当然ですが詐欺師が被害者に提供しているものには被害者にとってのバリューなどありません。詐欺師がお金を吸い取るだけなのです。今月はバリューチェーンというアプローチでこの組織犯罪を説明しています。今回は全般管理について。「全般管理」とは、財務、総務、経営企画など企業活動全般を支援するプロセスです。

 

ギャングの構造全てを知ってるわけではないので詳しく書くことはできませんが、ネットで出回っている汚い部屋にすし詰め状態床すわりで青年たちが詐欺をしている写真。これはかなり古いものです。冒頭の記事で言及したように、企業化され、一件普通のオフィスで仕事をしているかのように見えるのが最近の国際ロマンス詐欺の犯人たちです。お金のやり取りを何らかの形で管理し、誰かが勝手に被害者からだまし取ったお金を自分のポケットに入れてしまわないような管理なども行われているかもしれません。

 

Baitingしていた時に時々あったのが、私の偽キャラが無理難題を要求すると、最初は「できない」と詐欺師がいうのですが、その後応じてくれることがあるということ。例えば、ウェスタンユニオンは使えないので銀行にしてほしいという。2,3回のやり取りでOKしてくる。この間にボスとのやり取りがあったことは間違いないですね。ボスから承認が出れば、お金かけて借りてる口座貸し業者の銀行口座に振り込ませて一部を業者に残して回収できるのでしょう。

 

 

 

オフィスと言えばインフラが揃っている。パソコン支給、スマホあり。IPアドレスがナイジェリアにあることを隠すためのVPNも導入しているかもしれません。スマホ用のVPNはフリーのものもあります。そして彼らに欠かせないのがおまじない。彼らは前近代的なおまじないで現代的な犯罪の成功を祈るのです。ガーナの詐欺団がSakawa Boysと言われているのは、Sakawaというおまじないをするからです。こういうものも、全体管理として提供しているのでしょうね。

 

 

参考資料:

RSN by SCARS. The Level of Professionalism in Nigerian Scammers Today. 

http://romancescamsnow.com/dating-scams/all-posts/ (viewed 2018.8.31)