6年前の気管がん切除手術から9月12日で丸6年を迎えます。

 

「気管孔」と言うのは、喉頭がんや私のように気管がんの手術で呼吸をするために喉や胸に制作した息をするための穴です。

 

私の場合は気管の大部分を切除し残せた気管がわずか5cmしかなく喉まで届かないため、鎖骨、第一第二肋骨、胸骨を切除して、胸に気管孔を作っています。

 

「気管癌」自体珍しく、骨を取って胸に気管孔を作る手術も出来る医師が少ないと聞きます。千葉県鴨川市の亀田総合病院で岸本医師、野守医師によるこの手術を受けてから間もなく6年ですが、オンラインでもオフラインでも胸に気管孔がある患者さんにもこの手術をしたという医師にも出会ったことはありません。

 

がんの種類「腺様嚢胞癌」となると、さらに希少で、希少癌が希少な気管に発症し、胸に気管孔を作る希少な手術をしたとなると超珍しいようです。しかも、その体で筋トレをやってマッチョとなると世界を探してもそう居ない。珍獣並なのです。でも残念ながら「絶滅危惧種」扱いのような優遇はされません😢(笑)。

 

《参考ホームページ》

『MSDマニュアルプロフェッショナル版』

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/

によると・・・

原発性気管腫瘍まれである(0.1/100,000人)。この腫瘍はしばしば悪性で,局所進行期で発見される。最も頻度が高い悪性気管腫瘍としては,腺様嚢胞癌,扁平上皮癌,カルチノイド,粘表皮癌などがある。」

 

『がん情報サービス』

https://ganjoho.jp/public/index.html

によると・・・

腺様嚢胞癌は、新たに診断される人が、1年間に10万人あたり6人未満と少ないがんです。」

・・・とあります。

 

こんな珍しいことが3つも重なるのですから『宝くじ』も買えば当たるのではと考えるこの頃です(笑)。

 

『気管孔』呼吸の体になると、まず、生れてこの方、鼻の穴と口で呼吸をしてきたのですから、胸の穴で息をすることに慣れるというか受け入れるのに脳天気な私でさえ時間を要しました。

 

健常者の気管は直径25mm程度、外界との空気の出入り口は口と二つの鼻の穴なのですが、気管孔では1cm足らずの穴ひとつでの呼吸になるため物理的に酸素を取り入れる量が少なくなりますから体を激しく動かすとすぐに息があがります。(気管孔制作直後は胸に開いている穴の径は20~25㎜くらいありましたが、時間の経過とともに「狭窄」といってどんどん小さくなっていきます。)

 

《狭窄防止チューブのメンテ》

私の場合、気管孔の補強に右の大胸筋が使われたためか、狭窄が止まらず術後6年近く経過した今でも胸の穴には狭窄防止目的にエアウエイチューブが24時間挿入されています。何度かチューブを抜去することにトライしましたが、狭窄は止まらないので恐らく一生入れたままでしょう。ちなみに狭窄防止チューブは、病院から提供されるチューブを工作が得意なBIGTOEが自らハンドメイドで作っています。気管孔は生き物です。時々刻々、変化しているので孔にフィットするように加工しています。

 

《ネブライザー》

気管孔には、メンテナンスが必要です。吸入する乾燥した空気がダイレクトに気管孔、気管支、肺へと入ってくるために肺炎などのリスクが高まるからです。健常者では、吸った空気が鼻、口、喉を経由して気管、気管支、肺へと入っていく過程で適度な湿気を帯び、吸い込んだほこりなどの異物は肺まで到達することを防ぎます。気管孔の体では、ネブライザーという加湿器で気管内の乾燥を防ぎ、人工的に肺に湿気を送り込む必要があるのです。今でも1日に3回は加湿の為にネブライザーが必須です。

 

(※1日3回のネブライザーでの加湿は欠かせません。)

 

《痰取り》

健常者では、肺から気管支、気管を通って、肺から上がってきたは飲み込んだり、口から吐き出したりしています。気管孔になるとそれが出来ませんから、肺、気管支を通って気管孔から出てくる痰をティッシュ、綿棒などで都度処理してやる必要があるのです。正直面倒ですが生きるためです。ティッシュ、綿棒の消費量は半端じゃありません!!

