明暗が分かれたニューカッスルの代表選手 | Purely Belter

明暗が分かれたニューカッスルの代表選手

先週はインターナショナル・ウィーク、世界各地で代表戦が行われました。アジア、アフリカ、南米では2018 FIFAワールドカップ予選が、そしてヨーロッパではUEFAユーロ2016予選が行われました。

ニューカッスル・ユナイテッドからも多くの選手たちが代表チームに招集されました。今季のリーグ戦で開幕から8試合勝利がないため、代表戦では良い結果を残してほしいところですが…残念ながら明暗が分かれてしまいました。それでは、ニューカッスルの選手たちの代表戦を振り返ってみましょう。


■新加入の若きDFが代表初ゴール
今夏に加入したDFシャンセル・ムベンバはコンゴ民主共和国代表に招集され、ガボン代表との親善試合に臨みました。この試合にスタメン出場したムベンバは、1-1で迎えた後半43分にエリア中央でボールを奪いそのままドリブルで持ち込みロングシュートを決めました。このゴールが決勝点となり、DRコンゴが勝利しました。

新加入ながらここまでリーグ戦全試合にフル出場しているムベンバは、持ち前のスピードとフィジカルの強さでチームを支えています。本職はセンターバックですが、ダリル・ヤンマートが出場停止だったマンチェスター・ユナイテッド戦では右サイドバックとして出場しました。チームはここまでリーグ・ワースト2位の17失点を喫していますが、ムベンバは何度もピンチを救うプレーを見せています。

ガボン代表戦でのゴールは、ムベンバの良さが出たシーンでした。センターサークル付近で相手FWからボールを奪うと、そのままドリブルで中央を突破して最後はエリア外から強烈な一発を突き刺しました。対人戦の強さやスピードは勿論ですが、試合終了間際に数十メートルを疾走し、強烈なシュートを放つことのできる運動量も圧巻でした。クラブでもこうした思い切りの良いプレーを見せてくれることでしょう。

■ユーロ初出場に湧く"元アウトサイダー"
ユーロ2016予選は全日程が終了し、プレーオフを残すのみとなりました。今大会から出場枠が24チームに増えたこともあり、今まではチャンスのなかったチームが本戦出場を決めました。ベルギー代表とルーマニア代表がユーロ2000以来の出場を決め、アイスランド代表、アルバニア代表、北アイルランド代表、ウェールズ代表が初出場となりました。

現在ミルウォールへレンタルされているMFシェーン・ファーガソンも喜びを掴んだひとり。クラブでは出場機会がなくレンタル生活が続いていますが、北アイルランド代表ではコンスタントに招集されています。今予選も6試合に出場しました。大きな怪我さえなければ本戦のメンバーに入ることが出来るでしょう。スピードを活かしたドリブルと鋭いクロスを武器に、代表でスタメンの座を勝ち取ってほしいですね。

また、現在は負傷離脱中のDFポール・ダメットがプレーするウェールズ代表も本大会出場を決めています。MFギャレス・ベイルが注目を集めますが、今予選は10試合で4失点とDF陣の奮闘が目立ちました。昨年代表デビューを飾ったダメットですが、左サイドバックにはニール・テイラーとベン・デイヴィスという実力者が控えています。定位置争いは激しいですが、何とか2人の間に割って入りたいところです。

一方でGKロブ・エリオットが招集されたアイルランド代表は、ポーランド代表との直接対決に敗れグループDで3位となり、プレーオフへ回ることになりました。エリオットは、嘗てニューカッスルでプレーしたGKシェイ・ギヴンが負傷したことを受けて追加招集されました。ポーランド代表戦は出場機会がありませんでした。クラブでは今後出場機会が増えることが予想されており、そこで好プレーを見せて代表にも定着してほしいです。

■痛すぎる守護神の負傷離脱…
一方で失意を味わったのはオランダ代表でした。2014年のW杯で3位に入り、さらなる飛躍が期待された"オランニエ"でしたが、ユーロではまさかの予選敗退となってしまいました。

チームには5人のオランダ代表選手が所属しており、今予選にはGKティム・クルル、DFダリル・ヤンマート、MFフルノン・アニータ、ジョルジニオ・ヴァイナルドゥムが招集されました。10日に行われたカザフスタン代表戦ではヴァイナルドゥムがゴールを奪うなど1-3で勝利。最終戦にわずかな望みをかけましたが、チェコ代表にホームで2-3と敗れプレーオフ進出を逃しました。

本戦出場を逃したのは勿論残念ですが、それ以上に痛いのがGKクルルの負傷離脱です。正GKイェスパー・シレセンの負傷を受けてカザフスタン代表戦でゴールマウスを守ったクルルでしたが、後半36分に着地の際に膝を痛めて負傷退場。検査の結果、右膝前十字靭帯断裂の重傷であることが判明し、今季絶望となりました。今季もここまで数多くのスーパーセーブでピンチを救ってきた守護神の離脱は、ニューカッスルにとっても大打撃となります。クルルの早期回復を祈るばかりです。

クルルの負傷を受け、マンUで干されているGKビクトル・バルデス獲得の噂や、嘗てニューカッスルで活躍したGKスティーヴ・ハーパー復帰などの噂が出ていますが、どうなることでしょう。第2GKのカール・ダーロウも負傷しているため、当面はエリオットがゴールマウスを守ることになりそうです。エリオットも素晴らしいGKですから、彼の活躍に期待しましょう。

■求められるノリッジ・シティ戦での勝利
上記の通り、ニューカッスルは開幕から8試合白星がなく、最下位に沈んでいます。スティーヴ・マクラーレン監督は10試合を消化してから判断してほしい旨話していますが、徐々にそれも近づいています。ニューカッスルというクラブは昔から気まぐれなところがあるため、個人的にはあまり気にしていないのですが、それでも白星が早く訪れてほしいのは事実。それが次節であることを願いましょう。

次節はホームでノリッジ・シティと対戦します。昇格組のノリッジですが、現在13位とまずまずの結果を残しています。スーパースターは不在ですが、GKジョン・ルディ、DFセバスティアン・バソング、MFマット・ジャーヴィス、FWカイル・ラファーティら各ポジションに代表クラスの選手を揃えています。非常に難しい相手となりそうです。

しかし、ニューカッスルも高いモチベーションで試合に臨むはず。GKクルルをはじめ、DFケヴィン・ムバブ、スティーヴン・テイラー、MFロランド・アーロンズ、ガブリエル・オベルタン、FWエマニュエル・リヴィ―エルは欠場しますが、一方でDFマサディオ・アイダラとMFジャック・コルバックが復帰し、ダメットとヤンマートもメンバー入りしています。熱いサポーターの前で今季初勝利を挙げることが出来るのではないでしょうか。


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