものである。▲MacBook Pro 2017 モデル。ファンクションキー列は通常の物理キーPro 2017モデルと2018モデルとの価格差は36,720円だ(ストレージ256GBとして)。CPUの世代が違うということは性能にもそれなりに違いがあるわけだが、グラフィックの仕事をするにもAir 2010モデルでなんとかごまかしてきた身としては、Proだというだけで十分進化しているわけで、これは自分のワークにとってはあまり大きな差にはならないとみた。…そんなわけで、ちょっと型は古いが2017モデルでも十分と判断し、これで決定といったんは腹を決めたわけなのだが……、ここで気になる問題を発見した。MacBook Pro 特有の、キーボード不良問題である。▲集団訴訟にまで発展しながら、いまだに自らの非を認めない意固地なAppleProの購入を検討されている方は自己責任で記事を検索していただきたいのだが、Pro 2016モデルから採用された新機軸のキーボードに不具合が多発し、ことはユーザーによる集団訴訟にまで発展したらしい。結果的には、Appleが対象機種の無償修理プログラムを発動し、事態を収拾に導いたとされている。▲Apple公式サイトにも掲載されているキーボード修理プログラムこの問題には、Apple社の「狡(こす)い疑惑」がつきまとう。Pro2018モデルは7月に「突如」発売されたようだが、そもそも、Appleは2018年にProをモデルチェンジするつもりはなかったという説があるらしい。いわく、訴訟まで発展したキーボードの早急な対策を講じる必然があったものの、「キーボードの不具合を直しました!」と大きく謳ってモデルチェンジしてしまうと自らの非を認めることになってしまうので、2018モデル投入の名目はCPUの世代更新などを目玉にしてごまかし、キーボードについては「作業空間がより静かになります」と、静粛性に力点をおいた改良といい張ることで、問題をうやむやにしようとしているのではないか、ということである。まあ、Appleは好きだから許すけど、ちょっと無理があるかな?2016モデルのクレーム多発を受けて、2017モデルは問題のキーボードにやや応急処置的な対策が講じられているらしいが、どうやらそれも万全とはいい難いようだ。…というわけで、店主の場合は、結果的にリスクを避けて、キーボードの世代が更新されたという2018モデルを選択した、という成り行きである。なんだかんだ「必要なものだから」といって、結局は21万円以上という高額なお買い物になってしまい、迷いまくったあげく当初のAirで予定していた予算から約4.5万円ものコストアップになってしまったわけで、これはもう、なんともいえない落としどころを招いてしまったということだ。「木を見て森を見ず」ではないが、もしかして、なんかだか本質を見誤ってるんじゃないかと、自身で不安になってくる。この際だから追記すると、2018モデルでもうひとつ賛否の話題が盛り上がっているのが、Appleご自慢の『Touch Bar』である。▲ファンクションキーの列が細いディスプレイになっていて作業に応じて表示が切り替わる『Touch Bar』のネット上での評判は最悪で、おおむね「こんなもんいらねー」的なコメントが占める。店主は…というと、まだProを使ってみて1日目だからなんともいえないが、これはこれで面白いのでは、と思ったりしているところだ。特にデフォルトソフトとの相性はよいと思う。店主がよく利用するAppleの『カレンダー』は、『Touch Bar』のおかげで操作性が格段に向上した印象だ。今後、OSが進化していけば、『Touch Bar』の用途も広がっていくかもしれない。▲『データ移行アシスタント』を使ってwifi経由で中身をまるごと移し替え…というわけで、また長々とくだならない話題を書き綴ってしまった。久々にコンピュータを入れ替えてみると、思いがけずいろんな発見があるもので、これはこれでなかなか興味深い。だた、出費が痛い。Apple高すぎ!などとほざきつつ、データ移行後Photoshopがすぐ落ちるという難題を突きつけられ、休日の大半をその対策に費やすという、相変わらずのていたらくぶりなのであった。

