小腸の働きと小腸の善玉菌 | 腸内フローラ健康法「ドクトルかっちゃん笑顔で元気」ラジオ大阪放送記事

腸内フローラ健康法「ドクトルかっちゃん笑顔で元気」ラジオ大阪放送記事

毎週水曜日 17時45分ラジオ大阪1314OBC
ドクトルかっちゃん笑顔で元気・医療健康情報番組

腸はとても複雑な働きをする器官です。

腸だけで生きている動物がいます。

単純な構造の動物「ミミズ」目も鼻も脳も呼吸器もありません。 

持っている器官は腸だけです。

ミミズの生きる術は、口から肛門までの消化管と腸内細菌だけなのです。

神経細胞や免疫細胞も全て腸の中にあり、食べ物などの判断も腸で行っています。

腸の中で栄養を吸収し、様々なホルモンや体内酵素も腸で生産しています。

その名残が人間にもあり、腸は様々な仕事をしています。

幸せホルモンのセロトニン、ドーパミン、オキシトシンは元々腸管の伝達物質でした。

脳内ホルモンのセロトニンは小腸で造っています。

セロトニンの90%は腸に存在し、脳には僅か2%です。

セロトニンが脳の為にあるのなら、脳に沢山存在するはずです。

腸は単なる管ではなく、「第2の脳」と呼ばれるほど複雑な組織です。

表面が絨毯の毛のような「腸絨毛」5000万本に覆われています。

表面積は皮膚の200倍(テニスコート1.5面分)で外界に接しています。

腸には、全身の毛細血管の55%、リンパ球の60%、脳以外の神経が50%集まっています。

腸は最大の免疫組織、最大の末梢血管組織、最大の神経組織です。

特に大事なのは小腸5~6mの働きです。(大腸は1.5m)

消化吸収だけではなく、有機酸やアミノ酸、ビタミン合成、造血、体内酵素、体内ホルモン、免疫、解毒、脂質代謝促進(高脂血症予防)、血糖値の調整、体温調整、解毒作用など様々な働きをしています。

その小腸の機能低下や炎症が問題になっています。

ダブルバルーン内視鏡検査により、51%の人の小腸に病変が見つかっています。

抗生物質、痛み止め、風邪薬、アスピリンなどによるキズ、ただれの炎症性腸疾患が増えています。

高脂肪、高蛋白の食事による「腸内フローラ」の乱れも原因の一つと考えられます。

小腸の傷は様々な病気の原因になる事も解ってきました。(リーキーガット症候群)

小腸の善玉菌「乳酸桿菌、乳酸球菌、酵母菌」を元気にする事が重要です。(大腸はビフィズス菌)

乳児と大人は腸に棲んでいる菌のタイプが違います。

赤ちゃんの腸にはお乳を発酵させる乳酸菌やビフィズス菌が棲んでいます。

離乳食が始まって徐々に穀物を発酵させる大人型の乳酸菌に入れ替わって行きます。

この菌は先祖代々離乳期に遺伝しています。

特に大事なのは小腸の善玉菌です。

小腸の機能が整わないと、大腸の善玉菌は増殖しにくくなり、大腸腐敗の原因にもなります。

小腸を元気にする。

その条件は?

  1. 上皮細胞(粘膜)を正常な状態にする事。

    傷つける化学物質(添加物や不要な医薬品)を避ける事。

    高蛋白、高脂肪の食事を控える。

    乳酸菌の発酵物質を補う(日本古来の発酵食品の乳酸菌生産物質)

2、小腸の善玉菌「乳酸桿菌、乳酸球菌、酵母菌」を元気にして増殖を促す。

その為には、小腸を発酵させることです。

乳酸菌、酵母菌の餌は穀物(ご飯、雑穀、豆類、芋類+野菜、根菜類、海藻類)と日本古来の発酵食品です。

これは大腸の発酵にも繋がります。

ラジオ大阪1314OBCドクトルかっちゃん「笑顔で元気」

井草克一&仲みゆき                                         

放送音声http://www.bione.co.jp/tenpo/OBC190417_Dr_K_Egao.m4a