たよりもりの1月号が届きました。 | NIKKA-BOKKA 

NIKKA-BOKKA 

子育ち講座を修了した母親の実践や気づきを綴っています

1月18日(水)

 

えりさんとしーちゃんの様子がじわんと伝わってくる

「たよりに便りが来ました」を読ませていただきました。

 

以前のたよりに掲載された時も、

子育ちに出会って、実践をあきらめずに続けてくださってよかったと

しみじみ思ったんですが、

 

最初のほうの

「とにかく日課の安定を心がけて過ごす毎日がはじまりました」

というたった1行の文章から、

えりさんが、子育ちを傍らにしーちゃんと暮らしてこられたこれまでを想像し、

思わず胸が熱くなりました。

 

ほんとうに、とにかく日課の安定を心がけていらした、

それだけは私も彼女を少し遠くから見ながらずっと感じてきたことでした。

講座修了生の集まりがあっても、

たまにはお茶しませんか?と数人の仲間で集まっても、

あくまでしーちゃんの日課優先、「あ、もう私時間なんで行きますね。」

そう言ってスッと席を立ち、去って行く彼女の後ろ姿ばかりが思い出されます。

 

順調に育っていく子を育てる日々とはまったく違う、

それこそ気が遠くなると彼女自身も言っていた子育ての日々。

それでも、彼女がすごいと思ったのは、

けして母親の私一人で育てますから!としーちゃんを囲うことなく、

そして自分自身も孤立することなく、

「otamisan、いつも私の都合に合わせてもらって申し訳ないんですが、お茶しません?」

と時々連絡をくれたり、たよりにもあったように塾を探したり、

学校の先生、しーちゃんに関わる大人と遠慮なく話し合いを重ね、

しーちゃんをわかろうとする大人や

しーちゃんをかわいいと思う大人を増やしてこられたことです。

そして何より、しーちゃん自身も自分を伝えられる子に育っていて、

おばちゃんはウルウルです。(←めんどくさいおばちゃん。(笑))

 

数年前、しーちゃんが支援学校の高等部だった時に、

「ぷれジョブ」という、障害のある子が地域の企業や商店等でしごとの体験をする活動で、

私はしーちゃんの働く様子をそばで見守るサポーター役を

えりさんから頼まれ引き受けたことがありました。

しーちゃんとやったのは、地域の農家さんでの畑しごとでした。

長靴を履いて、ウィンドブレーカを羽織って、

「こんにちは、otamisan!」

「よろしくお願いします!」

しーちゃんが、幼い頃に数回会っただけのきっと初対面に近い私に向かって、

ハキハキと挨拶をしてくれたことを覚えています。

農家の方の指示にも、「はい。」「はい。」「わかりました。」と元気に返事をし、

「がんばりまーす。」と右腕をピーンと伸ばしてあげる姿がなんともかわいらしくて。

しーちゃんは、畑の雑草を取ったり、刈られて乾燥した草を運んだり、

ハウス用パイプを運んだり、里芋の種イモを植えたりと、

毎回毎回違う作業を、「これでいいですか?」「こうですか?」と

時々そばに居る私に確かめながら根気よくやっていました。

もちろん、つまんないと思うらしい作業の時は「もう終わり?」「もう終わり?」と、

何回も私に訊いたり、「ママは?ママはどこですか?」とママが恋しくなったりと、

明らかに今日の作業はやりたくないんだなとわかる態度を取ったりしました。

すごく正直でわかりやすくて、しーちゃんのそういうところが私は好きでした。

私はあくまで見守り役なので、彼女の作業を手伝うことはできません。

農家さん(男性)が、手が止まっているしーちゃんを見て、

きっと励ましのつもりで「ほらほら集中集中!最後までちゃんとやるんだよ!」と言われると、

しーちゃん、そぉ~っと私の腕に抱きついてきて

「otamisan、あの人こわ~~い。」と私の耳元で小声で言いました。

そういう彼女の反応も、私はすごく健全に思えて

「フフフ、こわ~~いねぇ。」とマネで返しながら、彼女と顔を見合わせてクククと笑いました。

 

えりさんが、こうしてしーちゃんと一緒に「ぷれジョブ」活動をしているのは、

「地域の方々に、こんな子がいるんですってわかってもらうだけでもいいと思って。

しおりが今後どこかでお世話になっていくときに、しおりにとってもいいと思って。」と

彼女はその時、私にそう話していました。

 

たよりをうんうんと頷き読みながら、あぁ、一つ一つ、

えりさんが根気よくいろんな方向に積み重ねてきたことが、

ちゃんっと今につながっているんだよねと、じ~~んときてしまいました。

 

さらっとまとめていらっしゃるけれど、

見開き2ページくらいじゃ足りないご苦労がたくさんたくさんあったはずで。

でもこうして、しーちゃんが一歩ずつ今も前進している姿や

えりさんが次なる目標に向かって頑張っている姿を

たよりにお便りくださって、私もとっても、とっても嬉しいです。