  • 03Jan
    • 『楽天市場』に絡め取られる

      2019年も、ネット通販市場は元気いっぱいだ。店主は昼の仕事で15年ほど前からEC(電子商取引)ビジネスにかかわってきたこともあり、わりと早い時期からネット通販を積極的に利用してきたわけだが、ここ数年、自身の利用比率がかつてないほど高まっていると自覚する。特に、『楽天市場』さんには完全に絡め取られたかんじだ。経産省発表によると、2017年度の日本のEC市場規模は16兆5,054億円。対前年比約109%、2010年度比ではなんと212%にもなる。わずか7年ほどのあいだに、市場が倍以上に成長したのだ。これでは、宅配業者さんもたいへんなはずだ。▲経産省『平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』より上図の赤い折れ線グラフは、『EC化率』を示している。『EC化率』とは、「産業規模に占めるネット通販の割合」といいかえればわかりやすいかもだ。グラフによると、わが国における物販市場(*)の2017年度『EC化率』は5.79%となっている。(*物販の定義については後述)アメリカの同約10%、中国の約15%と比べるとずいぶん見劣りするが、日本では、市場規模の大きい食品や医薬・化粧品産業のEC化が他国と比して遅れていることが、要因のひとつといわれている。実際、産業別にみると、事務用品37.4%、家電30.2%、書籍・メディア26.4%に対して、医薬・化粧品は5.3%、食品におよんでは2.4%と、個々の産業の『EC化率』には歴然とした差が生じている。もっとも、日本では食品のリアル店舗が充実しているし、消費者も過敏なほど繊細な感覚を持っているので、他国と直接比較するのはナンセンスかもしれないが…。調べついでに、ネット通販の市場規模を分野別にみてみると、以下の表のようになっていた。▲同じく経産省発表のデータより・物販系分野 ⇒ 衣料、食品、家電、書籍など・サービス系分野 ⇒ 旅行、金融、チケット、飲食予約など・デジタル系分野 ⇒ オンラインゲーム、メディア配信、電子書籍などこの表から、サービスとデジタル系分野の成長がEC市場全体を押し上げている構造がみえてくる。特に旅行サービス(宿や交通機関の予約など)のEC市場規模は単体で3兆円を超えており、産業別ではトップシェアを占めていることがわかった。たしかに、いまどき航空券やホテルはネット予約が当たり前だ。▲そういえば『旅の窓口』ってあったなあ。懐かしいなあ…さて。日本国内でネット通販といえば、『楽天』、『Yahoo!』、『Amazon』だ。この大手3社で市場全体の約40%を占めている(2016年度)。各社の年間の流通額を比較してみると…・楽天 ⇒ 約3兆円・Yahoo! ⇒ 約9.6億円・Amazon ⇒ 約1.8兆円(推定)*Amazon・楽天・Yahooの流通総額からみるEコマース市場(2016)より…「やっぱりね」というかんじで、『楽天』がぶっちぎりであった。ただし、『楽天』がライバル2社に猛追されているのも事実で、2016年度の伸び率では『楽天』の113%に対して『Yahoo!』は150%と躍進している。『Amazon』は日本単体のデータを公表しないそうなので謎が深いが、こちらも成長率は『楽天』より大きいと思われる。そんな市況もあってか、ここ数年、『楽天』の「顧客囲い込み」がえげつないほど強烈だ。…で、ここからようやく、今回の本題に入る。相変わらず前置きが長い。『楽天』のヘヴィユーザーにとってはすでに「常識」なのだろうけれど、店主は2018年末になって、ようやく『楽天カード』をゴールドに切り替えた。▲一瞬「通常カードか?」