サガン鳥栖U-15が激戦制して2冠達成(その1) | Purely Belter

サガン鳥栖U-15が激戦制して2冠達成(その1)

先日の"高校年代真の日本一"を決める戦いに続き、今日は中学年代の頂点を決める戦いが行われました。高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会は、ついに決勝戦を迎えました。決勝までコマを進めたのはサガン鳥栖U-15とFC東京U-15深川の2チーム。最後まで目が離せない試合となりました。


■クラブユースに続く2冠達成を目指すサガン鳥栖U-15
今季のサガン鳥栖U-15はあらゆる大会で強さを見せつけました。8月に開催された第32回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会では、大会初優勝。高円宮杯U-15地域リーグ九州地域では、2位に勝点差17をつけて優勝を果たし、7回目の全日本ユース出場を果たしました。

全日本ユースでは、1回戦から激戦をモノにして勝ち進んできました。準々決勝ではFC.フェルボール愛知との打ち合いを2-5で制し、準決勝では清水エスパルスジュニアユースに試合終了間際のゴールで0-1と勝利して決勝進出を果たしました。夏冬の全国2冠まであと1勝に迫りました。

この試合に臨んだサガン鳥栖U-15のスタメンは以下の通り。GKは田中勇輝、DFは橋本悠、末次晃也、千代島瞬、中野伸哉。MFは松尾亮汰、西村洸大、岩﨑雄永、相良竜之介。FWは中村尚輝と田中禅の2トップとなりました。ベンチにはGK永田優斗、DF古賀照也、江崎智哉、船原零央、MF大島清、平島諒多、FW坂口眞汐が入りました。

左サイドバックの中野選手とエースの田中選手は、いずれもU-15日本代表に名を連ねる選手。10月にフランスで行われたバル・ド・マルヌU-16国際親善トーナメント2017に出場し、大会制覇に貢献しました。身長181cmの恵まれた体格を武器とする田中選手は、今大会ここまで2ゴールを挙げています。

■FC東京U-15深川は3大会ぶりの優勝を目指す
FC東京のU-15年代は、FC東京U-15深川とFC東京U-15むさしの2チーム体制となっています。FC東京U-15深川は関東ユース(U-15)サッカーリーグ1部で戦っており、今季は鹿島アントラーズジュニアユースに次ぐ2位。見事11回目の全日本ユース出場を果たしました。

FC東京U-15深川は、1回戦から攻撃陣が大爆発。準決勝までの4試合で16ゴールを挙げて決勝まで勝ち進んできました。2回戦では、アビスパ福岡U-15相手に3-0で快勝。前半を1点リードで終えると、後半終了間際に2点を加えて勝利しました。準決勝でも大宮アルディージャジュニアユースを0-3で寄せ付けず。3大会ぶりの優勝に王手をかけています。

決勝に臨んだイレブンは以下の通り。GKは熊倉匠、DFは佐藤恵介、木村哲大、新良介、菅原一真。MFは安斎颯馬、佐久間賢飛、常盤亨太、安田虎士朗。FWは青木友佑と笹沼航紀の2トップとなりました。ベンチにはGK彼島優、DF三浦大、篠塚颯吾、MF稲村隼翔、梶浦勇輝、FW金子凜、野澤零温が入りました。

安斎選手と青木選手もU-15日本代表に名を連ねています。エースの青木選手は爆発的な決定力が武器。前述のフランス遠征では3試合全てでゴールを決め、チームを牽引しました。今大会でもゴールを量産しており、ここまで8ゴール。大会得点王を確実なものとしています。

■サガン鳥栖U-15が幸先よく先制するも前半終了間際に失点
試合は前半開始早々に動きました。前半2分、西村選手が中央で相手ボールを奪うと、前線へ。これを受けた田中選手がダイレクトでシュートを放つと、GK熊倉選手の手を弾き、ボールはそのままネットへ吸い込まれました。

その後もサガン鳥栖U-15が好守に良いパフォーマンスを見せました。守備では常に数的優位を作って相手ボールを奪い、長いボールに対してはしっかりとラインを揃えて対応しました。球際も激しく、ボールを奪ってからは素早い攻撃を心掛けていました。縦へのボールのみならず、相良選手と中野選手のコンビネーションで左サイドを狙う場面もありました。

開始早々に失点を許したFC東京U-15深川は、シンプルな攻撃を試みます。前線の青木選手を狙うロングボールを送りますが、相手DFにしっかりと対処されてしまい、決定機を作ることができずにいました。少ないタッチで前へ送るものの、上手く繋がらず。攻撃は専ら青木選手頼みとなってしまい、多くの選手が攻撃に顔を出すことができずにいました。

苦しい時間が続いたFC東京U-15深川でしたが、37分に一瞬の隙をついて同点ゴールを奪います。笹沼選手の縦パスに抜け出した青木選手が、相手GKの頭上を越すループシュートを決め、試合を振り出しに戻しました。サガン鳥栖U-15のDF陣は、青木選手へのボールに対してしっかりと対処できていました。しかし、この場面では、自陣からのボールをカットされ、そこからパスを繋がれて一気に青木選手まで渡ってしまいました。

■FC東京U-15が息を吹き返すも…80分では決着せず
前半終了間際の同点ゴールで息を吹き返したのはFC東京U-15深川。ボールへの出足も格段に速くなり、セカンドボールも拾えるようになりました。後半も良い入りを見せたのはFC東京U-15深川でした。5分には菅原選手が左サイドを突破してクロスを上げる場面があり、12分にも青木選手の抜け出しからシュートに持ち込む場面がありました。

しかし、サガン鳥栖U-15も徐々に盛り返し、時間が経つにつれて中盤の攻防が繰り広げられるようになりました。両チームともボールを奪ってから攻撃を試みるも、早い対応で相手を潰していました。サガン鳥栖U-15は13分に平島選手を、一方のFC東京U-15深川は30分に野澤選手を投入し、攻撃の活性化を図りましたが、共に2点目を奪うには至りませんでした。

80分を戦い終えてもスコアは動かず1-1のまま。後半は両チームとも相手の長所を消すことができていたため、互いにビッグチャンスを作ることができませんでした。試合は10分ハーフの延長戦へ突入することとなりました。

爆発的な攻撃力を武器に決勝までコマを進めたFC東京U-15深川。
青木選手(後列右端)は決勝でもゴールを決め、今大会9ゴールとした。