健康管理、何を基準に考えたら良いのでしょうか?
血液検査、2005年までは正常値の範囲と明記されていました。今は基準値と言われます。
血液検査が正常値でも様々な症状の人がいるので、基準値に変わりました。
という事は、全て基準値内でも、病気のリスクはあるという事です。
そして基準値の幅は、広くなる傾向があります。
同じ数値でも以前は問題があったのが、基準値が広がったから健康に問題なしという人もいます。
それに反して高血圧基準値のガイドラインは、低くなっています。
高血圧、昔は年齢+90でした。
1987年には厚生省の基準は180/100でした。
2000年は、日本高血圧学会が140/90という基準を打ち出して、70代は150未満、80代は160未満という治療目標を決めました。
これに反発したのが、人間ドック学会。
147/94という健康基準を発表しました。
根拠は150万人の人間ドック受診者で健康な人の解析データです。
この基準を適応すると、当時2474万人いた高血圧患者は1800万人減り、660万人になります。
2015年アメリカの心肺血液研究所が最高血圧120未満に下げた群のほうが心臓発作や脳卒中のリスクが低く、総死亡率も低いと発表しました。
そうなんだと思ってしまいますが、この試験の対象者は、全員が高血圧だけでなく腎疾患または心血管系疾患の既往歴があり、平均BMI29.9の肥満者が対象です。
日本人は25以上で肥満とされる?という重度肥満群でした。
そのため、『対象者に偏りがあるのではないか』との見方があり、アメリカ国内の別の学会から『ガイドラインの根拠とするには不十分』との声があがっています。
過去の病歴や体の状態、様々な体調を考慮して個々の血圧の基準を考える必要はあると思います。
身長の高い人、低い人でも基準を変えるべきかもしれません。
例えば世界一血圧の高い動物がいます。
キリン260、像240、低いのはウサギ、犬、ネズミなど110ぐらいです。キリンは5mの高さの脳に血液を送らないといけないので、血圧が高いのです。
という事は、身長の高い人は血圧は高めの方が良いのかもしれませんね。
150㎝の人と180㎝、2mの人では頭の高さが違いますから・・・。
循環器の専門医の立場としては、基準を順守する治療をせざるを得ません。
ただし高血圧の基準値を否定している内科医や名誉教授もいます。
サン松本クリニック院長のご意見です。
「戦後の日本で怖い病気は脳溢血でした。当時は食糧事情が悪く血管ももろく、破れやすかった。
現在の日本人は食糧事情も良く、細胞膜が丈夫になった為、血管も強くなって脳溢血も激減しています。
逆に増えたのが脳梗塞。血圧を上げて小さな血栓を取り除こうとしているのに、血圧を下げるから脳梗塞のリスクが高まると言われています。また、血圧の薬を飲んでから体調が悪くなる人もいます。」
では何を信じたら良いのか?一般の方では判断出来ませんね?高血圧以外に何か病気がある人は薬を止めれば危険な場合もあります。
一つ言えることは、お薬を飲むか否かよりも、血圧が上がる原因を取り除く事が重要です。
ストレスによる緊張がある人は、直ぐに結論の出ない問題は長時間考えない事。
首のコリや肩こりには、肩甲骨、肩、首のストレッチや軽い運動をする事。
血液自体の問題点で、糖尿病、高脂血症、貧血、低体温などは血液や体質改善をする事です。
その為には毎日の食生活の改善と腸内フローラの改善を図る事が重要です。
和食と発酵食品、そして血液循環促進と弾力にある血管を作る為には、ポリフェノールの多い色の濃い野菜が一番大事です。(ナス、ピーマン、トマト等)
ラジオ大阪1314OBCドクトルかっちゃん「笑顔で元気」
井草克一&仲みゆき
放送音声http://www.bione.co.jp/tenpo/OBC190703_Dr_K_Egao.mp3