ある映画界の忘年会でのこと。

ある女優もどきの方が、表題の言葉をおっしゃるので、
「そ、そうなのね?
でも、他人と性交をもてないというのは立派な個性。
その悲しみを陽転して、素敵な演技してね~」
と、いって、
私が次のテーブルに動いたのに、
のそのそと私に付いてくる彼女。

仕方がないので、
「あ、こちら、映画監督のHさん。どうぞ、このテーブル盛り上げてね♪」
と、彼女にテーブルを任せたのに、
また、金魚の糞のように付きまとってくる。

女優だったら、このテーブルの人たちを魅了しなさいよ!チャンスあげたのに~!

私は終電の時間が迫ったので帰ろうとするのに、
迷惑にも駅まで追いかけてきて、
安マニュキュアで、
大好きなイッセイミヤケのコートに爪を立て離れないから、
つい、
久しぶりに私、頭にキターー!!

「ケンジョーだろうが、
ショウガイシャーだろうが、そんなの関係ねぇ!!

要は、
役者として、
人として、
いかに、大衆を魅了するかどうかだろ?

私みたいなオネエに占ってもらって理解されたとしても、あんたは、うかばれない。
女優は芝居するのが仕事なのに、あんたは自分を認められたいだけ。
自分を愛し認められてこそ、役者として輝くものよ。
もし、本気で自分が変わりたかったら、
私とセッションを希望するなら、ご予約してくださいませ。」

と、私はなんとか怒りを押し殺しながらいうと、
彼女は「お金は払う」というから、
「ありがとうございます。おいくらのセッションをご希望ですか?」と聞くと、
「今は、お金がない。」という彼女。
「あら~今度とオバケはでてこないわね~」
と追い払うのに、それでも私のコートをわしずかみ。


「私、テレビに出していただいていろんな芸能人さんを見させていただいてるけど、
他の無名のあこぎな占い師さんほど、高い見料をとっているわけでもないわ。至って普通料金。

女優だからって、
マイノリティだからって、
はじめて会ったあなたを、無料で見る道理はないはず。

・・・私も昔、貧乏だったから、貧しい人の気持ちはわかるわよ。
でもお金がないなら、図書館いって勉強するなりいろんな方法があるもの。
それでもうまくいかないときは、
お金をしっかり払って、
セミナーやワークショップに参加して、身につけてきたの。
お金がない分、必死に吸収しようとしたわよ。


てか・・・


あんた、女優だの、
マイノリティだのごたくを並べているけれど、要は、
自分を特別あつかいしてもらいたいだけじゃない?
結果をだせない、
社会に順応できない落伍者である自分を、
オカマに憐憫してもらいだけね。

ごめんなさい・・・私なりに無料で言えるのはここまで。

世の中で働いてるサラリーマンさんとかは、
毎日毎日、厳しいノルマや結果に追いかけながら少ないお金の中から、
私のところに、時間もお金も割いてきてくださるわ。

世の中で女優といえば、サラリーマンさん以上に、
チケットノルマや視聴率を背負って厳しく戦っているのに、
あんたはいかがなものかしら?

しかも、
マイノリティって隠れ蓑で哀れんでもろおうったって、
世の中の人々は自分のことで精一杯で、お人好しになるゆとりはないもの。

私たち、ゲイやレズやマイノリティの人々は、
親や世間の固定観点の中で、
必死に自分の居場所をみつける努力をしてきたのよ。

ほんと、ごめんなさい。
これ以上は、ほんとに覚悟を決めてご予約ください。」

と、言って、
彼女を振り切って電車に飛び乗ったの。

え?
ここまでなの?電車に飛び乗らないの?彼女?

と、

思っていたら、
一緒についてきた無名の男優さんが、
電車に飛び乗って、
「彼女の気持ちはよくわかる」と、ポロポロ泣き出したわけ。


いや~ん、今日は仏滅かしら~><


男の涙に弱い私。
でも、いくら男に甘い私でも、突っぱねたわ。

「あんたは、自分より弱い女を見下して、優越感に浸りたいだけね。
そんな陳腐な情けで生き馬の目を抜く芸能界でトップ走れるのかしら?
役者は、舞台の上でしかハートを開けない因果な商売よ。
みんながライバル。違う??

さ、お帰りなさい。」

と、次の駅で彼を追い出してしまったの。





きゃーーーしまった!





そのまま、彼をお持ち帰りしたらよかったわ~~~~~(アホ)

・・・チャンスをモノにできない女ってあまちゃんね。






ごめん~愚痴ちゃった。。。