今月は日本でも10,000人の抗体検査が実施されます。
その結果と今後の発症者の動向はどうなるのでしょうね?
抗体検査は、新型コロナウイルス感染症にかかって獲得する免疫がある程度長く持続することを前提としています。
しかし、一般的な風邪の症状の、コロナウイルスについての研究で、免疫が持続する期間はさほど長くありません。
代表的なコロナウイルスは7種類と言われています。サーズ、マーズ、風邪4種類です。
2016年秋から2018年にかけての、コロンビア大学の研究で、191人の子ども、教師、救急隊員を対象に、鼻腔を拭った綿棒を収集して、くしゃみや喉の痛みなどの症状を研究しました。
一般的な呼吸器系ウイルスとそのウイルスが引き起こす症状、回復した人のそれぞれのウイルスに対する免疫の持続期間の調査でした。
研究対象のウイルスは、毎年広く流行して、一般的な風邪の症状を引き起こすだけなので、あまり注目されていないこの4種類のコロナウイルスです。
同じコロナウイルス科に属する新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」が世界中で都市封鎖を引き起こしている今、軽度な症状を引き起こすコロナウイルスに関する情報はパンデミックの今後の展開を予測するヒントになります。
コロンビア大学が発表した報告書は、とても不安をもたらす内容です。
人は頻繁に同じコロナウイルスに再感染し、同じ年にも再感染することもあり、人によっては複数回再感染することがあるというものです。
1年半の調査期間に調査参加者の内12人が同じウイルスに対して2回または3回陽性反応を示しました。
そのうちの1人はわずか4週間後に再び陽性反応になりました。
一度感染すれば免疫が生涯持続する麻疹(はしか)や水痘などの感染症とまったく異なります。
こうした疑問を解明する為に、免疫に関する大規模研究がすでに進行中です。
血清調査で人の血中の抗体をチェックすることで、無症状の人や軽症で済んだ人を含め、何人が新型コロナウイルスに感染したかを判断できます。
現在、新型コロナウイルスで分かっているのは、一部の感染者は簡単に回復したのに、死亡している人も多くいます。
大きな差があるのに、理由はまだ分かっていません。
ヒトの免疫システムには新しい細菌に反応するためのさまざまなメカニズムがあります。
B細胞によって作られた抗体はウイルスに結合し、ウイルスの細胞への感染を防ぎ、T細胞は、感染した細胞を破壊します。
感染を撃退すると、B細胞とT細胞の「長期記憶」が形成されます。
2002年から2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)からもヒントがあります。
SARSの終息6年後、北京の医師たちが回復者の免疫を調べたところ、抗体も長期間持続するメモリーB細胞も発見されなかったが、メモリーT細胞が発見されました。
新型コロナウイルス感染症も同様に収束するのか?
あるいは短期間で遺伝子変異を繰り返し、開発されたワクチンも効果なく、感染を繰り返すのか?
未だ不明です。
重要なのは感染しても素早く抗体を形成できる体を持つ事。
新型コロナウイルスは便からも排泄されています。
いずれにしても免疫の最前線、腸管免疫を活性する事が重要です。
(食事と腸内フローラ、正常な小腸上皮細胞がかかわっている可能性)
ラジオ大阪1314OBCドクトルかっちゃん「笑顔で元気」
井草克一&仲みゆき