中世以来、一種の「祓詞(はらいことば)」として信仰され、また呪術的な神秘の語句として重視された言葉、トホカミエミタメ。
上代から亀卜(きぼく)に関して用いられたと考えられている。
吉田神道などでは、三種大祓(みくさのおおはらえ)の主要語句として用いられた。
近世には神拝の詞、あるいは神恩を蒙る辞句として解説され、特に重視された。
三種大祓
とおかみえみため
吐普(菩)加美依身多女
かんごんしんそんりこんだけん
寒言神尊利根陀見
はらいたまいきよめでたまう
波羅伊玉意喜余目出玉
由来
上古において鹿の骨か亀の甲羅に印をつけて焼き、そのひび割れの結果で神意を占っていたが、占いを行う際に、鹿骨又は亀甲に卜兆(ぼくちょう・うらかた)として「マチガタ」(兆体、亀兆)が印づけられた。
その要点である5か所に、
「ト」「ホ」「カミ」「エミ」「タメ」に分けてつけられた符牒(ふちょう)であった。
※符牒とは同業者内、仲間内でのみ通用する言葉。隠語。
それらの字の位置は、卜術(ぼくじゅつ)の諸流派によって異なっていたが、
ほどなく統一されていった。
平安時代後期の有職故実書『江家次第(ごうけしだい)』巻18「軒廊ノ御卜」の条にはトホカミエミタメに関する記述がみられる。
ト=灌・水
ホ=放・火
カミ=神・木・立
エミ=人・金・水器
タメ=多如(〇女)・土・亀甲
と分類してあるようです。
今時の九星気学占いなんかを読むと五行で「金」は神仏を司ると覚えてたので、その点、意外でした。それに多如(〇女)の意味が不明でした。田、民じゃないのかな?
でも、日本では古来、高い所、山や高木を神様は依り代としていると信じられていましたからねぇ。
しかし現代ではその神事を受け継いでいる神社も2社くらいで、神聖なる秘儀とされている為、一般に公開されていない。
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