前回までのあらすじ
虚しい日常にうんざりしていたサトルと友人の空(むなし)は、刺激を求めるために都内超オサレポイントで行われたパーティーに参加していた。
しかし、気がつけば通勤ラッシュの京浜東北線(上野〜秋葉原区間)に乗車していたのであった・・・
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サトル「いやはや、この混みようはすごいねえ。空くん、ちょっとクロークに荷物預けてこようよ」
空くん「いや、大丈夫だよ。サトルくんだけ預けてきなよ」
サトル「え、あ、そう?」
そうか、とそれ以上は求めなかったが、リュック背負ったままパーティーに参加すんのっていいのかな?と思った。
空くん「僕はまずはビュッフェを取ってくるよ」
サトル「はーい、じゃ後ほど〜」
そして、これが空くんとの最後の会話でした。
僕はやっとこさクロークに荷物を預けて、会場の大部屋に戻り、立ち尽くしていました。
人の数もさることながら、男性参加者がすごいノリで女の子たちに話しかけているからです。絶対普段の3〜5倍くらいはテンション出してる。
大学2年生がはじめて1年生を迎えた初日のサークルくらいテンション出してる。
引っ込み思案の僕につけ入る余地はなさそうです。こういうノリは苦手です。
しかし、僕は、まだ空くんと合流できていなかったので、一人で狼狽えてるのが周りに気がつかれるわけにいきませんでした。
スラムダンクの仙道のごとく「まだあわてるような時間じゃない」と平静を装い、いかにも「会場の雰囲気やお酒を楽しんでからで女なんか十分。」という余裕シャクシャクの顔でいました。
しかし、カップに注がれた酒を飲み干してしまい、混雑で酒を取りに行けないため、途中からエアー飲みを繰り返していました。
そんな時!
???「お一人ですか?」
サトル「え?」
続く