詩美の言う色違いのスウェットを買ったのは平成の13年の春、まだ借金におわれている頃です。
父子家庭になった直後でもありました。
殊我が家は
「新生 林下家」
になったのだという意識が強かったんでしょうね。
街を歩いていたら可愛いいスウェットが、色んなサイズで並んでたんですよ。
即座に
「よし我が家のユニフォームとして、これを買おう」
と、思いました。
そんなんで、なんか家族の気持ちがまとまるきっかけにでもなればと考えたんでしょう。
確か有り金はたいてギリギリで買ったんですが、みんな喜んでくれました。
それまで新しい服を買ってやるなんてことはなかなかありませんでしたからね。
男子組は青、女子組は赤だったのですがボーイッシュだった詩美は黄色にしました。
あの頃は次から次へと支払いに追われる日々で、生活も本当にきりつめていました。
上下で千円しないスウェットでも、人数分を買うとなると結構な英断が必要だったんです。
「頑張ってるし、これからの為にもいいよな」
なんて都合のいい解釈をして買っちゃいました。
あの頃の話をしていると度々あのスウェットの話しは出て来ますから、少なくとも思い出を辿るアイテムのひとつにはなっています。
みんなでよく行った蓮華寺池のほとりとか、いつかまた行ってみたいものです。