昨日の続きですキラキラ

 

【資料】
昭和初期までは大正時代の自由な空気が続き、自己の表現を模索する画家たちの新しい表現が画壇をにぎわせていました。またヨーロッパの共産主義思想やシュルレアリスムももたらされ、新たな芸術運動が起きます。しかし、徐々に社会は戦争へ向かい、軍部による思想統制が激化し、芸術家たちの表現の自由は次第になくなっていきました。画材も不足する中で、従軍画家として現地に赴く画家も大勢いました。

 

 

Q.274
第二次世界大戦中の戦争記録画についての説明として正しいものは?

①下図は、宮本三郎作《山下、パーシバル両司令官会見図》である

②陸・海軍省の委託で制作された公式の戦争記録画を「作戦画」という

③1970年にGHQに接収された

④2002年にアメリカから返還され、東京国立近代美術館の所蔵品となった

 

下図はこちらで確認をウインク

 

宮本三郎 《山下、パーシバル両司令官会見図》
1942(昭和17)年 油彩・キャンバス 180.7×225.5㎝
東京国立近代美術館(無期限貸与)

 

 

 

 

答え ①
宮本三郎作 《山下、パーシバル両司令官会見図》である

 

 

宮本三郎(1905~1974年)

 

宮本三郎

1948年

 

藤島武二に学び

安井曾太郎に師事

二科会で活躍

戦後二紀会を創立していますキラキラ

 

 

戦争中

記録戦意高揚のために絵画を利用します

 

多くの画家たちがその制作に関わり

戦闘戦地の光景大画面に描きました

 

によって公式に描かれた戦争画

「作戦記録画」と呼ばれ

 

国民に

戦争の大義や正統性を浸透させるため

展覧会巡回展で広く公開されました…

 

 

 

宮本三郎従軍画家として活躍した1人キラキラ

 

 《山下、パーシバル両司令官会見図》 

作戦記録画の代表作ですビックリマーク

 

シンガポールで行われた日本軍

ギリス軍停戦会議の模様を描いたもの 目

 

宮本三郎 山下、パーシバル両司令官会見図 報道写真

 

 

宮本は

その会見に居合わせていたのではなく

 

同地で実際の人物や場所を取材

報道写真をもとに全体を構成していますビックリマーク

 

 

 


 

戦後 戦争画の多くはアメリカに接収され

 

1970(昭和45)年

無期限貸与の形で153点が返還キラキラ

 

東京国立近代美術館に保管・展示されています音譜

 

 

 

 

自由が丘には

宮本三郎記念美術館がありますキラキラ

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版日本美術史 辻惟雄監修 美術出版社 2020

芸術教養シリーズ8 アジア・アフリカと新しい潮流 近現代の芸術史 造形篇II 林洋子編 幻冬舎 2013

 

 

 

 

 

ダイヤオレンジ国立新美術館 6/29~9/26

「ルードヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡-市民が創った珠玉のコレクション」

ドイツ表現主義や新側物主義 ロシア・アヴァンギャルド バウハウス ポップアートなど 20世紀初頭以降の様々な表現の作品152点を 寄贈したコレクターたちに焦点を当てて紹介していますキラキラ 

10/14~は京都国立近代美術館へ巡回予定音譜