美しい国 ブータン  | 新書野郎

美しい国 ブータン 

美しい国ブータン―ヒマラヤの秘境のブータンに学ぶ「人間の幸せ」とは!? (カニ心書シリーズ)美しい国ブータン―ヒマラヤの秘境のブータンに学ぶ「人間の幸せ」とは!? (カニ心書シリーズ)
平山 修一

リヨン社 2007-09
売り上げランキング : 3904

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


リヨン社の「かに心書」というヤツらしい。新書野郎もこんな新書は知らんかった。田英夫の『特攻隊と憲法九条』なんてのも出しているのか、アブナイ系なのかもしれんが、一応「ココロ系」として括っている様だ。そんな訳で、これもブータン「ココロ系」。安倍の新書とタイマン張れる版元でも、著者でも、国でもないから、バカの一つ覚えみたいに「美しい国」を揶揄した連中とは違い、何か最初から「負けるが勝ち」といった雰囲気も漂う。それにしても、今枝由郎に先んじてのブータン新書か。これも別に、ブータン学者の大将と岩波新書にケンカ売ってる訳ではなく、むしろ便乗っぽい。しかし、今枝はこの時期に岩波か。中国は岩波に「撫順の奇跡」の子飼いを派遣してるみたいだけどけど、大将はいつもの様に中国大批判ができたのかな。まあ買わなくても、もうすぐどっかで読めるはず。で、こちらの著者はブータン中将くらいで、元青年隊の人だけど、「知るための」を書いた人か。今はタイでJICA仕事とのこと。忙しい日本社会とか、人間関係が希薄な日本人とかの批判は結構なのだが、だからといって、ブータン人の方が人間的に幸福だと断言できるものなのだろうか。私などは忙しい社会で、人間関係が希薄な方が、一人で読書の時間がとれるので、幸せを感じるのだが、そんなに「孤独」ってイケナイことなのだろうか。一日営業仕事などすると、隣近所はもちろん、家族とも口をききたくなくなるのだが、それでも接する人数も、人と話す時間も、平均的なブータン人よりは遥かに多いだろう。ブータン人だって、みんながみんな幸福だと思っている訳ではないだろうし、日本人でも、熱心に宗教やってる連中はブータン人と同質の幸福を感じてるんじゃないかな。ブータンみたいな環境ではいざ知らず、日本では「幸福」の形は多種多様だと思うんだけど。