と思うほどゴールド感がうすい『楽天ゴールドカード』いまさらながら『楽天ゴールドカード』を持つメリットを列挙すると…・楽天スーパーポイントが+2倍付与される・年間108,000円以上『楽天』でお買い物すれば年会費(2,160円)が相殺される・国内主要空港のラウンジが利用できる(年間2回まで・家族カード可)・ETCカード年会費が無料(家族カードへの付帯不可)・家族カード年会費540円…といったところか。店主の場合は店で提供するワインを『楽天』のネットショップで買い求めることもあり、それだけで月間数万円を同社に献上しているから、まず間違いなく年会費のモトがとれる。また、『楽天』を開くと、キャンペーンなしでも常に「ポイント5倍」になっているのはなかなか気持ちがよいものだ。▲いつでも5%OFFで買い物をしている優越感(ただし月上限は5,000ポイント)さらに…・カード決済を楽天銀行引落しにすると+1倍・スマートフォンの楽天アプリから買い物すると+1倍…という「あおり」もあり、気づけばどんどん『楽天アリ地獄』にハマっていく自分を発見するのである。ちなみに、店主は年代的にスマートフォンでのネットショッピングにストレスを感じてしまうお歳頃なので、ちょっとカッコワルイが、あらかじめコンピュータで商品を探して『買い物かご』に入れておき、後日、ポイントキャンペーンがしかかるタイミングでスマートフォンから「ぽちっ」とお買い物をしている。こうみえて、やることがけっこう細かい。▲すでに3割以上のネット通販がスマートフォン経由。おっさんには無理そして、ここにきて、また新たな「刺客」と出会ってしまった。それが、『楽天プレミアム』である。お試し期間が1ヶ月あるということで、さっそく登録してみたところだ。▲いつの間にこんな特典サービスができたんだ、てなかんじの『楽天プレミアム』当たり前のことをいっているかもだが、ネット通販の最大のネックは「送料」である。人間、ぜいたくなもので、家でだらたらとビールを飲みながらほしいものを注文して、数日後にのんびりとワイン飲んでたら商品が玄関まで届く、なんていう超便利なサービスを享受したいと望みながら、一方で送料はなるべく負担したくないなどと「とんちんかん」なことをいう。もちろん、店主もそのひとりである。2017年10月の衝撃的な「ヤマト運輸送料一斉値上げ」に端を発して、ネットショップの多くが送料を見直さざるを得ない状況になった。おそらく、ネット通販市場における物販系分野は全体的に成長が鈍化し、『楽天』も少なからず影響を受けたのではないだろうか。『楽天プレミアム』は、そんな背景から誕生した、『楽天』決死の有料会員特典サービスと思われる(違うかも)。それとも、単に『Amazonプライム』に対抗しただけか?(年会費は両者とも3,900円。偶然じゃないよね?)『楽天プレミアム』会員のメリットとしては…・送料分のポイントを還元・送料無料商品はポイント+1倍・楽天トラベル利用でポイント+2倍・会員限定クーポン…となっており、消費者の送料負担感軽減にフォーカスした企画だということがわかる。このあたりは、『Amazonプライム』とは趣旨が異なっている。▲特典のひとつ『限定クーポン』はいまのところ店主と無縁なものばかりでメリット感ゼロ『楽天ゴールドカード』の場合と異なり、『楽天プレミアム』の加入にあたっては、より慎重に自らのお買い物パターンを分析する必要があると思われる。年会費は3,900円と、金額としては決して安くない。さらに、意外と細かい制約があるから、油断できない。・特典は月間10回のお買い物まで・お買い物一回あたりの還元は500ポイントまで・2,000円未満のお買い物は特典対象外・『プレミアム対象商品』であることが条件この、最後の『プレミアム対象商品』というのクセもので、自分がほしい商品が、その対象でない場合もあるのだ。…というか、『楽天市場』の中でも、対象商品は思ったほど多くないのではないだろうか??▲『楽天プレミアムカード』は『楽天プレミアム』と別モノというややこしさ…と、ここまで書いてちょっとヤな予感がしてきたので、いったんblog執筆を中断して『楽天』で実際にプレミアム率を測定してみることにした。