羊土社

『すこし痛みますよ〜ジュニアドクターの赤裸々すぎる日記』

 アダム・ケイ著 / 佐藤由樹子訳

 

 

を読み終わりました。

この本は著者であるアダム・ケイさんがイギリスの産婦人科医(研修医)として働いていた6年間の過酷な日々を日記に綴ったものを書籍化したものです。

 

イギリスではプライベート医療サービスと公的な医療保険サービスであるNHS(National Health Service)があり、アダムさんはNHSの産婦人科医でした。

 

NHSは税金で運営されているので加入者は各医療機関で原則無料びっくりびっくりマークで医師の診察を受けられます(まずはかかりつけ医GP(General Practitioner :総合診療医)の診察を受けてからですが…)。

ただし、常に混雑している病院内。そこで身を粉にして働いているのがアダムさんのようなドクターたちです。

 

医学部を卒業して2年間は病院で研修を積んだのち、GPとして開業するか専門医のコンサルタントを目指して病院で研修を続けるか選択します。

 

コンサルタントを目指すべくジュニアドクターとなったアダムさんに待っていたのはとても目まぐるしく過酷な日々でした。

信じられないほどの長時間労働(週97時間)、それに全然見合わない給与、人の命を預かる重責、プライベートも呼び出しがあれば犠牲にしてかけつけなければいけない…。

 

日記形式なので、割と淡々と書かれている感じですがその内容はかなりハードで、でもアダムさんのシニカルでユーモアのある文体、そして読者を意識した平易な文章なので、医療の知識がない私でも読みやすかったです(個性的な注釈もついていますニコニコ)。

 

この本を原作としてドラマ化もされています(ドラマからこの本を知りました)。

医師を辞められたアダムさんは今は作家・コメディアンとして活躍されているそうです。

 

日本も医療の現場は特に研修医時代は過酷、とよく耳にします。

皆の命を預かる医療従事者だからこそ、政府が待遇を改善して医療従事者の健康、そして医療全体の質を保ってほしいですね。

 

 

 

日本ではWOWOWで放送されてます。