ちょこっとあらすじ
1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ジプシー出身のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、パリでもっとも華やかなミュージックホール、フォリー・ベルジェールに出演し、毎晩のように満員の観客を沸かせていた。 まさに音楽界の頂点を極めるジャンゴだったが、一方で、ナチスによるジプシーへの迫害は酷くなり、パリをはじめ各地でジプシー狩りが起きていた。多くの同胞が虐殺され、家族や自身にも危険が迫り、絶望に打ちのめされるジャンゴだったが、そんななか、彼にナチス官僚が集う晩餐会での演奏が命じられる…。(公式サイトより)
感想
最初、ジャンゴ役のレダ・カテブが月亭可朝を彷彿。すいません…、多分、これ、ホント、すいません…
わたしは、このジャンゴについて、まったく知識がないから、許してください🙇
遅刻は当たり前、女にだらしなく、ギャンブルにハマっていく姿は、去年の暮れに観た『ブルーに生まれついて』を思い出す。ま、チェット・ベイカーほど、クズではないが…
いつもいろんなモノを彷彿してるようです…集中出来てないのでしょうか?わたし…
ナチス支配下の時代を生きた不出世の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの激動の半生を、ドイツ占領下の1943年から1945年のフランス解放まで時期をスポットをあてて描いている。
オープニングの演奏シーンでグッと掴まれ、引き込まれる。
音楽って身分や貧富の差なんかない、そこに楽器があり、歌があればいつだって奏でられる。ひとつになれる。っていうようなシーン。いいシーン。
そこから…
激動の人生を予感させるような
銃声音が響きわたり…
ただ美しい音楽を永遠に奏でていたかった
だけなのに、
それすら許されない
1943年、ドイツ占領下のパリ…
ジャンゴの奏でるギターで、毎夜、ミュージックホールは満杯。音楽界で頂点を極めるジャンゴだったが、各地でジプシー狩りが始まると、ジプシー出身のジャンゴたちも迫害に合い、活動に制限がかかっていく。が、ジャンゴは身の危険を感じるどころか『みんなが聴きたい曲をやって家族を養っている』『俺たちジプシーは戦争などしない。俺はミュージシャンで、演奏するだけだ』と政治に無頓着。なんでこんなに無頓着でいられるの?って観てるこっちがイライラするほどだ。
てか、ジプシーって領土(国)を持たないから所有っていう概念が希薄らしい。だから戦争っていう概念もない。みたいなことをなにかで読んだことがあるが、それにしても、だ。
政治に、時代に翻弄されたジャンゴたち。政治に翻弄、統治され、利用される芸術っていう、理不尽さには胸糞悪くなる。
胸糞悪いけど、それが事実。
本作の見どころはジャンゴの半生と音楽を通じて反戦。
そして、普段、あまり知ることがないロマ族の迫害について触れられたことは意義があることだと思う。
そしてジャンゴを演じたレダ・カテブの役作り。
ジャンゴは火事に遭い左手の指が3本しか動かない。その3本の指で巧みにギターを奏でていた。それを忠実に再現してる。
そして彼がジャンゴを演じるにより、なにより大切にしたことは『物真似ではなくスピリッツを感じ、内側から表現するこどだ。あくまでリアリスティックに。』と語っている。
わたしは、このジャンゴについて、まったくもって知識がない。知らない。だから先入観なく見られたし、ジャンゴのスピリッツとそれを演じたレダ・カテブの情熱を感じられた。
【72点】
2017.11.28 ヒューマントラスト有楽町