その結果、ワインジャンルから「イタリア」「ピエモンテ」で検索してヒットした1,189件のうち、『プレミアム対象商品』で絞り込みをかけて残存したのは、わずか107件にすぎなかった!少なくとも、ピエモンテ州産のワインについては、『プレミアム対象商品』比率は9%未満ということになってしまう。ジャンルにもよるが、ワインにかんしては概ね同様の比率と考えてよいのでは、と類推する。▲ほしいものが『プレミアム対象商品』であればかなりオトクなプランなのだが……とまあ、新年早々、例によって「だらだら」と長文で、いかに店主がネット通販、とりわけ『楽天市場』に絡め取られているかを吐露してみた。冒頭でも書いたが、自身の買い物消費のネット通販比率が年々高まっているのを実感している今日この頃だ。東京から北海道に移住して26年、「できるだけ地元で消費して微力ながら本道経済を支えたい」という初志そのものは変わらないのだが、どうやら実態が乖離しはじめているようだ。そうはいっても、ネット通販のおかげで無限大とも思える選択肢が広がったのは事実で、その恩恵をわざわざ手放すというのもおかしな話である。ここは是々非々ではないけれど、本道経済に貢献するためにも倹約できるところはしっかり倹約して、そのぶん事業をがんばって、北海道オンリーのコンテンツに投資していきたいと思ったりする、寝正月最終日の夜なのであった。▲『楽天』とは無関係だがAppleの『初売り』で8年ぶりにMacを買い替えたという…

  • 24Dec
    • STARFIGHTER 未亡人製造機と呼ばれた F−104

      ワインバーのBlogなのに、乗り物か映画かキャンプの話題ばかりだ。STARFIGHTER 〜未亡人製造機と呼ばれた F−104 〜2015年TV放送製作国:ドイツ原題:Starfighter – Sie wollten den Himmel erobern2018年12月にWOWOW初登場となったので、録画視聴した。それにしても、和製サブタイトルの「未亡人製造機」とは、これまたダサイやつをひねり出したものだ。ドイツ語はわからないけど、未亡人は『Witwe』のはずだから、少なくとも原題で「未亡人製造マシン」とはいっていない。単語を直訳してみる限り、たぶん、「彼は空に召された」的な、もっと叙情的な表現なんじゃないだろうか。和製タイトルのダサさだけで観る気を失うプログラムが数多く存在するので、配給会社は発注するライターをもっと厳選するべきである。しょーもない和製タイトルといえば、数年前に視聴したノルウェー映画が記憶に残る。息子をマフィアに殺された父親が復讐に燃え、超大型除雪車を駆ってノルウェーの大雪原で大暴れするという短絡的バイオレンス作品でありながら、ノルウェーの大自然の美しさがけっこう楽しめたりしたのだが、原題の『KRAFTIDIOTEN』に当てられた邦題は…ファイティング・ダディ 怒りの除雪車…である。脱力…。もっとも、ノルウェー語はちんぷんかんぷんで、原題がなにを表現しているのか今日の今日まで知らなかったわけだが、思い立ってGoogle先生に尋ねてみたところ、以下のような回答を得た。「パワー馬鹿」www。このまま邦題にしたほうがよかったんじゃないかwww?さて。本題に戻ろう。この『STARFIGHTER』という作品は、ドイツ国内のTV放映用に制作された映画ということで、1960〜70年代にかけて西ドイツ空軍で実際に起こった問題を再現した、実話である。実話をベースにした作品というのは、そもそも筋書きがシュアなので、観たあとに「失敗したー」と自担駄を踏むことが少ないように思う。この映画の主役というか主題は、アメリカのロッキード社製戦闘機、F−104(通称:Starfighter)である。▲西ドイツ空軍のF−104G。空軍のシンボルである黒十字が力強いロッキードF−104は、1958年からアメリカで運用が開始された迎撃(制空)戦闘機で、軽快なソ連のミグ(Mig)戦闘機に対抗すべく、小型軽量かつ超高速を主眼に開発された。