 

《参考ホームページ》

『サントリー健康情報コラム』

https://www.suntory-kenko.com/column2/

 

『痰は、気道粘膜によって作られる気道分泌物です。気道分泌物は免疫物質を含んでいるため、細菌やほこりから体を守る働きを持ちます。・・・・・健康な人であっても、一日あたり60~100mlの分泌物が肺や気道から出されていますが、通常は痰を体外へ排出することはほとんどありません。なぜなら、分泌物のうち咽頭に達するのは10ml程度しかないためです。少量の分泌物は、無意識のうちに飲み込んでしまいます。』

 

 

 

 

《気管孔になり生活で不便な事》

①  気管孔のネブライザー加湿、痰取りなどのメンテナンスが欠かせません。

②  気管孔から水が入ると溺れるのと同じ状態(肺に水が流れ込む)になるのでシャワー、入浴の際には防水対策が必須です。バスタブには、鳩尾までしか浸かれません。

③  臭いがわからない。(鼻、口で息をしないので臭覚がなくなります。)

④  胸の穴で息をしているため、メンテナンスのため、前開きの服、メッシュなどの通気性のいい服しか着られません。重ね着も出来ません。

⑤  私の場合、声帯も切除していますが、気管孔では声を出せなくなります。

⑥  鼻水が垂れ流しになります。鼻を吸うこともかむことも出来ません。ティッシュは必需品、常にポケットに忍ばせています。

⑦  喉ゴロゴロのうがいが出来ません。口の中でクチュクチュペーになります。

⑧  熱い食べ物、飲み物をフーフーして冷やせません。

⑨  気管孔は口のように開け閉めが出来ないので、力む、息むが出来ません。

などなど、数え上げればきりがありません。

 

(※シャワー、入浴時にはフェイスマスクをパーミロールで胸に固定して防水します。)

 

 

《気管孔になって良かったことはあるのか?》

①  おなら、臭い臭いがわからない!!しかし、これガス漏れ、排気ガスもわからないから気が付かずに死ぬかも💦良いことじゃあないか~(´;ω;`)ウッ…

②  高齢者の死因として多い「誤嚥性肺炎」にならない!!息をする気管孔と飲食をする食道が完全に分離されているので誤嚥のしようがありません!!!

③  鼻で息をしないので、花粉症の症状が涙目だけになった!!

④  これは定かではありませんが、鼻、口で空気を吸い込まないためか、2017年の手術以来、風邪をひいて喉が痛いということが一度もない!!

⑤  コロナ禍でもマスクをする必要がない!!気管孔のラリンゴフォームのカバーは二重にしました(笑)。

 

まあ、悪いことばかり数えずに「何事も良いことを探せば何かある!!」ということでしょうか?

「思い悩まず、気楽に構える生き方」がここにも生きています。こんな感じで今日も人生を楽しみながら生きるBIGTOEです!!

 

【昨日のトレーニング】

◎ラジオ体操第1、第2(4日目)

◎スローブルガリアンスクワット 20回×4セット

◎ワンレグカーフレイズ 120回

 

(※自重筋トレ、足腰の王道はスローブルガリアンスクワットです!!)

 

【今日のトレーニング】

◎ラジオ体操第1、第2(5日目)

◎ハンマーグリップチンニング 22回~15回×10セット

◎ハンギングレッグレイズ 20回×5セット

◎チューブサイドレイズ 2分×2セット

 

今日の早朝の公園は、風があり日陰では汗をかいた体に心地よく感じました。日中はしばらくは猛暑が続くとの予想も出ています。くれぐれも熱中症に気をつけてお過ごしください。