家族で番組に出始めた頃に
「ビッグダディっ!」
と、声をかけられると
「俺はちゃんと名前があるんだ」
そう思ったものです。 

ただ子供が多いというだけで取材対象になっただけですからね。

しかし慣れというのは恐ろしくて、番組が始まった年から20年以上が経過した今…
「ビッグダディですか?」
と聞かれると
「はい、そうですよ」
そう返答するようになりました。

あの番組があったことで間違いなく人生が面白くなっているのに、態度があまりに頑なだったなと思うようになったのです。

吾輩の描くモグラの絵を欲しいという方が予想以上に多く、カフェに絵を描きに行った時⋯

お隣に座っていた御婦人から
「見ていていいですか?」
話し掛けられたので
「どうぞどうぞ」
と続けていました。

すると
「それは何かに使う為に描いてるんですよね?」
そう聞かれたので
「欲しいですか?」
「出来たら一枚…」
という流れになりました。
 
番組でもこの絵を使っていたので、十数年前もモグラの絵が欲しいと言われることもありました。
その度に
「こんな小学生が描いたような絵が欲しいんですか」 
そう思ったものです。

それが今やこちらから
「欲しいですか?」
なんて言うのようになるとは…慣れとは本当に恐ろしい!

御婦人のお名前を伺って
出逢い記念
その日の日付
も記入してお渡ししました。

我が心中の変化に可笑しくもあり、少しの動揺もあり
「一枚くださいませんか」
そんな出逢いがあることはとても有難いことだなと思います。 

あの番組のお陰で面白くなった人生です。