要件に答えて、機体は細く長く、主翼が極端に小さい。文句なくかっこいい。世界の歴代ジェット戦闘機の中でも、群を抜く美しさを持っている。▲F-104の三面図。主翼が極端に薄く小さいことがわかる。ほとんどミサイル…が、実際は航続距離が短い、搭載可能武装が貧弱、操縦が難しい、整備性が悪い…などの理由により、本家本元のアメリカ空軍では評価が低く、短い運用期間で退役してしまう。要件に応じるべく技術者が精一杯努力して、やっと合格点を出したらあとからダメ出しされたという不幸なケースである。一方、商魂たくましく自国利益最優先のアメリカは西側同盟諸国にF−104を強力に売り込み、その結果、合計15か国で採用させることに成功する。中でも、西ドイツ空軍は最多の916機を導入した大得意先だ。その規模は、実に総生産機数の36%近くを占める。ちなみに、アメリカに「いや」といえないわが国も漏れなくF−104を売りつけられており、1963年から1997年の間に累計230機が導入されている。▲航空自衛隊のF−104J。やっぱりミートボールより黒十字がいいかもで、作品の話だが、これがまたTV放送用とは思えない品質で驚いた。F−104の実機は、年代的にはもはや博物館ものなので、離発着や飛行中のシーンは当然ながらすべてCGだ。一方、タキシング(地上移動)のシーンは…ハリボテだろうが、これがまた非常によくできている。▲タキシングのシーン。少なくとも2機分の精巧なハリボテをつくったことになるCGの進化はめざましくて、昨今、ホンモノかニセモノかさっぱり見分けがつかない世の中になったもんだが、ハリボテはそうはいかない。よくがんばった。…それとも、博物館から実機を借り出して、無理やり引きずり回したのだろうか…?<追記:2018/12/27>ハリボテがあまりにもよくできすぎているので、あらためて大画面で目を皿のようにして観察したところ、これは多分、実機だ。コクピット背後のアクセスパネルを開けているシーンを発見するに至り、ハリボテ説を撤回することにした。博物館などの展示用を拝借して、機体番号を書き直すなどして登用したのだろう。そんなことができるんだな。すごいな。▲コクピットラダーや、エアインテークカバーなんかもしっかり再現されている肝心のストーリーはというと、作品のキモは後半のロッキード社に対する訴訟プロセスに集中している。つまり、この作品は、一見、ジェット戦闘機乗りの男たちと、彼らを愛する女たちの愛憎の軌跡みたいな『トップ・ガン』的フリをして、本当のところは、ドイツで実際に発生した社会問題を主題とする社会派ドキュメンタリーなのである。そういうつもりで観直すと、なるほど、なんとなくまどろっこしいと感じる脚本にも合点がいく。▲作品前半はなんとなく『トップ・ガン』的な雰囲気で構成されている作品前半は、ハリーとベッティのラブ・ロマンスが中心だ。腕利きパイロットのハリーは、ベッティの気を惹くために訓練中のF−104でアクロバット飛行を披露する。軍用機を私物扱いするなんて、実際に許されたんだろうか。いかにおおらかな時代だったとはいえ。たぶん、脚色だと思うんですけど…。このラブ・ロマンスと同時進行で、F−104による訓練飛行や墜落事故のシーンが重なる。もちろん、フルCGなのだが、これがまたけっこうなハイレベルで、思わず引き込まれる。ただ、ハリーとベッティの絡みがやたらと間延びしていて、ともするとゲップが出そうになる。先述した「まどろっこしい」感じとは、つまり、そういうことだ。▲飛行シーンはフルCGだが品質は高い。なんとサーブ・ドラケンも登場するぞ!転じて後半になると、もはやF−104はほとんど登場しなくなる。墜落事故により殉職した妻たちの闘いに完全にフォーカスされていき、一気にドキュメンタリーの本性を顕すカタチだ。ハリーを失ったベッティが夫の名誉のために立ち上がり、軍の妨害や世間の中傷に翻弄されながら奮闘する姿が、ドラマティックに描かれている。▲さまざまな妨害を受けながらも必死に闘うベッティ。女の底力はすごい実話ということで、ネタバレもないだろう。ベッティは、西ドイツ空軍のF−104がアメリカ政府の圧力(ロッキード社の買収)によって機種選定された事実を暴く。本来、フランスのミラージュ戦闘機が最有力だったところ、政治的な力学が働いたのだ。先述のとおり、F−104は整備の面で運用がデリケートで、さらに導入を急ぎすぎたあまりメンテナンスや設備が追いつかず、その結果、整備不良と機体の急速な劣化が事故の頻発を招いたものであると結論づける。▲フランス製ミラージュIII戦闘機。フランスはワインだけでなく殺人マシンの生産も得意軍は、墜落事故を「パイロットの操縦ミス」として処理し続けた。ベッティは、国や軍への提訴が不可能と判断すると、怒りの矛先をロッキード米国本社に向ける。このストーリーのエンディングは、10年近い闘争の末、ロッキード社が集団提訴した32名の未亡人に対してひとりあたり300万マルク(およそ3億5,000万円)の賠償に応じ、ベッティが凱旋帰国するシーンで迎えられる。冒頭で、この作品の「未亡人製造機」というサブタイトルに苦言を呈したわけだが、wikiによると、F-104Gは現地で「ウィドウメーカー(Witwenmacher=未亡人製造者)、空飛ぶ棺桶(fliegender Sarg)、アンカーボルト(Erdnagel)…などとささやかれていたようなので、たぶん、このへんの事実をライターがネタとして取り入れたものだろう。作品を売るためとはいえ、かなり安直な感じがする。実際のところ、ドイツでは社会派ドラマとして制作されていたわけで。冒頭の日本向けDVDのジャケットデザインや、意味不明なコピー類から、そもそもこの作品に対する誤解があるように思えてならない。西ドイツ空軍のF−104は、1962年から1987年の運用期間中、実に116名もの殉職者を生じさせた。毎週1名事故死した時期もあったという。機体の損失は262機におよび、損失率は28.6%にもなる。戦争じゃないんだから。しかし、これは機体の設計ミスに起因したものとはいい難く、原因は主に運用面での問題であり、政治的な圧力によって本来の要件がねじ曲げられた結果といえる。ロッキード社がなぜここまでの高額な賠償に応じたのか、その背景は謎だが、結局、現在に至るまでこの件の責任の所在は明らかにされていないという。<追記:2018/12/27>映画をじっくり見直してみたところ、西ドイツ向けのF−104タイプGは、国情に合わせて戦闘爆撃機としての機能が求められており、ロッキード社において極めて短期間に仕様変更が行われたとある。F−104は、本来、迎撃機(一部制空)である。また、劇中なんどか「ここはアリゾナとは違う」というセリフがあるのは、飛行テストがアリゾナのみで終了し、そのまま引き渡しが始まったことを示唆している。運用面の問題も深刻だが、政治的な理由で導入を急ぐ必要があり、十分な検証が行われないまま引き渡しが始まったということも考えられる。日本でも、F−104が招いた大惨事がある。1969年2月8日、小松基地所属のF−104Jが落雷によって住宅地に墜落。パイロットは脱出して無事だったが、民家17戸が全焼し、4名の一般市民が巻き込まれて死亡した。▲当時の新聞記事。脱出したパイロットはその後どうなったのかこの事故は、F−104の機能的な問題が原因ではなく、落雷という不可抗力的事故であり、民家に墜落したのは不幸としかいいようがないわけだが、そもそも軍用機が市街地上空を飛行している限りこのような惨事が発生する可能性がゼロではない、というところが絶望的だ。店主は、その他大勢の「高度経済成長期の男の子」らしく、軍用兵器の類を単純に「かっこいい」と思う。一方で、それらの存在目的は「人殺し」であり、本来は存在するべきものではないことも十二分に理解している。…とはいえ、理想的な話をしてもなにも始まらないのが現実世界の虚しさというものでして。せめて、これらの不幸な事故が生じないような仕組み、利益優先で真実がねじ曲げられることのない世の中になってくれればいいな、と、切に願う、平和なクリスマスイブの夕刻なのであった。